映画評「ダウト」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2005年アメリカ映画 監督ウェイン・ビーチ
ネタバレあり
さすがにインチキくさい映像トリックはまずいと思い始めたか、最近はオーソドックスなどんでん返しものが増えてきた印象がある。一応歓迎したい。
発端は有能な黒人検事補ジョリーン・ブレイロックがレイプされ、CD店店員である容疑者メキ・ファイファーを殺すという事件。
調査を開始したのは先程まで記者キウェテル・イジョフォーにインタビューされていた市長候補の検事で彼女の上司にして愛人レイ・リオッタだが、「容疑者はストーカーだった」と主張する彼女と「二人は愛人関係にあった」と主張するCD店の同僚LLクールJとの間で意見が食い違うので困り果ててしまう。
この辺りは「羅生門」的な展開でくどい感じが強い。
ファイファーの家に捜査に入った時放火しようとしていた犯罪組織の男を射殺、町を混乱させている謎の大物【ダニー・ルーデン】が絡んでいることが判明、徐々に怪しくなってきた検事補が麻薬密売容疑で逮捕したテー・ディッグズを釈放させようとした事実より彼が秘密を知っていると睨むのだが、ここから【ルーデン】による町の乗っ取り計画が徐々に全貌を現し、事件は二転三転する。
最後に笑うのは誰かが第一、【ダニー・ルーデン】は誰かが第二の興味で、どちらも逆転に次ぐ逆転で息をもつかせない展開で面白い。リオッタ以外の関係者が全員黒人で、実は黒人になり済ましていた人間が一番の曲者だった、というのが落ち。
「ああ面白かった」と言いたいところだが、興味深いのは終盤の20分くらいで、前述したように序盤は同じ場面の繰り返しで退屈、中盤はややこしいだけで焦点が不鮮明。
脚本も兼ねた監督ウェイン・ビーチとしては手に汗を握らせる作品が作れたとご機嫌になったのではないかと思うのだが、実際はそれほどでもない。この手のお話を楽しませるには、対立関係を、即ち、誰と誰が勝ちを争っているのかもう少し明確にする必要がある。どんでん返しに夢中になる余りその辺りまで気が回らなかったようだ。残念でした。
悪い奴ほど肌が白い。
2005年アメリカ映画 監督ウェイン・ビーチ
ネタバレあり
さすがにインチキくさい映像トリックはまずいと思い始めたか、最近はオーソドックスなどんでん返しものが増えてきた印象がある。一応歓迎したい。
発端は有能な黒人検事補ジョリーン・ブレイロックがレイプされ、CD店店員である容疑者メキ・ファイファーを殺すという事件。
調査を開始したのは先程まで記者キウェテル・イジョフォーにインタビューされていた市長候補の検事で彼女の上司にして愛人レイ・リオッタだが、「容疑者はストーカーだった」と主張する彼女と「二人は愛人関係にあった」と主張するCD店の同僚LLクールJとの間で意見が食い違うので困り果ててしまう。
この辺りは「羅生門」的な展開でくどい感じが強い。
ファイファーの家に捜査に入った時放火しようとしていた犯罪組織の男を射殺、町を混乱させている謎の大物【ダニー・ルーデン】が絡んでいることが判明、徐々に怪しくなってきた検事補が麻薬密売容疑で逮捕したテー・ディッグズを釈放させようとした事実より彼が秘密を知っていると睨むのだが、ここから【ルーデン】による町の乗っ取り計画が徐々に全貌を現し、事件は二転三転する。
最後に笑うのは誰かが第一、【ダニー・ルーデン】は誰かが第二の興味で、どちらも逆転に次ぐ逆転で息をもつかせない展開で面白い。リオッタ以外の関係者が全員黒人で、実は黒人になり済ましていた人間が一番の曲者だった、というのが落ち。
「ああ面白かった」と言いたいところだが、興味深いのは終盤の20分くらいで、前述したように序盤は同じ場面の繰り返しで退屈、中盤はややこしいだけで焦点が不鮮明。
脚本も兼ねた監督ウェイン・ビーチとしては手に汗を握らせる作品が作れたとご機嫌になったのではないかと思うのだが、実際はそれほどでもない。この手のお話を楽しませるには、対立関係を、即ち、誰と誰が勝ちを争っているのかもう少し明確にする必要がある。どんでん返しに夢中になる余りその辺りまで気が回らなかったようだ。残念でした。
悪い奴ほど肌が白い。
この記事へのコメント
すっかり!御意!・・・のあげく終盤20分の面白いところまでは
私、到底、忍耐できず、早々に引き上げ、「冷血」観てました。(--)^^
レイ・リオッタは「ハンニバル」以降、すっかり顔がおっかなくなって、この人どうなっちゃうのかしら~と少々訝っておりましたが、「NARC・ナーク」あたりでもなかなか手堅い芝居でがんばってくれてますね。
「フィールド・オブ・ドリームズ」の野球選手でしたよね~。
あの映画は温かくていいですね~♪
あのまるっきりモデル上がりみたいな検事補ですが、最近の検事補さんって随分とファッショナブルなんですね~^^
この作品はメジャーな配給ではないのでご覧になっていらっしゃらないと思いましたが、「豈図らんや」ですね。
終盤は嵐のようでしたよ、はい。
>レイ・リオッタ
「フィールド・オブ・ドリームズ」・・・そうでしたねえ。まだ僕が元気いっぱいに映画館を駆けずり回っていた頃ですねえ。
野球選手と言えば、彼を見ると、ヤンキーズに入団したこともある伊良部という選手を思い出すんですよね。結構濃い顔でして・・・野球解らん? まあ、そう仰らずに。(笑)
「NARC」の映画評を読みましたら、僕も彼の演技を<腹芸>などと言って褒めておりました。刑事映画という映画は殆ど忘れているんですけど。^^;
>検事補
あれは、まあ、行き過ぎじゃろうとは思いますが、日本人はまた地味すぎますね。弁護士には色々いるようですが。^^
あっ、この映画は見てないです。
レイさんで、コメントしました。^^
そういえば、日本人最初のチャンピオン・リングをもらった伊良部は、今何処?
意味が通じなかったでしょ?
刑事映画という映画は殆ど
↓
刑事映画という以外は殆ど
>マデリン・ストーをストーカー
「不法侵入」でしたかね。これもまた大した記憶がないです。
使われていない脳が活用できたら、憶えていられるかもしれませんが。
>伊良部
オリックスに入りましたけど、結局怪我が多くて解雇だったと思います。