映画評「8 Mile」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
2002年アメリカ=ドイツ映画 監督カーティス・ハンスン
ネタバレあり
2004年映画鑑賞メモより。
白人ラッパーの第一人者エミネムの下積み時代を彷彿とする内容が話題になった半自伝映画。
自動車産業の斜陽化が進むデトロイト、言葉を操る天才として工員仲間の黒人からも高く評価されているエミネムは自動車関連工場の工員である。男に頼らずには生きていけない母キム・ベイシンガーには厳しい視線を、まだ幼い妹には労わるようなやさしい視線を投げかける。
といった個人の環境を混じえながら、黒人の専売特許と思われているラップ・バトルに挑戦する彼の姿を描き出す。
最初は臆して一言も発せず退場する不始末をしでかすが、工場でのラップ合戦に自ら割って入って勝利した自信を糧にして再び会場でのラップ・バトルに挑戦して見事に勝利する。
ラップは音楽というより文学である。押韻が重要なだけに翻訳では難しい部分もあるが、そこは音としてじかに聞く英語字幕の力が発揮される。この映画の吹き替えは不可能である。
カーティス・ハンスンはデトロイトの空気を上手く映像に取り込み、主人公の感情をなかなか鮮やかに描き出し、ラップ・バトルのクライマックスを以って興奮を呼び起こす。佳作。
2002年アメリカ=ドイツ映画 監督カーティス・ハンスン
ネタバレあり
2004年映画鑑賞メモより。
白人ラッパーの第一人者エミネムの下積み時代を彷彿とする内容が話題になった半自伝映画。
自動車産業の斜陽化が進むデトロイト、言葉を操る天才として工員仲間の黒人からも高く評価されているエミネムは自動車関連工場の工員である。男に頼らずには生きていけない母キム・ベイシンガーには厳しい視線を、まだ幼い妹には労わるようなやさしい視線を投げかける。
といった個人の環境を混じえながら、黒人の専売特許と思われているラップ・バトルに挑戦する彼の姿を描き出す。
最初は臆して一言も発せず退場する不始末をしでかすが、工場でのラップ合戦に自ら割って入って勝利した自信を糧にして再び会場でのラップ・バトルに挑戦して見事に勝利する。
ラップは音楽というより文学である。押韻が重要なだけに翻訳では難しい部分もあるが、そこは音としてじかに聞く英語字幕の力が発揮される。この映画の吹き替えは不可能である。
カーティス・ハンスンはデトロイトの空気を上手く映像に取り込み、主人公の感情をなかなか鮮やかに描き出し、ラップ・バトルのクライマックスを以って興奮を呼び起こす。佳作。
この記事へのコメント
TBありがとうございました。
エミネムのいつもの悪ガキっぷりがいい方向に昇華されて、監督の上手さを感じさせられる作品でした。
昨年同様今年も宜しくお願いします。
エミネムについては数曲聴いた覚えがある程度で殆ど知りませんが、デトロイトという街の捉え方など、監督のセンスの良さが感じられましたね。
こちらこそ宜しくどうぞ。