映画評「日本のいちばん長い日」
☆☆☆☆★(9点/10点満点中)
1967年日本映画 監督・岡本喜八
ネタバレあり
62年前の8月14日から15日にかけて起こっていた終戦秘話を描いた岡本喜八の傑作で、大宅壮一のノンフィクションを橋本忍が脚本化。アメリカにとって<いちばん長い日>はノルマンディー上陸作戦だが、日本の<いちばん長い日>とは何だったのか。
1945年7月26日に英米中が共同で日本に降伏を勧告するポツダム宣言が発表されたが、日本がこれを黙殺した為に広島・長崎に原爆が投下され、ソ連も満州に進攻してきたので、これ以上は立ち行かぬと御前会議で国体の護持を条件に宣言受け入れることを決裁、その旨を照会する打電が行われる。
ここまでが言わばプロローグで、先方の返事の中の成句<subject to>の意味を巡って日本側は再び甲論乙駁の紛糾に至るが、8月14日の御前会議で受け入れが決定される。
前半においては、終戦詔書の文言を巡る論議や制作の難渋ぶりが一方にあり、本土決戦を行うと息巻く陸軍の青年将校たちの暴走が一方にある。
玉音盤の完成後は暴走した椎崎中佐(中丸忠雄)や畑中少佐(黒沢年男)の一派が宮城(きゅうじょう)を占拠し玉音盤探しに奔走しつつ、玉音放送の代わりに彼らの主張を放送しろとNHKを脅迫する。が、玉音盤を探し出すのに手間取るうちに彼らの陰謀は暴かれて自滅、結局8月15日正午玉音放送を以って戦争は終結する。
手に汗を握るというより息を呑んで観る、といったほうが正確な表現になる。凄まじい緊迫感である。全てが事実であるという保証はないものの、これだけ緊張感に溢れた物語を編成した橋本忍、骨太にかつ切れ味良く演出した岡本喜八は絶賛されなければならない。
話が進行するに連れ、狂気が浮かび上がってくる。
まず近衛師団長・森中将(島田正吾)を殺してまで本土決戦の目標を達成しようとする一派、即ち椎崎、畑中、古賀少佐(佐藤允)らの狂気。あるいは宣言を受け入れた軟弱な裏切り者を殺せと鈴木貫太郎首相(笠智衆)などの家を次々に襲う佐々木大尉(天本英世)の狂気。
冷静な目で見れば彼らは度し難いが、その一方で、実はこの狂気が少なくても1941年12月8日から4年近くも日本全体を蔽っていたのではないかという気がしてくる。考え方次第では、黒船以降90年に渡る狂気だったのかもしれない。
その一方で同じように本土決戦を匂わせながら、素晴らしい精神性を感じさせるのが阿南陸軍大臣(三船敏郎)である。彼は8月15日の朝が来る前に自決している。自決も外国人の目から見れば狂気であり米軍を恐れさせた要素の一つであるが、それでも最初のうちの強硬発言も青年将校たちの薄っぺらなものとは次元が違うと思わせるバランスの良さを彼の引き際の潔さに感じるのである。
終戦詔書を巡る閣議での米内海軍大臣(山村聡)の決断も強い印象を残す。ポツダム宣言を巡る最初の御前会議の「これ以上国民に苦痛をなめさせることは忍び得ない」という天皇のご発言に匹敵すると言っても良い。
半ば独立した扱いながら、終戦が近づいているとも知らず基地から飛び立っていく特攻隊も描かれている。これこそ犬死で、こんなことは二度と起きてはならぬと思わせる。
役者は東宝の男優陣が勢揃いして見どころ十分だが、軍人役は軍人らしく腹から声を出しているのはさすがである。「ローレライ」など昨今の戦争映画を見ると役者が軍人らしい発声や話し方が出来ていないことが多い。スタッフもキャストもこのような立派な教科書があるのだからきちっと観て勉強すべきだろう。
日本のいちばん面白い戦争秘話。
1967年日本映画 監督・岡本喜八
ネタバレあり
62年前の8月14日から15日にかけて起こっていた終戦秘話を描いた岡本喜八の傑作で、大宅壮一のノンフィクションを橋本忍が脚本化。アメリカにとって<いちばん長い日>はノルマンディー上陸作戦だが、日本の<いちばん長い日>とは何だったのか。
1945年7月26日に英米中が共同で日本に降伏を勧告するポツダム宣言が発表されたが、日本がこれを黙殺した為に広島・長崎に原爆が投下され、ソ連も満州に進攻してきたので、これ以上は立ち行かぬと御前会議で国体の護持を条件に宣言受け入れることを決裁、その旨を照会する打電が行われる。
ここまでが言わばプロローグで、先方の返事の中の成句<subject to>の意味を巡って日本側は再び甲論乙駁の紛糾に至るが、8月14日の御前会議で受け入れが決定される。
前半においては、終戦詔書の文言を巡る論議や制作の難渋ぶりが一方にあり、本土決戦を行うと息巻く陸軍の青年将校たちの暴走が一方にある。
玉音盤の完成後は暴走した椎崎中佐(中丸忠雄)や畑中少佐(黒沢年男)の一派が宮城(きゅうじょう)を占拠し玉音盤探しに奔走しつつ、玉音放送の代わりに彼らの主張を放送しろとNHKを脅迫する。が、玉音盤を探し出すのに手間取るうちに彼らの陰謀は暴かれて自滅、結局8月15日正午玉音放送を以って戦争は終結する。
手に汗を握るというより息を呑んで観る、といったほうが正確な表現になる。凄まじい緊迫感である。全てが事実であるという保証はないものの、これだけ緊張感に溢れた物語を編成した橋本忍、骨太にかつ切れ味良く演出した岡本喜八は絶賛されなければならない。
話が進行するに連れ、狂気が浮かび上がってくる。
まず近衛師団長・森中将(島田正吾)を殺してまで本土決戦の目標を達成しようとする一派、即ち椎崎、畑中、古賀少佐(佐藤允)らの狂気。あるいは宣言を受け入れた軟弱な裏切り者を殺せと鈴木貫太郎首相(笠智衆)などの家を次々に襲う佐々木大尉(天本英世)の狂気。
冷静な目で見れば彼らは度し難いが、その一方で、実はこの狂気が少なくても1941年12月8日から4年近くも日本全体を蔽っていたのではないかという気がしてくる。考え方次第では、黒船以降90年に渡る狂気だったのかもしれない。
その一方で同じように本土決戦を匂わせながら、素晴らしい精神性を感じさせるのが阿南陸軍大臣(三船敏郎)である。彼は8月15日の朝が来る前に自決している。自決も外国人の目から見れば狂気であり米軍を恐れさせた要素の一つであるが、それでも最初のうちの強硬発言も青年将校たちの薄っぺらなものとは次元が違うと思わせるバランスの良さを彼の引き際の潔さに感じるのである。
終戦詔書を巡る閣議での米内海軍大臣(山村聡)の決断も強い印象を残す。ポツダム宣言を巡る最初の御前会議の「これ以上国民に苦痛をなめさせることは忍び得ない」という天皇のご発言に匹敵すると言っても良い。
半ば独立した扱いながら、終戦が近づいているとも知らず基地から飛び立っていく特攻隊も描かれている。これこそ犬死で、こんなことは二度と起きてはならぬと思わせる。
役者は東宝の男優陣が勢揃いして見どころ十分だが、軍人役は軍人らしく腹から声を出しているのはさすがである。「ローレライ」など昨今の戦争映画を見ると役者が軍人らしい発声や話し方が出来ていないことが多い。スタッフもキャストもこのような立派な教科書があるのだからきちっと観て勉強すべきだろう。
日本のいちばん面白い戦争秘話。
この記事へのコメント
終戦の日は終戦をテーマにした記事をアップしようと思いましてどれを見ようか迷いましたが、結局新藤兼人さんが最近また活躍されているので
そちらにてしまいました。
この作品はかなり長いし、肩の力が抜けそうもないですね。
でもやはり見てみようと思います。
あと、ソクーロフ監督の「太陽」も見たいと思いました。
私も考えていたところ、NHK-BS2が深夜に放送ということで、丁度62年前の同日に起こった出来事を描いた本作以外にはありえないと決定、20年ぶりくらいに構えて見始めました。
岡本喜八監督としては、「肉弾」や「独立愚連隊」などの風刺反戦映画とは全く違った正攻法の一編で、まさに【息を呑む】という表現がぴったりの超ど級作。
日本人なら一度は見なくちゃ(笑)。
ソクーロフは「ペテルブルグ幻想」しか観ていないけど、「太陽」はそこかしこでよく目にする題名。これも必見作にしましょう。
佐々木大尉ですね。
本物はあの後逃げ回って偽名で生活をしていたのですが、面白いことにアジアの留学生の世話を懸命にしたらしいです。
襲撃した鈴木貫太郎首相の長男に遭って謝罪したら、却って慰められたという話です。鈴木首相も大人物だったお思いますが、息子も大きな人物ですね。
札幌のミニシアターでリバイバル・・・観てきましたよ。
わたしは岡本喜八監督の作品は、『肉弾』くらいしか観たことがなかったのですが、こんなに凄い作品を作る人だったんですね。
ただ、今井正やルネ・クレマンなどもそうなのですが、この作品での天皇も政府首脳陣も戦後日本を肯定する視点で描きすぎているような気もしました。軍は滅び文人は敗北を認め生き続ける。つまり、「現代における矛盾」それへの警鐘が無い・・・戦後民主主義の楽天主義が見て取れてしまったのでした。
NHKの加山雄三などは、軍の青年と戦後日本のホワイトカラー青年を対比させ、それを代弁するようなアンビバレントから、新しく再生する日本を肯定していたような・・・戦時中に作られたチャップリンの「独裁者」と比べちゃうのは酷かな?
では、また。
P.S.
オカピーさんの10点・・・ではなく、-1点はどうしてですか?
>岡本喜八監督
コミカルな作品やセミ・ミュージカルをよく作った面白い人で、本作はストレートに作った数少ない作品の一つですよね。
力量があるので真面目な作品もきちんと作れるのだと感心したものです。
>-1点
いやあ大した理由はないですねえ。
僕はノンポリなので専ら映画芸術的尺度から採点していますが、9点なら芸術的には大した不満がないわけで、10点となるのは個人的な愛着みたいなものでしょう。敢えて言えば、特攻隊の扱いがやや浮いていることでしょうか。トムさんのような文学的な不満はないです^^
トムさんの仰る「戦後民主主義の楽天主義」は言われてみればなるほどですが、やはり戦争を実感している人々は多くの場合そうならざるを得ないのではないですか? 少なくとも安岡章太郎が指摘したような「(敗戦後の)節操のない日本人」というほど愚劣なものではないですよね。
>チャップリンの独裁者
岡本喜八は兵隊でしたし、今井正は戦意高揚映画を作らざるを得なかったわけで、戦争及び戦場からフリーであったと思われるチャップリンは彼らより戦争を相対的に捉えることできたような気がしますね、よく解らないけど(笑)。
>玉音放送の代わりに彼らの主張を放送しろとNHKを脅迫する。
彼らの陰謀が成功しないように祈りながら見ていました。結果がわかっていても(苦笑)。
>カーボン・ニュートラルをしないと世界から相手にされなくなり、全産業で日本はダメになる
そこまで言われたら仕方がないです。
>数十年後には現在ある職業の半分はAIがやるようになりそうです。
人間の存在感がなくなります。
>30年前に彼女のような女性ロック・シンガーが頑張っていたからでしょう。
浜田麻里以外だと誰でしょうか?プリンセスプリンセス?小比類巻かほる?
>森友裁判
赤木さんも奥様もお気の毒です。あの結末に対して、新聞やネットに批判する人たちの意見がたくさん載っています。
>彼らの陰謀が成功しないように祈りながら見ていました。結果がわかっていても(苦笑)。
それが人情です。国体を人命に優先するなど許せるわけがない。
国は初戦幻想ですからね(笑)。
>浜田麻里以外だと誰でしょうか?プリンセスプリンセス?小比類巻かほる?
大体そんなところですね^^
>赤木さんも奥様もお気の毒です。
結局、国も役人も安倍を守ろうとしているんでしょう。少なくとも彼が生きている間は、何も解らない、そんな気がします。
>終戦が近づいているとも知らず基地から飛び立っていく特攻隊も描かれている。
宇垣纏(海軍中将)のような例もありました。
>考え方次第では、黒船以降90年に渡る狂気だったのかもしれない。
90年間も・・・・。その間には日本国民の思想や教育も随分変わった事でしょう。
>国は初戦幻想
検索したら「多くの命を犠牲にする国家という幻想」が出て来ました。
また、映画「パリは燃えているか」でフランスの若者たちが「フランス万歳!」と言って死んでいく場面も思い出しました。
>少なくとも彼が生きている間は、何も解らない、そんな気がします。
彼に政界から引退するように勧める人もいます。
>宇垣纏(海軍中将)のような例もありました。
他人を巻き添えにする、一番けしからんタイプですね。
所詮幻想にすぎない国家の為に死ぬことなどない。
保守層には、(ジョン・レノンの「イマジン」のような考えを否定して)国がなければ人は守られない、という人が多いですが、大きな戦争になれば庶民の力を借りなければ国が守られない。これは、矛盾でしょう。
>>国は初戦幻想
>検索したら「多くの命を犠牲にする国家という幻想」が出て来ました。
“初戦”ではなく“所詮”でした。最近ミスが多いなあ(-_-;)
「多くの命を犠牲にする国家という幻想」・・・そうだと思います。
>彼に政界から引退するように勧める人もいます。
今日の新聞によれば、国民の8割が"森友改竄再調査”を求めています。一度もっとすっきりさせないと、延々とこの問題は後を引き、いずれ自民党の足を引っ張りますよ。
内閣人事局も廃止したほうが良いですね。結局所期の狙いである、官僚の力を抑える以上に、官邸の力が強くなりすぎました。その一方、依然官僚が力を発揮しすぎているところもあり、結果は最悪に。
以前見た「座頭市と用心棒」は岡本喜八監督作品だったんですね。
勝プロダクションの経営がうまく行ってなかった。そこで東宝のエース岡本喜八に監督を依頼。しかしいろいろなトラブル。監督が脚本家を降ろす。カメラマンとも合わない。三船敏郎ともいろいろ・・・。しかし映画は大ヒット。
>1960年代まで日本の映画製作本数は尋常ではなかったですからねえ。
クレージーキャッツ及び植木等の無責任シリーズもそうでした。
>1946年から1950年まで書かれていた日本映画月評。
読んでみたいです。
>常識を横に外すのは良いが、常識以下では困る、といった表現。
面白い表現ですね。そしてその通りだと思う表現です。
>特に国を司る人々は、他国について疑心暗鬼ですから、なかなかなくならない。
他国を信用し過ぎるのも問題って事ですね。裏切られた場合の損害は大き過ぎます。
>シドニー・ポワチエさん死去 黒人初のアカデミー主演男優賞受賞 94歳
「野のユリ」あの映画はすごく良かったです。ご冥福をお祈りいたします。
>以前見た「座頭市と用心棒」は岡本喜八監督作品だったんですね。
そうです。
以前数分観たところで止めました。気分転換に観てはいけないと思い(笑)。
>読んでみたいです。
テーマを設けて様々な映画を縦横無尽に批評するのですが、全般的に褒めることは滅多にありません。多分師匠が邦画人で一番評価している小津安二郎の、一番評価しているであろう「晩春」にさえ文句を付けています。だからこそ面白い。
僕は、トパーズプレスから出た「日本映画批判」という本にこれが収められていると知り、中古で買い求めました。
この中で、知人から“(余り程度の低い)映画を大量に見ていると馬鹿になるよ”と言われたと書いています。実に楽しいではないですか!
>他国を信用し過ぎるのも問題って事ですね。裏切られた場合の損害は大き過ぎます。
トランプみたいに自国(というより自分)のことししか考えないのも問題ですけどね。3年後の選挙はどうなることか。共和党の大統領が勝っても良いが、自分を悪く言うことを全てフェイクという人がアメリカという大きな国を率いるのは困ります。
安部支持者は親和性の高いトランプを支持しますが、彼がわけの分らんことをやっているうちに、(パリ協定のアメリカ脱退の隙を付くような形で)中国は力を付けたのですよ。民主党は中国に甘いというのは、アメリカの政治を全く知らない人の戯言(でした)。共和党で働いて来た日本人が、大統領選より前から民主党の方が中国に対し厳しく当たるだろうと述べていましたよ。
>シドニー・ポワチエ
>「野のユリ」あの映画はすごく良かったです。ご冥福をお祈りいたします
亡くなりましたか。94歳!
先進国にあって平均寿命が極めて短いアメリカにあって(白人はそれなりに長いでしょうが)、俳優は長命の方が結構多いですね。カーク・ダグラスも100歳を超えていました。
大分年下の奥さんジョアナ・”レティシア”・シムカスはどうしているでしょうかねえ。ジョアナ・シムカスは、フランス映画をも愛してきた僕ら世代のマドンナ(傑作中の傑作「冒険者たち」のレティシア役において)。
ジョアンナ・シムカスがシドニー・ポワチエだというのは初めて知りました。
https://www.youtube.com/watch?v=cAEMA4nskls
シドニー・ポワチエは前の奥さんとの間に4人娘がいたんですね。
>(パリ協定のアメリカ脱退の隙を付くような形で)中国は力を付けたのですよ。
やはり中国は強かです。
>共和党で働いて来た日本人が、大統領選より前から民主党の方が中国に対し厳しく当たるだろうと述べていましたよ。
大変説得力がありますね。
>知人から“(余り程度の低い)映画を大量に見ていると馬鹿になるよ”と言われたと書いています。実に楽しいではないですか!
さすが!双葉師匠です!
>政治経済関係の番組
池上彰氏の説明が一番わかりやすいです。昨夜次女(高3)が見ながら頷いていました。
>「冒険者たち」一度見ました。あれは傑作映画でした。
>もちろん双葉師匠も評価されています。
多分☆☆☆☆★以上を付けた最後のフランス映画と思います。
僕は何度も観ましたし、似たシチュエーションや心理の映画を見ると、必ず引き合いに出します。
音楽も良いので、一昨年CDも作りました。
>池上彰氏の説明が一番わかりやすいです。昨夜次女(高3)が見ながら頷いていました。
昨夜やっていましたね。要領良くまとめられていました。
あの番組でやっていることは大体知っていますが、たまに“おっ”と思う面白い情報も出て来るので、欠かさず観ています。
>あの番組でやっていることは大体知っていますが、たまに“おっ”と思う面白い情報も出て来るので、欠かさず観ています。
日本が円高だとか円安だと言ってるうちに共産主義の中国にいつの間にかやられてしまったと言う事ですよね?
>音楽も良いので、一昨年CDも作りました。
本当にあの映画が好きだと言う事が伝わって来ます。
突然ですが、他のブログの管理人さんから教えて頂いた事です。
ボブ・ディランがジョン・レノンに捧げた曲があったんですね。
「テンペスト」というアルバムのラストに収録された「ロールオンジョン」。
https://www.youtube.com/watch?v=pL7pKbtYmkQ
>日本が円高だとか円安だと言ってるうちに共産主義の中国にいつの間にかやられてしまったと言う事ですよね?
前回の一番重要なポイントがそれでしたね。
現実主義的で賢い鄧小平が、社会主義は政治だけにし、経済を市場経済にしたことで中国は変わったわけですね。所謂、国家資本主義。
具体的に印象深かったのは、日本のアニメーターが、ギャラの良い中国のアニメ制作会社に雇われているという事実。そのうち優秀なアニメーターが日本からではなく、中国を拠点に仕事を始めるかもしれない。クール・ジャパンの代表格がそれでは困りますよね。日本の会社が良いギャラなり給料を払わなかったつけがこういうところに出てきました。
>ボブ・ディランがジョン・レノンに捧げた曲があったんですね。
>「テンペスト」というアルバムのラストに収録された「ロールオンジョン」
比較的最近のアルバムですね。
ジョン・レノンの書いた曲もしくは歌った曲の歌詞をもじっているのが面白いデス。
>ジョン・レノンの書いた曲もしくは歌った曲の歌詞をもじっているのが面白いデス。
さすが!オカピー教授です。僕なんぞはせいぜい「リバプール、ハンブルグ、クォリーメン」がわかった程度です。
>社会主義は政治だけにし、経済を市場経済にしたことで中国は変わったわけですね。
その分け方が賢いです。
>日本の会社が良いギャラなり給料を払わなかったつけがこういうところに出てきました。
待遇を悪くすれば、今まで雇っていた人からこういう仕返し(?)と言う感じです。
>成人式
超ローカル新聞の四コマ漫画。
随分高齢の男性が国旗を玄関に飾ろうとするのだけど「はて?今日は何の祝日だったかな?」
成人式が終わって、浮かれて歩き回ってる二十歳の若者たちを見て「そうか!子供の日だったんだなあ。」なるほど・・・。今はそういう時代です。
でも2000~2010年頃程、成人式は荒れなくなった。今の若者たちが落ち着いてきたのか?それともエネルギーがなくなってきたのか?どうなんでしょう?
>待遇を悪くすれば、今まで雇っていた人からこういう仕返し(?)と言う感じです。
大して欲のない方でも、現状では大した生活ができない。人間の行動として当然の帰結ですよね。
日本政府が企業に給料を上げろとはっぱをかけています。日本の方が中国より社会主義的になっている皮肉。
>今の若者たちが落ち着いてきたのか?それともエネルギーがなくなってきたのか?どうなんでしょう?
これに関して僕はは決まった意見が持っておりません。今後の研究課題ですね。
>ロシアは大ヤクザ国家ですね。あれほどのデタラメを言い、するとは、今でも信じられない思いがします。
第二次世界大戦。1940年代の発想でしょうか?
>拒否権が乱発する為に大きな問題に発展する
拒否権の意味がありません。
>熱血漢だった若き双葉師匠が敢行した、「商船テナシチー」という映画の津村氏の評への大反論が圧倒的でしたよ。
凄いバトルだったのでしょう。さすが双葉師匠です!
>暴力絶対反対派の多い欧米人よりスミスを擁護する率が高いようです。
結局アカデミーはウィル・スミスに対する懲戒手続きを発表・・・。
>岡本喜八監督「ダイナマイトどんどん」を見ました。
40年以上前にTVで不完全版を観ています。ハイビジョン版をブルーレイに保存してありますが、まだ見直しておりません。
>1940年代の発想でしょうか?
スターリンへの回帰ですね。
第三次世界大戦が始まりかねません。
今疲弊しているロシアを倒すのは簡単ですが、疲弊しているとは言っても数先発の核弾頭をもっているわけで、やけくそになって打ちまくったら地球はほぼ壊滅ですからね。
欧米は世界大戦と核戦争が怖くて、武器供与等を控えていたわけですが、いくら経ってもロシアがやめないので、経済制裁に加え少しずつこちらも始めていますね。
段々1931年満州事変を受けての日本(国連脱退)みたいにロシアがなってきました。
>結局アカデミーはウィル・スミスに対する懲戒手続きを発表・・・。
リベラルの多い映画界ですから、当然の結果でしょうね。
昭和20年8月15日の午前中、埼玉県熊谷市に空襲があり、たくさんの人たちが亡くなったんですね・・・。玉音放送がもう一日早かったら・・・そう思った人たちがたくさんいた事でしょう。
>三池崇史監督くらいですかね。
映画会社が要望するように映画作りが出来る監督ですね。
>最近、歴史学者が公平に扱って、その悪評を覆そうとしていますね。
「生類憐みの令」を評価する人もいます。
>毎朝BSから「本日も晴天なり」を録画して見ています。
NHKの朝のテレビ小説ですか。
タイトルはかすかに聴いたことがある気がしますが、調べたら、1981~1982年の放映ですね。東京で一人暮らしをしている頃。新聞のTV欄でタイトルを見たんだな。貧乏学生で新聞を取っていない時期も結構あったけど。
>昭和20年8月15日の午前中、埼玉県熊谷市に空襲
僕が通った高校のある高崎市も、7月2回、8月2回空襲を受け、最後は8月15日。
ここらは山で被害はなかったですが、夜の空襲の時には空が赤くなっていたと亡父がよく言っていましたよ。
>「生類憐みの令」を評価する人もいます。
これが公平に扱う一環ですね。
最近の若い学者は、概ねその方向にあります。
今回、このシリーズの記念すべき第1作目の作品「日本のいちばん長い日」のレビューを書かれていますので、感想を述べてみたいと思います。
岡本喜八監督の「日本のいちばん長い日」は、ポツダム宣言が発表された1945年7月26日から、8月15日の敗戦まで、日本の指導部と軍の中枢部では、どんなドラマが繰り広げられていたかという、"終戦秘話"をドキュメンタリータッチで描いた作品ですね。
この映画は当初、「人間の條件」「切腹」の小林正樹監督で撮影される予定だったものが中止になり、「こういう作品をつくるべきだ」と怒った岡本喜八監督が、東宝の重役に抗議したのが、この映画を引き受けるきっかけになったという逸話が残っており、いかにも岡本喜八監督らしい"戦中派"の思いの詰まった映画になっていると思います。
ポツダム宣言受諾、降伏を決めた8月14日の御前会議後に、徹底抗戦を主張して、昭和天皇の「玉音放送」の録音盤を奪おうとした陸軍の青年将校らの動きを軸に、幾つかの物語が並行して描かれていきます。
もし彼らの反乱が成功していたら、日本は焦土と化していたかもしれないし、国が分裂していたかもしれません。
それほどシリアスなテーマなのですが、決して重苦しい映画ではありません。
「独立愚連隊」など、娯楽アクション戦争映画の快作を生み出した、岡本監督らしいセンスが発揮されているからだと思います。
この映画は、東宝創立35周年記念映画として公開され、後のいわゆる"8.15"ものの記念すべき第1作目となった作品ですが、公開当時は「庶民が出てこない」などの批評が多かったという事ですが、今の時点であらためて観直してみると、"戦中派"の岡本監督の"反戦のメッセージ"が随所に込められているのが、よくわかります。
そして、この映画の見どころの一つはやはり、何といっても豪華なオールスターの競演ですね。
軍人としての信を苦悩の中に貫く阿南陸相を、鬼気迫る演技で示した三船敏郎を筆頭に、鈴木貫太郎首相役の笠智衆の、飄々とした中に見せる貫禄、狂信的な軍人を演じた天本英世の怪演、玉音盤を奪取しようと、一途な狂気に突っ走る畑中少佐を演じた黒沢年男の熱気----、いずれもが光っていたと思います。
そして、特に印象に残るのは、阿南陸相が切腹する前、共に死ぬという部下を押しとどめて言う言葉です。
「死ぬより生き残るほうが、ずっと勇気がいることだぞ----。生き残った人々が二度とこのような惨めな日を迎えないような日本に、何としても再建してもらいたい」
危急存亡の時、指導者の決断の遅れが、いかに悲惨な事態を招いてしまうか。
現在にも通じる教訓が、含まれていると思います。
この映画は、"庶民の戦争"を描いた、岡本喜八監督の自伝的な作品「肉弾」と併せて観て見ると、"戦中派"の岡本監督の反戦への強い思いがわかると思います。
>「人間の條件」「切腹」の小林正樹監督で撮影される予定だったもの
おおっ、そうですか。
小林正樹バージョンも観たかった気もします。
>何といっても豪華なオールスターの競演ですね。
ただ豪華なだけでなく、仰るように、演技が充実していましたよね。
黒沢年男について本文では全く触れていませんが、10年後くらいに「時には娼婦のように」を歌うとは思えない(笑)狂気の演技が凄かったです。
>岡本喜八監督の自伝的な作品「肉弾」
こちらは、岡本監督らしいユーモアも少なからず盛り込まれながら、鬼気迫る傑作でしたね。
まだ無名だった頃の寺田農の演技が素晴らしかったです。そして、ヒロインの大谷直子が可愛らしかったです。
>小学生の時夏休み前は連日雷にさらされて怖かったですねえ。
雷以外ならば、地震や洪水を怖がる人もいます。住んでいる地域によっていろいろです。
>小椋佳の曲
やはり有名なのはこの曲です!
https://www.youtube.com/watch?v=3uO6fNUaeRE
「肉弾」は記事をUPしてありますので、そちらにコピペします。
そちらでレスします。