映画評「大統領のカウントダウン」
☆☆★(5点/10点満点中)
2004年ロシア映画 監督エヴゲニー・ラブレンティエフ
ネタバレあり
プロパガンダ映画ばかりだったソ連時代なら考えられないが、ロシアになってからは自由度は格段にUPし、実話に基づくというかかるポリティカル・サスペンス(パニック映画)も発表されるようになった。尤もこれにも一種国策映画くさいところがある。
イスラム過激派と組んだチェチェン人独立軍が2000人の観客で湧くサーカス小屋を占拠、ロシア連邦保安局を脅迫して装甲車を手に入れる。小屋に爆弾を仕掛けて現場を離れた一味は核を搭載した中型の飛行機を飛ばし、サミットが行われているローマで爆破しようとするのだが、彼らに利用された保安局のスモーリン少佐(アレクセイ・マカロフ)が小屋に残っていた一味を仕留めた後飛行機に乗り込んでいてこれまた大活躍する。
基本的には娯楽映画だが、実際にこのような事件が次々と起きているロシア人にとっては他人事と思って見ることはできないであろう。
それはともかく、序盤は監督エヴゲニー・ラブレンティエフという監督の展開ぶりがぎごちない為に解りにくいが、サーカス小屋の襲撃からやっと本番という雰囲気になり興味が湧き始める。
装甲車でのカー・アクションも派手であるが、カメラワーク拙く金を掛けた割には迫力不足、カット構成が悪くて各サスペンスも強烈さを欠く。ハリウッドの二流監督でももう少し巧くやるだろう。実写を撮る腕前が伴っていないのは残念だが、飛行場面を除くと殆どCGを使っていないのは評価して良い。
終盤は飛行の高さが一定より下がると爆発するコンピューターの設定など色々なサスペンスが絡み合うが、従来の飛行機パニックものと大して変わり映えしない。特に最終盤はまた気が抜ける。
といった次第で、全体のアイデアは悪くないが、<残念でした>といったところ。最後に出る字幕はロシア保安局賛美のよう。参りましたな。
2004年ロシア映画 監督エヴゲニー・ラブレンティエフ
ネタバレあり
プロパガンダ映画ばかりだったソ連時代なら考えられないが、ロシアになってからは自由度は格段にUPし、実話に基づくというかかるポリティカル・サスペンス(パニック映画)も発表されるようになった。尤もこれにも一種国策映画くさいところがある。
イスラム過激派と組んだチェチェン人独立軍が2000人の観客で湧くサーカス小屋を占拠、ロシア連邦保安局を脅迫して装甲車を手に入れる。小屋に爆弾を仕掛けて現場を離れた一味は核を搭載した中型の飛行機を飛ばし、サミットが行われているローマで爆破しようとするのだが、彼らに利用された保安局のスモーリン少佐(アレクセイ・マカロフ)が小屋に残っていた一味を仕留めた後飛行機に乗り込んでいてこれまた大活躍する。
基本的には娯楽映画だが、実際にこのような事件が次々と起きているロシア人にとっては他人事と思って見ることはできないであろう。
それはともかく、序盤は監督エヴゲニー・ラブレンティエフという監督の展開ぶりがぎごちない為に解りにくいが、サーカス小屋の襲撃からやっと本番という雰囲気になり興味が湧き始める。
装甲車でのカー・アクションも派手であるが、カメラワーク拙く金を掛けた割には迫力不足、カット構成が悪くて各サスペンスも強烈さを欠く。ハリウッドの二流監督でももう少し巧くやるだろう。実写を撮る腕前が伴っていないのは残念だが、飛行場面を除くと殆どCGを使っていないのは評価して良い。
終盤は飛行の高さが一定より下がると爆発するコンピューターの設定など色々なサスペンスが絡み合うが、従来の飛行機パニックものと大して変わり映えしない。特に最終盤はまた気が抜ける。
といった次第で、全体のアイデアは悪くないが、<残念でした>といったところ。最後に出る字幕はロシア保安局賛美のよう。参りましたな。
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