映画評「アローン・イン・ザ・ダーク」
★(1点/10点満点中)
2005年カナダ=ドイツ=アメリカ映画 監督ウーヴェ・ボル
ネタバレあり
「ハウス・オブ・ザ・デッド」の出鱈目さに呆れ返ったウーヴェ・ボル監督はゲームの映画化専門係みたいで、本作もゲームの映画化らしいが、役者は豪華になったものの出来栄えは相変わらずお粗末。
22年前、ある孤児院から20人全員が失踪する事件が起きるが、実際には1万年前に封印された闇の力を解くために野心を燃やす科学者の実験材料にされていたわけで、この時少年一人が逃亡する。
現在少年は成長してクリスチャン・スレイターになり超常現象の調査員として活躍しているが、かつての院生19人全員が失踪する事件に遭遇、同時に彼自身が襲われ始める。
というのが序盤のお話だが、最初から致命的なミスがある。
失踪したとされる19人が再び失踪するのは可笑しい。その辺りの行政的な扱いはどうなっているんじゃ? 19人が失踪した後また戻ってきたと説明されていると解釈すれば何とか収まるが、それくらいならわざわざ失踪事件をでっちあげる必要もあるまい。さらに、スレイターは他の19人とその後の付き合いがあったことを伺わせる。これも変じゃろう。
その後は、封印を解く鍵は1万年前に滅びた北米アビカニ族の遺物ということで、美人考古学者タラ・リードが絡み、これにスレイターのかつての同僚で悪魔族殲滅部隊隊長スティーヴン・ドーフが加わり、19人を要員として操っている科学者一味と対決する。
一味の武器はどこに潜んでいたのか全く解らぬ怪物で、うじゃうじゃ出て来る。序盤の雰囲気では「モロー博士の島」みたいな人間と獣の中間的生物でも出て来るのかと期待させるが、何ということはない、ゾンビみたいになって集団で襲撃するだけ。
結局出来損ないの恐竜みたいな怪物との闘いがメインになるが、面白い映画が出来た試しがないゲームの映画化(「バイオハザード」が僅かに認められる程度)とは言え、このドイツ出身監督の才能の無さたるや可哀相になるほどで、シーンのまともな編成(ショットの繋ぎ)、展開の交通整理はできないわで、こんな単純な話がまともに理解出来るように作れないのだ。
そもそも出鱈目な話で説明不足が甚だしく、闇の力を解放したところで博士に何のメリットがあるのかも明確に解らない。物語の土台がふにゃふにゃではどうにもならぬ。
気分を変えて「ダンサー・イン・ザ・ダーク」でも見よう。なぬっ、気分転換にならぬ? そうかもしれぬ(笑)。
2005年カナダ=ドイツ=アメリカ映画 監督ウーヴェ・ボル
ネタバレあり
「ハウス・オブ・ザ・デッド」の出鱈目さに呆れ返ったウーヴェ・ボル監督はゲームの映画化専門係みたいで、本作もゲームの映画化らしいが、役者は豪華になったものの出来栄えは相変わらずお粗末。
22年前、ある孤児院から20人全員が失踪する事件が起きるが、実際には1万年前に封印された闇の力を解くために野心を燃やす科学者の実験材料にされていたわけで、この時少年一人が逃亡する。
現在少年は成長してクリスチャン・スレイターになり超常現象の調査員として活躍しているが、かつての院生19人全員が失踪する事件に遭遇、同時に彼自身が襲われ始める。
というのが序盤のお話だが、最初から致命的なミスがある。
失踪したとされる19人が再び失踪するのは可笑しい。その辺りの行政的な扱いはどうなっているんじゃ? 19人が失踪した後また戻ってきたと説明されていると解釈すれば何とか収まるが、それくらいならわざわざ失踪事件をでっちあげる必要もあるまい。さらに、スレイターは他の19人とその後の付き合いがあったことを伺わせる。これも変じゃろう。
その後は、封印を解く鍵は1万年前に滅びた北米アビカニ族の遺物ということで、美人考古学者タラ・リードが絡み、これにスレイターのかつての同僚で悪魔族殲滅部隊隊長スティーヴン・ドーフが加わり、19人を要員として操っている科学者一味と対決する。
一味の武器はどこに潜んでいたのか全く解らぬ怪物で、うじゃうじゃ出て来る。序盤の雰囲気では「モロー博士の島」みたいな人間と獣の中間的生物でも出て来るのかと期待させるが、何ということはない、ゾンビみたいになって集団で襲撃するだけ。
結局出来損ないの恐竜みたいな怪物との闘いがメインになるが、面白い映画が出来た試しがないゲームの映画化(「バイオハザード」が僅かに認められる程度)とは言え、このドイツ出身監督の才能の無さたるや可哀相になるほどで、シーンのまともな編成(ショットの繋ぎ)、展開の交通整理はできないわで、こんな単純な話がまともに理解出来るように作れないのだ。
そもそも出鱈目な話で説明不足が甚だしく、闇の力を解放したところで博士に何のメリットがあるのかも明確に解らない。物語の土台がふにゃふにゃではどうにもならぬ。
気分を変えて「ダンサー・イン・ザ・ダーク」でも見よう。なぬっ、気分転換にならぬ? そうかもしれぬ(笑)。
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