映画評「シュレック3」
☆☆★(5点/10点満点中)
2007年アメリカ映画 監督クリス・ミラー
ネタバレあり
このシリーズの第1作はおとぎ話のパロディー、それも価値観を転覆させた部分が大いに気に入ったが、第2作は映画のパロディー集に落ちて個人的には余り歓迎できなかった。ロマン・ポランスキーの「吸血鬼」やメル・ブルックスの「ヤング・フランケンシュタイン」のように「パロディーは部分の寄せ集めではなくエッセンスを用いたほうが面白い」からである。
<遠い遠い国>の王様が臨終に際してシュレックを次の王に指名するが、王などになりたくない彼はもう一人の継承者たる若者アーサーに継がせるべく旅に出る。ようやく見つけたアーサーは弱虫高校生だが、シュレックが説得して舞い戻った時王国は負け犬たちを率いたプリンス・チャーミングの軍勢に占拠される惨状で、結局童話の主人公たるプリンセスたちもシュレックも彼の魔の手に落ちる。後の展開は推して知るべし。
第1作の毒は見る影もなく、弱虫高校生の成長もののようになっているのはつまらないが、「白雪姫」や「シンデレラ」といったおとぎ話や童話のパロディーに帰ってきたのは歓迎したい。古い映画ネタは解らなくても童話なら子供でも解るからね。アーサー王伝説の扱いも皮肉たっぷりでよろしい。
60~70年代洋楽ファンたる僕にはウィングス「007/死ぬのは奴らだ」、レッド・ツェッペリン「移民の歌」とハート「バラクーダ」を合体させた選曲がご機嫌。
2007年アメリカ映画 監督クリス・ミラー
ネタバレあり
このシリーズの第1作はおとぎ話のパロディー、それも価値観を転覆させた部分が大いに気に入ったが、第2作は映画のパロディー集に落ちて個人的には余り歓迎できなかった。ロマン・ポランスキーの「吸血鬼」やメル・ブルックスの「ヤング・フランケンシュタイン」のように「パロディーは部分の寄せ集めではなくエッセンスを用いたほうが面白い」からである。
<遠い遠い国>の王様が臨終に際してシュレックを次の王に指名するが、王などになりたくない彼はもう一人の継承者たる若者アーサーに継がせるべく旅に出る。ようやく見つけたアーサーは弱虫高校生だが、シュレックが説得して舞い戻った時王国は負け犬たちを率いたプリンス・チャーミングの軍勢に占拠される惨状で、結局童話の主人公たるプリンセスたちもシュレックも彼の魔の手に落ちる。後の展開は推して知るべし。
第1作の毒は見る影もなく、弱虫高校生の成長もののようになっているのはつまらないが、「白雪姫」や「シンデレラ」といったおとぎ話や童話のパロディーに帰ってきたのは歓迎したい。古い映画ネタは解らなくても童話なら子供でも解るからね。アーサー王伝説の扱いも皮肉たっぷりでよろしい。
60~70年代洋楽ファンたる僕にはウィングス「007/死ぬのは奴らだ」、レッド・ツェッペリン「移民の歌」とハート「バラクーダ」を合体させた選曲がご機嫌。
この記事へのコメント
「移民の歌」はのってしまいました。
気に入ったシリーズものって、「スパイダーマン」しかり、ここまできたら、よほどまずくない限りは贔屓目で見てしまいますね。1作目に比べたら、シュレックが常識人になっていって……まぁ子育てに奮戦するシュレックも微笑ましくってようござんしたけど…。楽しく見れれば良しですね。しかし「パイレーツ」だけはちょっとガックリ来ました。
シュレックの2って今となったら記憶に残ってないけど、3作目は盛りだくさんで結構サービスしてくれてましたよね。
しかし、シリアスなものからシュレックまで!どんな顔してシュレック見てるのか、ちょっとそんなP様のお顔を想像したくなります(笑)
なんだかんだいって北京オリンピックもとうとう開催ですね。チャン・イーモウ監督演出の開会式をどんなだろう?なんか想像できるけど。
では、暑くなる夏。御自愛ください。
実はこの作品のタイトルを「シュエット3」としなかったか、心配になって夜中に目覚めてしまいました(笑)。本当の話ですよ!
>移民の歌
結構人気があって、確かドキュメンタリー「ブラック・セプテンバー」でも使っていました。
>どんな顔して
普通のおじさんの顔をしています(笑)。
>北京オリンピック
悩ましいですねえ。
実は昔から「オリンピック狂」と言われていて、映画とどう付き合おうか。スケジュールと睨めっこですよ。^^;
で、開会式のイベント。中国的な人海戦術という印象。巻物が広がっていくように見えるトリック演出が面白かったな。
シュエットさんもご自愛ください。