映画評「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地争覇」

☆☆★(5点/10点満点中)
1992年香港映画 監督ツイ・ハーク
ネタバレあり

リー・リンチェイ即ちジェット・リーが清朝末に活躍した医師にして武道家・黄飛鴻に扮するシリーズ第3作。本邦未公開。

西太后が内憂外患の国情を慮って武道のNo.1を決める獅子王戦の開催を決める。優勝を目指して各流派が入り乱れて本番前からルール無用の戦いを繰り広げるが、父親に叔母(ロザリンド・チャン)との結婚を許可してもらおうと実家を訪れた黄が平和裏に大会を進めようとして調停に奮闘する一方、大会開始の合図に合せてロシア人スパイが提督・李鴻章を暗殺しようとしていることを知り、謀略を未然に防ごうと大会に乗り込んでいく。

今回叔母さんが発明されたばかりの映画用カメラを持ち歩くところをみると、その他のシチュエーションから判断して1898年~99年の時代設定と解釈できるが、このカメラがミステリー趣向に利用されているところが物語的に一番面白い。手回しで撮影する初期のカメラなので実際にはあり得ないものの、混乱の最中に倒れたカメラがロシア人の謀略の証拠を記録していたというわけである。

獅子王戦というくらいだから、アクションとしての見せ場はやはり獅子舞を交えた舞踊的な格闘模様ということになる。床に油を塗られて黄がピンチを迎える場面もあるが、ひねりとしてはもう一つの感あり。

三作目で当方が若干飽きてきたということもあるが、些か息切れ気味で出来栄えは前2作にやや及ばず、大分増量した喜劇的場面も香港映画の水準で全く泥臭くてマイナス。

未だに血の繋がっていない叔母・甥の関係が解りません。

この記事へのコメント

2008年03月17日 12:10
<おば上
「母方の十三番目の妹」なんだそうです。だから、黄飛鴻の父とは血がつながらないけど、黄飛鴻とは血縁関係にあるのでは…。結婚できるのかなぁ?
オカピー
2008年03月18日 02:26
ぶーすかさん、またまたどうも。

そうでしたか。
どこかで説明されていましたか。^^;

現在の世界水準的な法律では、叔母は三親等ですから結婚できません。
清国では定かではありません。^^
但し、子供のことを考えるとちと危ないですね。

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