映画評「メイキング・オブ・ドッグヴィル~告白~」
☆☆(4点/10点満点中)
2003年デンマーク映画 監督サミ・マーティン・サイフ
ネタバレあり
「ドッグヴィル」には舞台的なセットよりその内容に驚いたわけだが、監督ラース・フォン・トリアーの狙いは<アメリカ三部作>という名により推察されるアメリカ風刺よりソドムとゴモラ的な人間風刺であろうという印象を受けた。
その辺りのヒントがあるかなと思って劇場でも公開された本作を観てみたのだが、出演者やスタッフの戸惑いばかりが画面で語られるばかりで、その点で全くの肩透かし。
スウェーデンの森の中にある巨大なスタジオに設営されたセットの横に、<Freedom of speech(言論の自由)>というコーナーがあってそこでニコール・キッドマンら出演した男女優が言いたいことを言う。
或いは移動中の車の中でスタッフが愚痴を語る。
その合間にトリアーの演出風景が僅かに挿入されるのだが、強烈な指導ぶりは見られない。僕らは黒澤などの厳しい指導に見慣れているので、時代かお国柄か個人の資質か、首を傾げてしまう。異様な作風だけでなく指導スタイルそのものが俳優たちの当惑を導き出したようにも思えるが、映画はあくまでその場面を収めているだけである。
トリアーの監督としての素質を云々するムキもあるだろうが、映画はスクリーンに現れたことが全てである。結果的に「ドッグヴィル」は面白い映画だったからそんなことはどうでもよろしい。
しかし、こちらは文字どおりのメイキング・フィルムで、狙いも不明で面白からず、金を払って観るのは些か辛い。
2003年デンマーク映画 監督サミ・マーティン・サイフ
ネタバレあり
「ドッグヴィル」には舞台的なセットよりその内容に驚いたわけだが、監督ラース・フォン・トリアーの狙いは<アメリカ三部作>という名により推察されるアメリカ風刺よりソドムとゴモラ的な人間風刺であろうという印象を受けた。
その辺りのヒントがあるかなと思って劇場でも公開された本作を観てみたのだが、出演者やスタッフの戸惑いばかりが画面で語られるばかりで、その点で全くの肩透かし。
スウェーデンの森の中にある巨大なスタジオに設営されたセットの横に、<Freedom of speech(言論の自由)>というコーナーがあってそこでニコール・キッドマンら出演した男女優が言いたいことを言う。
或いは移動中の車の中でスタッフが愚痴を語る。
その合間にトリアーの演出風景が僅かに挿入されるのだが、強烈な指導ぶりは見られない。僕らは黒澤などの厳しい指導に見慣れているので、時代かお国柄か個人の資質か、首を傾げてしまう。異様な作風だけでなく指導スタイルそのものが俳優たちの当惑を導き出したようにも思えるが、映画はあくまでその場面を収めているだけである。
トリアーの監督としての素質を云々するムキもあるだろうが、映画はスクリーンに現れたことが全てである。結果的に「ドッグヴィル」は面白い映画だったからそんなことはどうでもよろしい。
しかし、こちらは文字どおりのメイキング・フィルムで、狙いも不明で面白からず、金を払って観るのは些か辛い。
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