映画評「MAXX!!! 鳥人死闘篇」
☆★(3点/10点満点中)
2004年フランス映画 監督ジュリアン・セリ
ネタバレあり
「YAMAKASHI」で映画界に初お目見えしたフランスのアクロバット集団YAMAKASHIをタイで活躍させてみようという発想で作られたアクション映画。
中国マフィアのボスが持つ秘宝をフランスと中国人の混血兄妹チョウ・ベル・ディンとエロディ・ユングが狙って一騒動というのがプロローグ。
本番に入って6人の若者たちが道場を開く為にタイに訪れ、早々に兄妹二人が率いるストリート・ギャングに襲撃される。これに中国マフィアに寄り添うふりをして寝首をかこうとストリート・ギャングを抱き込んでいる<ヤクザ>キタノが絡む。
「YAMAKASHI」の脚本を書いたジュリアン・セリが再び本を書いているが、彼の構成力ではタイの3グループの関係が解る前にYAMAKASHIたちをタイに入国させるのは無理があったようで、展開が要領を得ない為に何が何だか解らず非常に困る。
困るのはそれだけではない。
アクション映画なのだからもっと明朗に作れば良いものを、兄妹はフランス人の母親を持つことで悩み葛藤して分裂するし、タイ人のYAMAKASHIは仏教徒として何かを悩み、別のYAMAKASHIは妻子との別居が念頭から去らず、といった具合に全編陰々滅々としているのである。
そんなつまらぬことをだらだらと描くのは「登場人物の人間性を描かねば(良い)映画ではない」といった間違った芸術観が一部鑑賞者の間に広まっているからである。
真に芸術的なアクション映画とはアクションの必要性を裏付けするだけの単純明快な物語に立脚し、実技と実写の美しさで見せ切ることができるものを言う。アクション映画における<人間性>など、多くの場合、力のない作者が頼るYAMAKASHIならぬ<まやかし>に過ぎぬ。
結局作者は、YAMAKASHIのアクロバティックな動きを生かす話を案出することができなかったという次第。
このまやかし映画、やかましすぎてなやまし。
2004年フランス映画 監督ジュリアン・セリ
ネタバレあり
「YAMAKASHI」で映画界に初お目見えしたフランスのアクロバット集団YAMAKASHIをタイで活躍させてみようという発想で作られたアクション映画。
中国マフィアのボスが持つ秘宝をフランスと中国人の混血兄妹チョウ・ベル・ディンとエロディ・ユングが狙って一騒動というのがプロローグ。
本番に入って6人の若者たちが道場を開く為にタイに訪れ、早々に兄妹二人が率いるストリート・ギャングに襲撃される。これに中国マフィアに寄り添うふりをして寝首をかこうとストリート・ギャングを抱き込んでいる<ヤクザ>キタノが絡む。
「YAMAKASHI」の脚本を書いたジュリアン・セリが再び本を書いているが、彼の構成力ではタイの3グループの関係が解る前にYAMAKASHIたちをタイに入国させるのは無理があったようで、展開が要領を得ない為に何が何だか解らず非常に困る。
困るのはそれだけではない。
アクション映画なのだからもっと明朗に作れば良いものを、兄妹はフランス人の母親を持つことで悩み葛藤して分裂するし、タイ人のYAMAKASHIは仏教徒として何かを悩み、別のYAMAKASHIは妻子との別居が念頭から去らず、といった具合に全編陰々滅々としているのである。
そんなつまらぬことをだらだらと描くのは「登場人物の人間性を描かねば(良い)映画ではない」といった間違った芸術観が一部鑑賞者の間に広まっているからである。
真に芸術的なアクション映画とはアクションの必要性を裏付けするだけの単純明快な物語に立脚し、実技と実写の美しさで見せ切ることができるものを言う。アクション映画における<人間性>など、多くの場合、力のない作者が頼るYAMAKASHIならぬ<まやかし>に過ぎぬ。
結局作者は、YAMAKASHIのアクロバティックな動きを生かす話を案出することができなかったという次第。
このまやかし映画、やかましすぎてなやまし。
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