映画評「トゥー・フォー・ザ・マネー」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2005年アメリカ映画 監督D・J・カルーソ
ネタバレあり
賭博映画は少なくないが、スポーツ賭博をテーマにした作品は記憶になく、大概は要素で終わっているので、本作の映画としての価値は大部分その物珍しさにあると言って良い。
題名はエルヴィス・プレスリーでもお馴染の"Blue Suede Shoes"の歌詞から拝借したのかもしれない。但し、こちらのtwoは二人という意味であろう。
大学で花形アメフト選手だったマシュー・マコノヘーが試合中に重傷を負ってリハビリをするうちに6年も経ち、プロテストを受けながらバイトでやった試合の予想がズバリ的中、ラスヴェガス一の予想屋になる。ニューヨークでスポーツ情報会社を経営するアル・パチーノに引き抜かれ、訓練の末に、やがて大物顧客を次々と獲得していく。
予想屋とセールス担当が別にいるのが通常、主人公のように両方を兼ねるスーパーマンもいるといった業界の描写が興味を引くが、面白いのはその辺りまでで、その後主人公が不振に陥って会社全体が窮地に追い込まれていくのは定石通り。
その不振の原因が、自信過剰か、つまらないことで騙したパチーノへの恨みが元か、それとも偶然なのか全く判らないのでドラマ的に深みが出て来ず、やっとスーパーボウルの予想場面から盛り返す。
賭け金を全て保証するというパチーノの思い切った策略もさることながら、マコノヘーが妻を疑う彼の行動をその妻レネ・ルッソと賭ける顛末を並行して描くことでパチーノの破滅型人生を垣間見させ、単調さを回避しているからである。マコノヘーの勝率が高かったのは他人への優れた洞察力があったからなのではないか、などと思えてくる。
しかし、D・J・カルーソのカットバックは呼吸が悪く、余りに直球すぎて、とても巧いとは言えない。この辺りをもっと適切に処理すればもっと盛り上がっただろうと思えるので残念だ。
2005年アメリカ映画 監督D・J・カルーソ
ネタバレあり
賭博映画は少なくないが、スポーツ賭博をテーマにした作品は記憶になく、大概は要素で終わっているので、本作の映画としての価値は大部分その物珍しさにあると言って良い。
題名はエルヴィス・プレスリーでもお馴染の"Blue Suede Shoes"の歌詞から拝借したのかもしれない。但し、こちらのtwoは二人という意味であろう。
大学で花形アメフト選手だったマシュー・マコノヘーが試合中に重傷を負ってリハビリをするうちに6年も経ち、プロテストを受けながらバイトでやった試合の予想がズバリ的中、ラスヴェガス一の予想屋になる。ニューヨークでスポーツ情報会社を経営するアル・パチーノに引き抜かれ、訓練の末に、やがて大物顧客を次々と獲得していく。
予想屋とセールス担当が別にいるのが通常、主人公のように両方を兼ねるスーパーマンもいるといった業界の描写が興味を引くが、面白いのはその辺りまでで、その後主人公が不振に陥って会社全体が窮地に追い込まれていくのは定石通り。
その不振の原因が、自信過剰か、つまらないことで騙したパチーノへの恨みが元か、それとも偶然なのか全く判らないのでドラマ的に深みが出て来ず、やっとスーパーボウルの予想場面から盛り返す。
賭け金を全て保証するというパチーノの思い切った策略もさることながら、マコノヘーが妻を疑う彼の行動をその妻レネ・ルッソと賭ける顛末を並行して描くことでパチーノの破滅型人生を垣間見させ、単調さを回避しているからである。マコノヘーの勝率が高かったのは他人への優れた洞察力があったからなのではないか、などと思えてくる。
しかし、D・J・カルーソのカットバックは呼吸が悪く、余りに直球すぎて、とても巧いとは言えない。この辺りをもっと適切に処理すればもっと盛り上がっただろうと思えるので残念だ。
この記事へのコメント
結局、何の映画なのかよくわかりませんでした。
スポーツ賭博という背景が物珍しいだけに残念です。
明確な狙いが掴み切れない感じです。
スポーツ賭博の実態を紹介してみたかったんですかね。