映画評「ストロベリーショートケイクス」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2006年日本映画 監督・矢崎仁司
ネタバレあり
魚喃キリコのコミックの映画化と言っても原作を全く知らず、監督をした矢崎仁司も初めて見るので、その辺りについては何も言えない。
失恋しても自殺しなかったことに希望を持ち新たな恋の出現を神頼みする池脇千鶴、その彼女が電話番をする店のNO.1デリヘル嬢・中村優子は一方で専門学校の同級生・安藤政信に片思いしてなかなか思いを告げられない。
方や、イラストレーターとして売れっ子になり始めた岩瀬塔子は過食症で故意に吐瀉を繰り返す毎日、彼女のルームメイトのOL中越典子は結婚願望が強い夢見る夢子さん。
という四者四様の性愛記で、それを二組に完全に分けて描いたところが群像劇として新味があり、この二組を最後に交差させることで映画的に引き締まった印象が生まれている。
池脇嬢は既婚のボスにモーションを掛けられて辞職して中国人の青年一人しかいないラーメン店を手伝い始め、中村嬢は客の子供を妊娠した頃片思いの同級生と一回だけ交接、半年前に失恋した岩瀬嬢はルームメイトの日記を読みながら自慰にふける屈折ぶりを見せ、失恋した中越嬢は帰郷する。
若い女性の生態を生々しく描き、それも4パターンあるので、女性たちの間では強い共感を覚えるか、逆に嫌悪を覚えるか、両極端に評価が分かれるような気がする。その点男性は客観視できるが、現実味に映画的感興を抱く向きに歓迎されるかもしれない。その一方で、石を神に見立てて願をかけたり、棺桶の中で眠るなど、いかにも漫画的な描写もあってややちぐはぐな感じがある。
そもそも話が散漫になりがちな群像劇をそれほど好まぬ僕には退屈する時間帯もあるが、現代女性がドライな性行動を取りながら内心は意外と純情だったりするのが一通り参考にはなったと思う次第。
同時録音(?)故に聞き取りにくい台詞があって、肝心なポイントが捉え切れていない可能性あり。
当世女性気質。
2006年日本映画 監督・矢崎仁司
ネタバレあり
魚喃キリコのコミックの映画化と言っても原作を全く知らず、監督をした矢崎仁司も初めて見るので、その辺りについては何も言えない。
失恋しても自殺しなかったことに希望を持ち新たな恋の出現を神頼みする池脇千鶴、その彼女が電話番をする店のNO.1デリヘル嬢・中村優子は一方で専門学校の同級生・安藤政信に片思いしてなかなか思いを告げられない。
方や、イラストレーターとして売れっ子になり始めた岩瀬塔子は過食症で故意に吐瀉を繰り返す毎日、彼女のルームメイトのOL中越典子は結婚願望が強い夢見る夢子さん。
という四者四様の性愛記で、それを二組に完全に分けて描いたところが群像劇として新味があり、この二組を最後に交差させることで映画的に引き締まった印象が生まれている。
池脇嬢は既婚のボスにモーションを掛けられて辞職して中国人の青年一人しかいないラーメン店を手伝い始め、中村嬢は客の子供を妊娠した頃片思いの同級生と一回だけ交接、半年前に失恋した岩瀬嬢はルームメイトの日記を読みながら自慰にふける屈折ぶりを見せ、失恋した中越嬢は帰郷する。
若い女性の生態を生々しく描き、それも4パターンあるので、女性たちの間では強い共感を覚えるか、逆に嫌悪を覚えるか、両極端に評価が分かれるような気がする。その点男性は客観視できるが、現実味に映画的感興を抱く向きに歓迎されるかもしれない。その一方で、石を神に見立てて願をかけたり、棺桶の中で眠るなど、いかにも漫画的な描写もあってややちぐはぐな感じがある。
そもそも話が散漫になりがちな群像劇をそれほど好まぬ僕には退屈する時間帯もあるが、現代女性がドライな性行動を取りながら内心は意外と純情だったりするのが一通り参考にはなったと思う次第。
同時録音(?)故に聞き取りにくい台詞があって、肝心なポイントが捉え切れていない可能性あり。
当世女性気質。
この記事へのコメント
ややしばらく「お待ちくだされviva jiji殿!」って
ムンズと襟首つかまれて「いちごケーキ食べ放題の
タダ券」^^進呈されても
私にはご勘弁を!映画でしたわ~(--)^^
あまりにもあまりにもの
「当世女性気質」じゃごじゃりませんかのう~
(なさけなかぁ)
棺桶だの自慰だのデリヘルだの表現は
目をひく絵づらでもとにかく内容が、薄い!
ペッラペッラ!
そうそう
グッド・タイミングのプロフェッサーのUP画像。
この女優のタバコの吸い方なんて
なっちょりません!
それにしてもプロフェッサーのレトロというか
文学青年的というか・・・「交接」というお言葉・・・
懐かしい響きでごじゃりますこと^^;
日本映画は余り観ないとお聞きしたので、書き込みにびっくり。
<なぜか>というのがぴったりです。^^
会社を辞めて何年も経ち、若い女性との付き合いは全くなくなってしまいましたが(本当ですよん)、OL二人が屋上かどこかでタバコをふかして同僚の悪口を言っているのはいつか見た風景で、会社員時代を思い出しましたね。
あんなのに限って、男性社員の前じゃ、ぶりっこするんです。
>コミックの映画化
最近は横書きの携帯小説なんてものが流行っているようで、純文学は死に体ですからねえ。昔の純文学はストーリー性が豊富だったからいくらでも映画化されましたが。
コミックの映画化でも「櫻の園」は大傑作でした。
あはは、もはや怒ってらっしゃる。
はっきり言えば、私にもどうでも良い作品だったなあ。
映画的に興味深い点を挙げてはみましたが。
>レトロ
明治の人間の生まれ変わりみたいな男ですからね。^^;
手つかずだった幾つかの文語体小説をこのところ読んでおります。
尾崎紅葉「金色夜叉」
徳富蘆花「不如帰」
坪内逍遥「桐一葉」
タイトルを知っていてもなかなか読む気にはなれない作品の数々。しかし、何故か文語体のリズムのある日本語に惹かれます。
昭和も40年過ぎに出現した作家の文章は文字通り軽くなってきて、内容が良くても読む気になれまへん。
今や携帯小説がブームで、横書きだそうで。
あ~あ、昭和生まれの明治のおじさんは軽佻浮薄に泣いてるぞ。
またやってしまいましたか。
この当時は加瀬君も安藤君も区別がつかなかったのかなあ。
修正しておきました。
ご指摘有難うございました。