映画評「ローズ・イン・タイドランド」
☆☆★(5点/10点満点中)
2005年イギリス=カナダ映画 監督テリー・ギリアム
ネタバレあり
テリー・ギリアムは「ラスベガスをやっつけろ」あたりから不調に陥った感があり、前作の「ブラザーズ・グリム」も不発だったが、今回は賛否両論のようだ。
母親ジェニファー・ティリーを麻薬で失った10歳の少女ジョデル・フェルランドはロック・スターの父親ジェフ・ブリッジスと共に、その故郷テキサスに向かう。
父親は草原にある一軒家に着いた直後麻薬で<休暇>に入ったままあの世行き。少女は近所に暮らす魔女みたいなジャネット・マクティーアと10歳なみの知能しかないその弟ブレンダン・フレッチャーと知り合い、そのおかげで何とか食っていけるが、魔女は父親を剥製にし、青年は線路に爆弾を仕掛け、列車を転覆させてしまう。
4体のバービー人形を相手に一人遊びをする想像力の豊かな少女が主人公で、原作者ミッチ・カリンは「不思議の国のアリス」の現代版を目指したようだが、麻薬にふける見苦しい中年男女や小汚い魔女姉弟が出てくるのではファンタジーとして些か興覚めで、時々風景だけの場面が出てくるとホッとする程だ(草原の中にポツンと立つ一軒家は、アメリカの画家ワイエス「クリスティーナの世界」を思い起こさせる)。
それに比べればジョデルちゃんは可愛らしいが、一人遊びの場面は些か常軌を逸した印象があり、化粧をし始めてからはその雲行きも怪しくなる。但し、声色を操って一人五役(?)を演ずるジョデル嬢の才能は端倪すべからず。
内容的に「ラスベガス」と同じように麻薬中毒者の白昼夢に付き合わされている感じがするのも甚だ有り難くない。一方、それが変化に富んだ視覚上の魅力を生み出しているのも事実なので、この程度の星は進呈しておきましょう。
右脳型の人のみにお薦め致します。
2005年イギリス=カナダ映画 監督テリー・ギリアム
ネタバレあり
テリー・ギリアムは「ラスベガスをやっつけろ」あたりから不調に陥った感があり、前作の「ブラザーズ・グリム」も不発だったが、今回は賛否両論のようだ。
母親ジェニファー・ティリーを麻薬で失った10歳の少女ジョデル・フェルランドはロック・スターの父親ジェフ・ブリッジスと共に、その故郷テキサスに向かう。
父親は草原にある一軒家に着いた直後麻薬で<休暇>に入ったままあの世行き。少女は近所に暮らす魔女みたいなジャネット・マクティーアと10歳なみの知能しかないその弟ブレンダン・フレッチャーと知り合い、そのおかげで何とか食っていけるが、魔女は父親を剥製にし、青年は線路に爆弾を仕掛け、列車を転覆させてしまう。
4体のバービー人形を相手に一人遊びをする想像力の豊かな少女が主人公で、原作者ミッチ・カリンは「不思議の国のアリス」の現代版を目指したようだが、麻薬にふける見苦しい中年男女や小汚い魔女姉弟が出てくるのではファンタジーとして些か興覚めで、時々風景だけの場面が出てくるとホッとする程だ(草原の中にポツンと立つ一軒家は、アメリカの画家ワイエス「クリスティーナの世界」を思い起こさせる)。
それに比べればジョデルちゃんは可愛らしいが、一人遊びの場面は些か常軌を逸した印象があり、化粧をし始めてからはその雲行きも怪しくなる。但し、声色を操って一人五役(?)を演ずるジョデル嬢の才能は端倪すべからず。
内容的に「ラスベガス」と同じように麻薬中毒者の白昼夢に付き合わされている感じがするのも甚だ有り難くない。一方、それが変化に富んだ視覚上の魅力を生み出しているのも事実なので、この程度の星は進呈しておきましょう。
右脳型の人のみにお薦め致します。
この記事へのコメント
実を申しますと、私も40分くらいしたところからかなり眠りました。幸い録画でしたのでもう一度観ましたが、結局面白くなかったですね。(苦笑)
スケールが魅力だったのに、そのスケール感が感じられなくなってきた、という感じでしょうか。「ブラザーズ・グリム」はスケールは大きかったですが、脚本にタッチしていないので痒いところに手が届かない。
「ラスベガス」は、イーグルスが「ホテル・カリフォルニア」で歌っている世界は案外こんなものかな、と思ったものですが、どうもピンと来なかったです。
で、再び本作ですが、同じ子供が主人公なら「バンデットQ」のほうが断然面白い、てね。♪オライナエ・・・ジョージも死んでしまいましたよ。
>パートナーは途中で何処かに行ってしまったし
あははは。
僕も実は前半の半分くらいうとうとしたので、もう一回観ました。録画していて正解!
>子役の少女
数日前に観たばかりの「サイレントヒル」でもエキセントリックな役で出ていました。前回ほどは目立ちませんが、実に面白い少女です。