映画評「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」
☆☆★(5点/10点満点中)
2006年アメリカ映画 監督ゴア・ヴァービンスキー
ネタバレあり
昔の連続活劇は現在のTVシリーズと同じで毎週続きが見られたので良いが、最近のシリーズものは何年もスパンを置くので僕のような<何でも観る>映画ファンは本当に困る。特別のファンではないので記憶は遠のき、楽しめないところが出て来るのだ。
第一作から3年後、主人公のジャック(ジョニー・デップ)は、かつて取引した悪党デイヴィ・ジョーンズ(ビル・ナイ)の心臓の入った箱を探し出すべくカリブの孤島を目指す。再取引に使うのである。
一方、ジャックを逃した罪で投獄されたウィル(オーランド・ブルーム)は釈放されてジャック探しに駆り出され、エリザベス(キーラ・ナイトリー)も逃げ出し男装して海賊船に乗り込む。
かつての「インディ・ジョーンズ」シリーズの様なジェットコースター・アクションと言っても良いが、欲をかいてジャック、ウィル、エリザベスの三人を主人公として分散したのがまずい。話は著しく散漫かつ長尺(151分)になる。結局集中できず、どうにも話に乗りにくいので、100分ほど観たところでストップ、一休みして最初から見直したら大分話が掴めて二回目の方が遥かに面白く観られた。
とにかく最終的に合流することが分り切っている三人はさっさと合流させて二時間程度にコンパクトに纏めてくれたほうが有難い。同じくジェリー・ブラッカイマー製作の「ナショナル・トレジャー」がグループの行動を大きく分散しなかった為ぐっと面白くなったのとは対照的。
出て来るのが汚かったり醜悪な連中ばかりなのも困る。
デイヴィ以下の海賊たちはタコやシュモクザメみたいな怪物に変形していて気色悪いこと甚だしい。「スター・ウォーズ」のエイリアンから思いついたのではないかと思わせるが、あちらのエイリアンは観ていて楽しめた。同シリーズはそもそも海賊映画の宇宙版みたいなところがあったので、歴史は巡ると言うべし。
女性預言者も汚れまくり、主役中の主役ジャックも決して小綺麗とは言えず、唯一綺麗どころだったエリザベスまで身をやつす。
といった具合に気分が良くなるような場面が少ないので、★一つ減点。
クラーケンなるタコのお化けみたいな怪物は、30年前の大ダコ・パニック映画「テンタクルズ」よりはさすがに見栄えが良いが、二度大々的にご登場願うのは知恵が足りない。
「モンキーズ・オブ・カリビアン」と勘違いしました by モンキーズ・ファン
2006年アメリカ映画 監督ゴア・ヴァービンスキー
ネタバレあり
昔の連続活劇は現在のTVシリーズと同じで毎週続きが見られたので良いが、最近のシリーズものは何年もスパンを置くので僕のような<何でも観る>映画ファンは本当に困る。特別のファンではないので記憶は遠のき、楽しめないところが出て来るのだ。
第一作から3年後、主人公のジャック(ジョニー・デップ)は、かつて取引した悪党デイヴィ・ジョーンズ(ビル・ナイ)の心臓の入った箱を探し出すべくカリブの孤島を目指す。再取引に使うのである。
一方、ジャックを逃した罪で投獄されたウィル(オーランド・ブルーム)は釈放されてジャック探しに駆り出され、エリザベス(キーラ・ナイトリー)も逃げ出し男装して海賊船に乗り込む。
かつての「インディ・ジョーンズ」シリーズの様なジェットコースター・アクションと言っても良いが、欲をかいてジャック、ウィル、エリザベスの三人を主人公として分散したのがまずい。話は著しく散漫かつ長尺(151分)になる。結局集中できず、どうにも話に乗りにくいので、100分ほど観たところでストップ、一休みして最初から見直したら大分話が掴めて二回目の方が遥かに面白く観られた。
とにかく最終的に合流することが分り切っている三人はさっさと合流させて二時間程度にコンパクトに纏めてくれたほうが有難い。同じくジェリー・ブラッカイマー製作の「ナショナル・トレジャー」がグループの行動を大きく分散しなかった為ぐっと面白くなったのとは対照的。
出て来るのが汚かったり醜悪な連中ばかりなのも困る。
デイヴィ以下の海賊たちはタコやシュモクザメみたいな怪物に変形していて気色悪いこと甚だしい。「スター・ウォーズ」のエイリアンから思いついたのではないかと思わせるが、あちらのエイリアンは観ていて楽しめた。同シリーズはそもそも海賊映画の宇宙版みたいなところがあったので、歴史は巡ると言うべし。
女性預言者も汚れまくり、主役中の主役ジャックも決して小綺麗とは言えず、唯一綺麗どころだったエリザベスまで身をやつす。
といった具合に気分が良くなるような場面が少ないので、★一つ減点。
クラーケンなるタコのお化けみたいな怪物は、30年前の大ダコ・パニック映画「テンタクルズ」よりはさすがに見栄えが良いが、二度大々的にご登場願うのは知恵が足りない。
「モンキーズ・オブ・カリビアン」と勘違いしました by モンキーズ・ファン
この記事へのコメント
私も先日、この映画を見直したのですが、以前に見た時に主役3人の視点がばらつきすぎて、あまりストーリーにのめりこめなかった所があったのですが、今回はかなり楽しめました。
主役3人が人気が出すぎちゃったので、それぞれをうまく描こうとして無理してしまってたんでしょうか・・・。
「2」はやはりあくまでも中間地点という感じが否めなかったので、「3」では、スッキリと気持ちよく終わってくれることを祈ってます。
ウエブリががんばって不具合を調整してくれたのでしょうかね~
ディズニーの海賊映画ですから、それほどストーリー自体に期待しているわけではありませんでしたが、もともと主役3人とも大好きな俳優さんなので、それだけで大興奮の映画です(笑)
ジャック・スパロウと言う飄々としたキャラクターが、あたかも偶然やつきで苦難をすり抜けていく様が、実は計算されつくした行動だったり、自分勝手で女好きそうに見える彼が実は大きな懐を持った寛大な男だったみたいな、常識とは逸脱したような憎めない人物像が人気のを博す由縁だろうと思います。
勿論、容姿や演技力の面でのファン層も多いですけどね~
ただの海賊映画ではなく、ジャックと言うキャラを楽しむ事がこの映画の価値と言えると思います(笑)
こういう冒険ものは直線的に見通し良く作ったほうが無難ですが、本文に書いた通り、あっちへ行ったりこっちに来たりでした。
しかも、ああいう形でジャック氏が消えたままですから、Yuhiさんのようの【繋ぎ】という評価が多いですね。私はそれは余り気にならなかったですが、150分も掛けて描くお話ではなかったですよ~ん。
私が「3」を観るのは来年かな~(笑)。
折角見栄えの良い三人の男女優を起用しているのですから、昔の海賊映画みたいに主役だけは綺麗であってほしいですが、小汚くて夢がないです。しょぼ~ん。
夫々の場面は面白いのですが、どうしても非連続的なので、私は買いきれませんでした。
rikocchinさんの仰ることは理解できますが、だからなおのこと、ジャックを軸に話を構成すべきだったと思います。お~い、脚本家のお二人さん、聴いとるか~(笑)。
コメント欄にURLが入れられるようになったんですね。TBが上手くいかないときに使いましょ。
シリーズ物というのは、続編のハードルが高くなるのは当たり前で、今作品も失速したようですね。3もご同様とか。
さて、「ダイ・ハード4」は如何なもんでしょうか・・。
キース・リチャードは昔はいい男だったのに、今じゃ海賊野郎がお似合いなんですなぁ。
本作はスピンオフ的な要素もあって、ジャック以外の二人を準主人公ではなく主人公にしたので、技術的に無理が出てきてしまいました。
分散させるにしても、ジャックを軸にすれば2時間もかからずに同じ話をこしらえることができたと思いますがね。
欲をかくと碌なことはない、八方美人は駄目、というのが私の考える映画制作の鉄則です。今回もピンポンだったでしょ?
専門用語では、映画の【純粋性】と言います(笑)。
>URL
二ヶ月前に気付いたのですが、設定によりできるのです。しかし、一本ごとに設定するのかなあと思ってサボっていたら、一度やると規定値になるようです。
私の場合は第一作も乗れなかったほうですが、この手の作品は最初に乗れるかどうかに掛かっているようですね。全体的に評価が高いところを見ると実力はあったようですが、遂に完全には乗り切れなかったなあ。
本作は本文で記したように主役の分散化がいけない。脚本の技術が追いつかない。というよりどんなに巧く書いても分散は極力最小限にしないと、楽しめないと思いますね。
「ダイ・ハード4」か。「インディ・ジョーンズ」もまた作られるようで。日本の「犬神家の一族」といい、何だかクラシック復興ブームですなあ。
汚らしいの、同感、、、
おまけに、臭いそうだし、、、
困った映画です、、、
5時とは何という早起き? 或いはそれからお眠りになる?
>汚らしい
そうでしょう、大画面とは言え、TVで良かった。正に臭って来るようでした。
第3作はもっと小奇麗なものを期待したいでありますね。
「カリビアン」第3作を今映画館で上映中ですが、見ようかどうか迷っています。テレビサイズで見た「デッドマンズ・チェスト」のあのグロテスクな化け物たちを大画面でみるなんて、うぅ、ぞっとします。でもジャック・スパロウは魅力的だしね。
それから好物の「たこの酢の物」はまだ食べる気がしません。どうすればいいの?(>_<)
ジョニー・デップがご贔屓でしたね。
たこ野郎が出てきたら眼をつぶってください(笑)。実際のところ、また出てくるのだろうか? いずれにしても汚い連中ばかりなのは目にみえていますよね。
私は来年までのんびり待ち構えますよ。レンタルで金を出すのもおぞましい感じがします(笑)。
この映画の鑑賞日以降、幸いまだたこの食品は目にしていません。v(^^)v