映画評「相棒 シティ・オブ・バイオレンス」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2006年韓国映画 監督リュ・スンワン
ネタバレあり
アクション映画が続いているが、本作は収穫と言って良い。
少年時代の親友5人の予想外のその後を描いたフィルムノワール風アクション映画で、「クライング・フィスト」を監督したリュ・スンワンが主演のほか製作・脚本・監督を担当している。
バーの経営者アン・ギルガンが刺殺され、ソウルの刑事になっている親友チョン・ドゥホンが葬式の為に故郷に戻り、殺害したと思われた若者たちを追ううちにギルガンからその地位を譲ってもらったヤクザにして自称・土地開発業者イ・ボムスの犯行であることを掴む。
ボムスも親友の一人だったが、証拠隠滅の為に関係者を次々と殺害、その一連で母と兄チョン・ソギョン(五人組の一人)を失った使い走りスンワンはドゥホンと協力し、ボムス征伐に向かう。
物語の展開には2001年の韓国映画「友へ チング」を思わせるところもあるが、バイオレンス度がぐっと高く遙かに荒唐無稽で劇画的、特に二人がボムスを倒す為に宴会場へ乗り込み格闘を繰り広げる終幕部分は「キル・ビルvol.1」を彷彿とする内容であり激しさである。素手で戦う部分が多いので見た目の残虐度がさほどでないのが有難い。
しかも、鈴木清順の「刺青一代」みたいに襖が次々と開いていく場面もあり、映画マニアをニヤッとさせる。
惜しむらくは、「キル・ビル」などと違ってアクション以外の場面に現実的な感触を残しすぎた為に、宮本武蔵の【一乗寺の決闘】も荒木又衛右門の【三十六人斬り】も顔負けの超人的な格闘描写との間に違和感が生じてしまい、ご機嫌にはなりきれない。
因みに、水谷豊は出て来ません。
2006年韓国映画 監督リュ・スンワン
ネタバレあり
アクション映画が続いているが、本作は収穫と言って良い。
少年時代の親友5人の予想外のその後を描いたフィルムノワール風アクション映画で、「クライング・フィスト」を監督したリュ・スンワンが主演のほか製作・脚本・監督を担当している。
バーの経営者アン・ギルガンが刺殺され、ソウルの刑事になっている親友チョン・ドゥホンが葬式の為に故郷に戻り、殺害したと思われた若者たちを追ううちにギルガンからその地位を譲ってもらったヤクザにして自称・土地開発業者イ・ボムスの犯行であることを掴む。
ボムスも親友の一人だったが、証拠隠滅の為に関係者を次々と殺害、その一連で母と兄チョン・ソギョン(五人組の一人)を失った使い走りスンワンはドゥホンと協力し、ボムス征伐に向かう。
物語の展開には2001年の韓国映画「友へ チング」を思わせるところもあるが、バイオレンス度がぐっと高く遙かに荒唐無稽で劇画的、特に二人がボムスを倒す為に宴会場へ乗り込み格闘を繰り広げる終幕部分は「キル・ビルvol.1」を彷彿とする内容であり激しさである。素手で戦う部分が多いので見た目の残虐度がさほどでないのが有難い。
しかも、鈴木清順の「刺青一代」みたいに襖が次々と開いていく場面もあり、映画マニアをニヤッとさせる。
惜しむらくは、「キル・ビル」などと違ってアクション以外の場面に現実的な感触を残しすぎた為に、宮本武蔵の【一乗寺の決闘】も荒木又衛右門の【三十六人斬り】も顔負けの超人的な格闘描写との間に違和感が生じてしまい、ご機嫌にはなりきれない。
因みに、水谷豊は出て来ません。
この記事へのコメント
チャン・チェ監督作「報仇」のオマージュだから勘違いしない様に。