映画評「40歳の童貞男」
☆☆★(5点/10点満点中)
2005年アメリカ映画 監督ジャド・アパトー
ネタバレあり
60年代後半以降筆卸し映画は腐るほど作られているので飽きたというわけでもないだろうが、アングルを変えて中年男性の筆卸し映画が作られた。当然コメディーである。
家電販売店で商品管理をしている40歳のスティーヴ・カレルは、フィギュア集めとゲームを趣味としているが、未だに性体験がない。ポーカーでの集まりで洩らした一言から童貞であることがばれ、同僚三人が恋のアドヴァイザー役を買って出ても、結果は悲惨。
それでも店に現れたネット・オークション仲介業のキャサリン・キーナーと会話がはずみ、彼女に向ってひた走るのだが、童貞であることを打ち明けられない為に関係がぎくしゃくする。
前半は映画ネタを中心とした小ネタで笑わせようとしている感じだが、シチュエーション・コメディーとして進展しない上に台詞中心のサブ・カルチャー的ギャグが多い故に僕の趣味ではそう笑えない。
但し、主人公が品行方正で予想したほど下品な方向に向かわないのは好材料であるし、その年齢から言っても切実なものを感じさせるので、セックスしか頭にないように見える少年の筆卸しものに比べれば勿論ずっと印象が宜しい。
後半は中年童貞という設定を別にすれば通常の恋愛映画の趣きに変わり、定石的な展開にはなる半面、雰囲気は向上する。事故現場で童貞を打ち明け、彼女が何でもないと受け入れる終盤場面にはホッとしないではいられない。
全体としては何ということのない艶笑喜劇だが、アメリカで大ヒットしたのはカレルの平凡な感じがリアリティーとして平均的アメリカ人の心を掴んだのだろう。僕は彼の風采にはピンと来なかったです。
僕の前に道はない。僕の後に道はできる。by 40歳の道程男
2005年アメリカ映画 監督ジャド・アパトー
ネタバレあり
60年代後半以降筆卸し映画は腐るほど作られているので飽きたというわけでもないだろうが、アングルを変えて中年男性の筆卸し映画が作られた。当然コメディーである。
家電販売店で商品管理をしている40歳のスティーヴ・カレルは、フィギュア集めとゲームを趣味としているが、未だに性体験がない。ポーカーでの集まりで洩らした一言から童貞であることがばれ、同僚三人が恋のアドヴァイザー役を買って出ても、結果は悲惨。
それでも店に現れたネット・オークション仲介業のキャサリン・キーナーと会話がはずみ、彼女に向ってひた走るのだが、童貞であることを打ち明けられない為に関係がぎくしゃくする。
前半は映画ネタを中心とした小ネタで笑わせようとしている感じだが、シチュエーション・コメディーとして進展しない上に台詞中心のサブ・カルチャー的ギャグが多い故に僕の趣味ではそう笑えない。
但し、主人公が品行方正で予想したほど下品な方向に向かわないのは好材料であるし、その年齢から言っても切実なものを感じさせるので、セックスしか頭にないように見える少年の筆卸しものに比べれば勿論ずっと印象が宜しい。
後半は中年童貞という設定を別にすれば通常の恋愛映画の趣きに変わり、定石的な展開にはなる半面、雰囲気は向上する。事故現場で童貞を打ち明け、彼女が何でもないと受け入れる終盤場面にはホッとしないではいられない。
全体としては何ということのない艶笑喜劇だが、アメリカで大ヒットしたのはカレルの平凡な感じがリアリティーとして平均的アメリカ人の心を掴んだのだろう。僕は彼の風采にはピンと来なかったです。
僕の前に道はない。僕の後に道はできる。by 40歳の道程男
この記事へのコメント
禁止ワードがあるのかTBできなくてすみません。
主役の男性はアメリカではかなり人気のようですが、やはりコメディとなるとお国柄を反映するので日本ではあまりウケが良くないことも多いですよね。
地元の劇場では公開されませんでしたが、もし公開されていたらチケット売り場でタイトル名を言うのに躊躇したかもしれません(笑)
もっと別のタイトルは無かったのかしら~?
>TB
保留のところに入っていましたので手動でUP致しました。
迷惑をかけて却ってすみません。
>コメディアンの人気
そうなんですよね。
スティーヴ・マーティンなどもそうではないでしょうか。
古くはマルクス兄弟のお笑いなんかも日本人には解りにくい気もしますね。
>タイトル
シネコンの厭らしいところですね。^^;
単独の映画館なら問題はなかとです。(笑)
間違っていましたぁ~ホホホッホ~~~(笑)
お下品なアメリカ的笑い満載な上、
面白くもなんともないS・カレルの
キャラが妙な横すべり的クスクス笑いを
呼びまして(私は、ですよ^^;)
大顰蹙をあちっらこちらで買っております、はい!
笑いツボと泣きツボ、怒りどころ、
みな、チガウ、あるよ、プロフェッサー♪
私は独立したギャグよりシチュエーションを楽しみたいので、ひねりがあった方が笑えますね。ルビッチやビリー・ワイルダーみたいなのが好みです。
日本人好みだから良いというわけでもなくて、皆様に人気のあるドリフターズも欽ちゃんも全く笑えないんですよ。
しか~し、本作の場合、笑えない≠退屈。
とは言え、退屈しなければ良いというわけでもありませんから、
この程度の点にしました。
悪しからず。(笑)