映画評「ホテル・ルワンダ」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
2004年南アフリカ=イギリス=イタリア映画 監督テリー・ジョージ
ネタバレあり
1962年にベルギーから独立する前からアフリカの小国ルワンダではフツ族とツチ族と紛争は激しく、1994年にフツ族出身の大統領がツチ族の反乱軍の飛行機撃墜という形で暗殺されると、直後フツ族の民兵たちがツチ族の住民たちを殺戮し始め、最終的に100万前後の人々が殺された。この大虐殺の過程において実際にあった事件を映像化した力作である。
ミル・コルンという同国で最高級ホテルの支配人ポール(ドン・チードル)はフツ族出身ながら妻(ソフィー・オコネド)がツチ族出身の為に、ホテルにツチ族の住民たちを匿うことになり、その数は最終的に1000人を超える。国際的な援軍は期待できず、政府軍将軍に賄賂をすることで民兵からの攻撃を避け続けるのだが、賄賂とすべき材料もやがて尽きて行く。
ルワンダという小国やその国で起きた未曾有の悲劇を紹介するドキュメントとして本作は大変な価値があり、我が国の映画ファンが本作を公開に導いた努力は賞賛に値する。描かれた内容には義憤を禁じ得ないし、緊迫感が保たれ退屈することもない。
が、同タイプの作品として思い出さずにはいられない「キリング・フィールド」と比べると、監督としては新人と言って良い脚本家テリー・ジョージの展開ぶりは意外と腰が弱い。
本作が最終的に描きたかったのはフツ族とツチ族の対立及びその結果たる大惨劇であるはずなのだが、実際にはポールの一家が大変な災禍を切り抜けて大団円を迎える物語のように見えてしまうのは、ポールをユダヤ人を救ったシンドラーのような偉人として(ドラマにおける比重という意味において)扱いすぎて、テーマの展開に揺らぎがあるからと思われる。ポールは狂言回しにすべきであったろう。
作品自体には不満があるが、夫婦に扮したドン・チードルとソフィー・オコネドは好演。
2004年南アフリカ=イギリス=イタリア映画 監督テリー・ジョージ
ネタバレあり
1962年にベルギーから独立する前からアフリカの小国ルワンダではフツ族とツチ族と紛争は激しく、1994年にフツ族出身の大統領がツチ族の反乱軍の飛行機撃墜という形で暗殺されると、直後フツ族の民兵たちがツチ族の住民たちを殺戮し始め、最終的に100万前後の人々が殺された。この大虐殺の過程において実際にあった事件を映像化した力作である。
ミル・コルンという同国で最高級ホテルの支配人ポール(ドン・チードル)はフツ族出身ながら妻(ソフィー・オコネド)がツチ族出身の為に、ホテルにツチ族の住民たちを匿うことになり、その数は最終的に1000人を超える。国際的な援軍は期待できず、政府軍将軍に賄賂をすることで民兵からの攻撃を避け続けるのだが、賄賂とすべき材料もやがて尽きて行く。
ルワンダという小国やその国で起きた未曾有の悲劇を紹介するドキュメントとして本作は大変な価値があり、我が国の映画ファンが本作を公開に導いた努力は賞賛に値する。描かれた内容には義憤を禁じ得ないし、緊迫感が保たれ退屈することもない。
が、同タイプの作品として思い出さずにはいられない「キリング・フィールド」と比べると、監督としては新人と言って良い脚本家テリー・ジョージの展開ぶりは意外と腰が弱い。
本作が最終的に描きたかったのはフツ族とツチ族の対立及びその結果たる大惨劇であるはずなのだが、実際にはポールの一家が大変な災禍を切り抜けて大団円を迎える物語のように見えてしまうのは、ポールをユダヤ人を救ったシンドラーのような偉人として(ドラマにおける比重という意味において)扱いすぎて、テーマの展開に揺らぎがあるからと思われる。ポールは狂言回しにすべきであったろう。
作品自体には不満があるが、夫婦に扮したドン・チードルとソフィー・オコネドは好演。
この記事へのコメント
なるほど。そういう見方はしませんでしたが、確かにそうですね。
ドン・チードル、狂言回し似合うのですけどね^^;
いや、主人公がそうした英雄に見えないというご意見には納得なのですが、ルワンダという小国で起こった悲劇が「キリング・フィールド」のようには私の心に刻印されなかったのです。その理由はどこにあるのか探ると、主人公のシンドラーのような扱いにあると思ったわけです。
勿論相応に衝撃は受けましたが、衝撃をもっと強くできる余地は十分にあると思いますので、7点という評価になりました。