映画評「バッドサンタ」
☆☆★(5点/10点満点中)
2003年アメリカ映画 監督テリー・ツウィゴフ
ネタバレあり
クリスマスには二日早いが、この作品をどうぞ。
テリー・ツウィゴフの前作「ゴースト・ワールド」は捨てがたい味のある珍品だったが、本作は珍品というだけで余り面白くない。出来栄えが悪いというよりは肌に合わないのである。客観的評価にも限界がある(笑)。
デパートのサンタに扮しているビリー・ボブ・ソーントンは、妖精に扮している小人トニー・コックスと組んで、勤め先の金を盗んではとんずらするという生活を繰り返している。
今年はアリゾナに遣ってきた彼だが、宿が家探しされているので、サンタと慕って来るお人好しの太ったブレット・ケリー少年の家に泊ることにする。少年以外にぼけた祖母しかいないのだ。
クリスマス当日例年通りに作戦を敢行するが、相棒が裏切った上にそこに警察が待っていたから大ピンチに陥るが、少年に親しみを覚えたのが幸いして、意外な結末を迎える。
作者たちは、子供たちに優しいはずのサンタを演ずる人物がアル中でセックス狂で暴力的でしかも犯罪者という、常識とのズレから生ずる面白味を狙ったものだろうが、最後のハート・ウォーミング的な展開を含めて上っ面だけという印象が強く、余り好みではない。毒が余りにもストレートに表現されすぎているのだ。
ソーントンは平凡な人間から異常な人間まで器用に演じられる貴重な才能だが、大変人ではなく少しだけ変わったキャラクターを演じた時が一番光るようなので、この下卑たサンタは必ずしも適役とは言えない。
2003年アメリカ映画 監督テリー・ツウィゴフ
ネタバレあり
クリスマスには二日早いが、この作品をどうぞ。
テリー・ツウィゴフの前作「ゴースト・ワールド」は捨てがたい味のある珍品だったが、本作は珍品というだけで余り面白くない。出来栄えが悪いというよりは肌に合わないのである。客観的評価にも限界がある(笑)。
デパートのサンタに扮しているビリー・ボブ・ソーントンは、妖精に扮している小人トニー・コックスと組んで、勤め先の金を盗んではとんずらするという生活を繰り返している。
今年はアリゾナに遣ってきた彼だが、宿が家探しされているので、サンタと慕って来るお人好しの太ったブレット・ケリー少年の家に泊ることにする。少年以外にぼけた祖母しかいないのだ。
クリスマス当日例年通りに作戦を敢行するが、相棒が裏切った上にそこに警察が待っていたから大ピンチに陥るが、少年に親しみを覚えたのが幸いして、意外な結末を迎える。
作者たちは、子供たちに優しいはずのサンタを演ずる人物がアル中でセックス狂で暴力的でしかも犯罪者という、常識とのズレから生ずる面白味を狙ったものだろうが、最後のハート・ウォーミング的な展開を含めて上っ面だけという印象が強く、余り好みではない。毒が余りにもストレートに表現されすぎているのだ。
ソーントンは平凡な人間から異常な人間まで器用に演じられる貴重な才能だが、大変人ではなく少しだけ変わったキャラクターを演じた時が一番光るようなので、この下卑たサンタは必ずしも適役とは言えない。
この記事へのコメント
本作、未見でございますが、一言申し上げにまいりました。
Merry Christmas!
男に言われても気色悪いかもしれませんけど(笑)
ご家族と楽しいクリスマスをお過ごしくださいませ^^
今日は1000映画関連記事投稿記念も兼ねて、企画ものを一つ。法廷ものはお好きだったでしょうか?
「日曜日が待ち遠しい!」と称してきた日曜日のトリュフォー特集も今日で終わり。来年からは日曜特集は止めます。スケジュールを組むのが大変ですから。
後は憂鬱な年賀状書きで今年も終わりといった感じでございます。
30日は家族挙げての餅つきです。
しかしまあ、これほどお下劣なクリスマス映画も珍しいですね。ときにこういったイヴェント系映画ですが、お正月を題材にした映画って、意外と思い当たりませんね。「賀正」(文芸っぽいヤツを予想)とか「餅、何個食べる?」(都会派ラブコメディを想定)とか「凧揚げ」(ほのぼの系)とかいう作品は聞いたこともありませんしね。
お正月って、結構人も集まるので悲喜こもごもを描くことも可能だと思うのですが、ぜんぜん思い当たりません。案外難しいテーマなんでしょうか。
それはさておき、来年も多くの良い映画と巡り合えることをお祈り申し上げます。どうぞ来年もよろしくお願いいたします。ではまた。
敢えて言えば、「THE有頂天ホテル」がそんな感じですね。年越しですけど。
正月の一点で推した群像劇は確かに思いつきませんね。作られる(若しくは作られたことがある)としたらクレイジーキャッツのコメディーみたいな感じでは?
お互いに健康に留意して映画を観まくりましょう。
良いお年を。