映画評「TAXi④」
☆☆★(5点/10点満点中)
2007年フランス映画 監督ジェラール・クラヴジック
ネタバレあり
リュック・ベッソン製作・脚本のシリーズ第4作。
ベッソンはここで方向転換したようで、昔懐かしいルイ・ド・フュネスのドタバタ喜劇が蘇ったようである。その代わり、このシリーズの売り物だったサミー・ナセリ運転のタクシーによる疾走シーンは殆ど見られないので、カー・アクション・ファンにはご愁傷様と言わねばならない。
今回の事実上の主役は警察の署長ベルナール・ファルシーとその部下フレデリック・ディーファンタル。
言わば前半の主役ファルシーは昔のフュネスに相当する役割で、釣り以外は全く知らないスポーツ音痴というのが序盤のお笑いの軸となっているが、ベルギーの怪物と言われる凶悪犯ジャン=リュック・クシャールを移送する場面からいよいよ本筋。
男を閉じ込めた木箱を置き忘れるギャグに始まり、熊用の麻酔を打ちこまれてお休みとなったところで、主役の座をディーファンタルに引き渡す。こちらも上司に負けず劣らずドジ、巧妙に練られた犯人側の作戦にまんまと騙されて犯人を釈放してしまうし、潜入捜査している妻エマ・シェーベルイにも気付かないお粗末。最後はファルシーが再び絡み、敵の館で麻薬漬けになって銃を乱射する珍プレイを繰り広げる。
文句を言っても始まらない。この程度の泥臭いお笑いが昔からフランス大衆コメディーの水準である。少なくとも調子の外れた時のフュネスよりはずっと笑えるし、寧ろ伝統を感じる部分を楽しんだ。
ルイ・ド・フュネスと言っても解らん人が多いだろうねえ。
2007年フランス映画 監督ジェラール・クラヴジック
ネタバレあり
リュック・ベッソン製作・脚本のシリーズ第4作。
ベッソンはここで方向転換したようで、昔懐かしいルイ・ド・フュネスのドタバタ喜劇が蘇ったようである。その代わり、このシリーズの売り物だったサミー・ナセリ運転のタクシーによる疾走シーンは殆ど見られないので、カー・アクション・ファンにはご愁傷様と言わねばならない。
今回の事実上の主役は警察の署長ベルナール・ファルシーとその部下フレデリック・ディーファンタル。
言わば前半の主役ファルシーは昔のフュネスに相当する役割で、釣り以外は全く知らないスポーツ音痴というのが序盤のお笑いの軸となっているが、ベルギーの怪物と言われる凶悪犯ジャン=リュック・クシャールを移送する場面からいよいよ本筋。
男を閉じ込めた木箱を置き忘れるギャグに始まり、熊用の麻酔を打ちこまれてお休みとなったところで、主役の座をディーファンタルに引き渡す。こちらも上司に負けず劣らずドジ、巧妙に練られた犯人側の作戦にまんまと騙されて犯人を釈放してしまうし、潜入捜査している妻エマ・シェーベルイにも気付かないお粗末。最後はファルシーが再び絡み、敵の館で麻薬漬けになって銃を乱射する珍プレイを繰り広げる。
文句を言っても始まらない。この程度の泥臭いお笑いが昔からフランス大衆コメディーの水準である。少なくとも調子の外れた時のフュネスよりはずっと笑えるし、寧ろ伝統を感じる部分を楽しんだ。
ルイ・ド・フュネスと言っても解らん人が多いだろうねえ。
この記事へのコメント
>ベッソンはここで方向転換したよう
警察を徹底的にコケにしているので、L・ベッソンはよほど、フランスの警察に恨みがあるのではないかと思っていました。
>警察に恨み
あはは、そういう考え方もありますし、実際そうかもしれませんね。
僕が真っ先に思い浮かべたルイ・ド・フュネスを含め、フランスのドタバタ喜劇には伝統的に間抜けな警察官が出てきます。その伝統も感じました。
「ピンク・パンサー」にしても、「TAXI」シリーズにしても、どうもフランスのコメディは肌に合わないというか、ちっとも面白くないのです(笑)本作もなんだかちっとも笑えなかったのですが、プレミアイベントは楽しかったです(笑)
間抜けな警官の果てしないおまぬけぶりが、どうにもしらけちゃうのですよね~(笑)フランス人はこういうのがお好みなのですかね~
「ピンクパンサー」は舞台がフランスと言うだけで、実質アメリカの、そしてスティーヴ・マーティンの笑いの世界になるわけですが、いずれにしても笑えず、結局欧米の笑いは我々日本人の肌に合わないものが大半ですね。
一般的に、日本人はドタバタよりシチュエーション・コメディを好むというのも理由の一つでしょうけど。
個人的には、新版「ピンクパンサー」より、まだこちらのほうが笑えましたかな。