映画評「ケンタッキー人」

☆☆★(5点/10点満点中)
1955年アメリカ映画 監督バート・ランカスター
ネタバレあり

今週はNHK-BS2でバート・ランカスター特集があり、久々の「大列車作戦」を楽しみにしていたが、国会中継により延期。一番観たい作品に限りそうなることが多いのは<マーフィーの法則>かいな。仕方なく、観たのかどうか記憶も定かではない故に録画しておいた本作を見ることにした。

モンロー大統領の時代だから1820年頃のお話で、ケンタッキー人のランカスターが息子ドナルド・マクドナルドを率いて新天地テキサスを目指すが、奉公娘ダイアン・フォスターを受け出す為に移動費用を使い果たし、兄のいるミシシッピー川沿いの町でお金を溜める羽目になる。そこで教師ダイアナ・リンと恋に落ち、夢を諦めかけて息子を失望させるが、執拗に追いかけて来る仇を退けた後再び旅に出る。

クリント・イーストウッドやロバート・レッドフォードを持ち出すまでもなく近年は俳優の監督ぶりも馬鹿にできないが、ニューシネマ以前は碌なものがなく、ランカスター自身が監督したこの西部劇もその例に洩れない。

夢を持つというメッセージ性、仇との因縁、ライバル関係の女性二人、実現すべき夢の象徴としての角笛...と楽しめる要素にはことかかないのだが、とにかく場面ごとの描写に締まりがなくダラダラと長たらしく、材料を台無しにしてしまう。
 いつも泣いているような顔つきの息子役に魅力がないのも戴けない。

一番面白いのは、蒸気船の中で騙そうとしている賭博師から逆に金をせしめてその途端にドロン、という箇所でございました。

最後まで観てもはっきり観たことがあったとは言い切れないほど印象の薄かった作品で、最後の<敵が弾丸を込めている間にやっつける>場面のみ辛うじて記憶にあり。

この記事へのコメント

Lisa
2007年01月27日 23:26
オカピーさん
昨年この映画を観た感想を私のBBSに書いた記憶がありますが、主題歌の「ケンタッキー人」が遠い昔に流行ったので、それを聴きたいと思ってワクワクしながら観たのですが、おっしゃるとおりバートも、映画そのものも大して魅力なかったです。歌の場面もピアノに合わせてみんなが合唱する場面がちょっとあっただけでした。鞭を使って戦う場面がこわかったなぁ、と今思い出しました。
オカピー
2007年01月28日 03:19
Lisaさん、こんばんは。

料理と同じで、材料が良くても料理人の腕前が駄目ではおいしいものができないように、ランカスターさんは演出を専門家に任せるべきだったですね。もっと飛んだり跳ねたりするのが彼の本来の魅力でもありますし。
尤も8年後の「山猫」では別人のような重厚な演技を見せますが。

鞭の場面は残酷ですが、見どころでもありましたね。二人の女性の心理合戦も描かれていました。

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