映画評「ゴーストライダー」
☆☆★(5点/10点満点中)
2007年アメリカ映画 監督マーク・スティーヴン・ジョンスン
ネタバレあり
欧州の古いファウスト伝説をアメリカに持っていった怪奇アクションで、脚本・監督は低い世評に逆らって個人的にかなり買った「デアデビル」のマーク・スティーヴン・ジョンスン。
癌に冒された父親を救う為に悪魔メフィストフェレス(ピーター・フォンダ)と魂の売買契約をしたバイクショー・ライダーのジョニー(少年時マット・ロング、青年時ニコラス・ケイジ)は癌から復帰した父親が事故で死んだことを恨みに持ち、復讐の機会を狙う。一方、メフィストフェレスは地獄を我が物にしようと企む不肖の息子ブラックハート(ウェス・ベントリー)を仕留めるべく骸骨面を炎に包むゴーストライダーに彼を変身させ、文字通りの死闘に挑ませる。
その間に少年時代の恋人で現在はレポーターとして活躍するロクサーヌ(エヴァ・メンデス)とのロマンス要素を織り交ぜてなかなか賑やかに展開するが、そう興味深く観られたとは言いにくい。
ゲーム感覚は娯楽映画にとって実は重要であると思うが、その時に人間的な要素が薄くなればなるほど、映画から離れゲームに近づいて行く。本作の場合強く批判する程ではないものの、闘う人ではなく闘いそのものを見せるという、児戯に類する狙いが透けて見えるので白けてしまったのである。ドイツ表現主義の匂いを嗅げた「デアデビル」に比べて著しくつまらないと言わざるを得ない。
それはともかく、VFXは極めて優秀で素直に映像に見入ることができるのはよろしい。逆に言えば、形だけを「ファウスト」に求めたこの程度のお話でも、堂々とニコラス・ケイジといったA級俳優を起用して作れるのは、その映像に呼び物としての力があればこそであろう。良くも悪しくもCGの存在が映画会社や俳優の意識を変えたのである。
「イージー・ライダー」のピーター・フォンダを起用した洒落っ気や、カントリーの名曲「ゴースト・ライダーズ・イン・ザ・スカイ」が最後に掛かるのが嬉しい。
骸骨面の 時は御休み ケイジさん
2007年アメリカ映画 監督マーク・スティーヴン・ジョンスン
ネタバレあり
欧州の古いファウスト伝説をアメリカに持っていった怪奇アクションで、脚本・監督は低い世評に逆らって個人的にかなり買った「デアデビル」のマーク・スティーヴン・ジョンスン。
癌に冒された父親を救う為に悪魔メフィストフェレス(ピーター・フォンダ)と魂の売買契約をしたバイクショー・ライダーのジョニー(少年時マット・ロング、青年時ニコラス・ケイジ)は癌から復帰した父親が事故で死んだことを恨みに持ち、復讐の機会を狙う。一方、メフィストフェレスは地獄を我が物にしようと企む不肖の息子ブラックハート(ウェス・ベントリー)を仕留めるべく骸骨面を炎に包むゴーストライダーに彼を変身させ、文字通りの死闘に挑ませる。
その間に少年時代の恋人で現在はレポーターとして活躍するロクサーヌ(エヴァ・メンデス)とのロマンス要素を織り交ぜてなかなか賑やかに展開するが、そう興味深く観られたとは言いにくい。
ゲーム感覚は娯楽映画にとって実は重要であると思うが、その時に人間的な要素が薄くなればなるほど、映画から離れゲームに近づいて行く。本作の場合強く批判する程ではないものの、闘う人ではなく闘いそのものを見せるという、児戯に類する狙いが透けて見えるので白けてしまったのである。ドイツ表現主義の匂いを嗅げた「デアデビル」に比べて著しくつまらないと言わざるを得ない。
それはともかく、VFXは極めて優秀で素直に映像に見入ることができるのはよろしい。逆に言えば、形だけを「ファウスト」に求めたこの程度のお話でも、堂々とニコラス・ケイジといったA級俳優を起用して作れるのは、その映像に呼び物としての力があればこそであろう。良くも悪しくもCGの存在が映画会社や俳優の意識を変えたのである。
「イージー・ライダー」のピーター・フォンダを起用した洒落っ気や、カントリーの名曲「ゴースト・ライダーズ・イン・ザ・スカイ」が最後に掛かるのが嬉しい。
骸骨面の 時は御休み ケイジさん
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