映画評「スーパーマン リターンズ」
☆☆☆☆(8点/10点満点中)
2006年アメリカ映画 監督ブライアン・シンガー
ネタバレあり
前シリーズは最後の二作で完全に失速したが、19年ぶりにアメ・コミの大御所復活。
「スパイダーマン」シリーズも「Xメン」シリーズも世間での評判に比べると面白くないので不安な気持ちで見始めたが、「Xメン」シリーズのブライアン・シンガーの展開ぶりは快調、思いの外楽しめた。
クリストファー・リーヴの第2作「冒険篇」の5年後という設定で、故郷であるクリプトン星の消滅を確認する為に宇宙を彷徨していたスーパーマン(ブランドン・ラウス)が、地球の故郷であるケント牧場に戻り、再び新聞記者クラーク・ケントになる。
出社初日に愛するロイス・レイン(ケイト・ボスワース)の取材する、スペースシャトルを積んだボーイング777が、切り離しができずに大気圏外に運び去られそうになる危機に陥る。勿論スーパーマンは颯爽と飛んで行ってシャトルを切り離した後落下していく飛行機を野球場にやんわりと着陸させる。
飛行機パニックという現実感のあるお話の為に興味が持てる、上手い導入部と言って良い。最初バスに乗り遅れるとこの類は退屈してしまうのが必定だからだ。
スーパーマンの活躍や新聞社での悩ましい再会と並行し、つるつる坊主の悪漢レックス・ルーサー(ケヴィン・スペイシー)が北極でスーパーマンの力の源であるグリーン・クリスタルを奪い、スーパーマンを無力化するクリプトナイトを得て有頂天、沈んだ大陸を浮上させる悪魔的謀略を実行に移す一連の場面が描かれる。
飛行機騒動の後スーパーマンの活躍とレックスの悪行を紹介する複合的なカットバック構成に感心、話に上手く乗れるどころかご機嫌。有頂天になったのはレックスだけでなかったわけである(笑)。
もう一つの成功の理由は主役に起用されたブランドン・ラウスがリーヴのムードを引き継ぐ正統派二枚目で、違和感がないこと。勿体ぶらずにスーパーマンが力を発揮する場面が繰り出され、描写が具体的で解り易いのも良い。指摘する方が多いが、ジョン・ウィリアムズのテーマ曲が継続して使われているのもオールド・ファンには嬉しいだろう。
といった具合で、前シリーズの第1作、第2作とまでは行かないまでも、ニコニコできる出来。終盤やや失速するが、採点はちょっとおまけしました。
世界で沈没ブーム。
2006年アメリカ映画 監督ブライアン・シンガー
ネタバレあり
前シリーズは最後の二作で完全に失速したが、19年ぶりにアメ・コミの大御所復活。
「スパイダーマン」シリーズも「Xメン」シリーズも世間での評判に比べると面白くないので不安な気持ちで見始めたが、「Xメン」シリーズのブライアン・シンガーの展開ぶりは快調、思いの外楽しめた。
クリストファー・リーヴの第2作「冒険篇」の5年後という設定で、故郷であるクリプトン星の消滅を確認する為に宇宙を彷徨していたスーパーマン(ブランドン・ラウス)が、地球の故郷であるケント牧場に戻り、再び新聞記者クラーク・ケントになる。
出社初日に愛するロイス・レイン(ケイト・ボスワース)の取材する、スペースシャトルを積んだボーイング777が、切り離しができずに大気圏外に運び去られそうになる危機に陥る。勿論スーパーマンは颯爽と飛んで行ってシャトルを切り離した後落下していく飛行機を野球場にやんわりと着陸させる。
飛行機パニックという現実感のあるお話の為に興味が持てる、上手い導入部と言って良い。最初バスに乗り遅れるとこの類は退屈してしまうのが必定だからだ。
スーパーマンの活躍や新聞社での悩ましい再会と並行し、つるつる坊主の悪漢レックス・ルーサー(ケヴィン・スペイシー)が北極でスーパーマンの力の源であるグリーン・クリスタルを奪い、スーパーマンを無力化するクリプトナイトを得て有頂天、沈んだ大陸を浮上させる悪魔的謀略を実行に移す一連の場面が描かれる。
飛行機騒動の後スーパーマンの活躍とレックスの悪行を紹介する複合的なカットバック構成に感心、話に上手く乗れるどころかご機嫌。有頂天になったのはレックスだけでなかったわけである(笑)。
もう一つの成功の理由は主役に起用されたブランドン・ラウスがリーヴのムードを引き継ぐ正統派二枚目で、違和感がないこと。勿体ぶらずにスーパーマンが力を発揮する場面が繰り出され、描写が具体的で解り易いのも良い。指摘する方が多いが、ジョン・ウィリアムズのテーマ曲が継続して使われているのもオールド・ファンには嬉しいだろう。
といった具合で、前シリーズの第1作、第2作とまでは行かないまでも、ニコニコできる出来。終盤やや失速するが、採点はちょっとおまけしました。
世界で沈没ブーム。
この記事へのコメント
「X-メン」の第一作は実は予想よりも面白かったので、監督を調べたらブライアン・シンガーで、ある程度納得できたのですが、第2作は逆にそのつもりで観たらちょっとCG頼りで骨がないような印象があり、やや期待外れでした。言葉とは裏腹に評価は同じなんですけどね(笑)。
こちらは正統派で却って楽しめました。複雑なルールのボール競技ではなくて、陸上や水泳を観る楽しさ・・・そんな感じです。
昨今の映画は極端に短いショットを分かりにくく構成してアクションの全体を曖昧にする演出が多くて(こういうのを格好良いと思う傾向がある)興醒めるのですが、そういうのが全くない。
アクションはきちんと全体が解らなくては詰らないでしょう?
TBを持参いたしました。
十分に合格点のスーパーマンだったと思います。
プロフェッサーほど評価を上げられなかったのは、もっと正統派スーパーマンが観たかったから。
本作は平たく言うと隠し子騒動なわけですが、スーパーマンがパンツを脱いだ姿は想像したくありません(笑)
本作もブライアン・シンガーらしいといえば、そうなのですが、私は「X-メン」の第一作目が好き。また、第2作が期待はずれだったのは、プロフェッサーと同じであります^^;
終盤勢いがちょっと落ちた印象がありましたが、映画の現況を鑑み★一つサーヴィスしたという感じ。
ロイスの子供が出てきた時に♪スーパーマンの子供、子供、と歌い始めたくらい先はお見通しでした。スーパーマンは超人ですから、思うだけで子供が出来てしまうのかもしれません。(笑)
いずれにしても男女のもつれの部分は愛嬌として観ました。^^;
勿論こちらもシリーズ化するのでしょうねえ。ブランドン・ラウスもクリストファー・リーヴ同様一躍スターに?
しかし、こういうシリーズ役者は他の役が厳しい。それを考えると、スタローンは立派だったわけですねえ。(笑)