映画評「プラネット・テラー in グラインドハウス」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2007年アメリカ映画 監督ロバート・ロドリゲス
ネタバレあり
アメリカにかつて存在したというB級映画専門館“グラインドハウス”の雰囲気を再現する為に作られた二本立ての一本で、ロバート・ロドリゲス監督作品。
干されて自棄(やけ)になった軍人ブルース・ウィリスの一派と生物学者の取引のゴタゴタから恐るべき生物兵器ガスが噴出して周囲の町民がゾンビ化(厳密にはシッコ=感染者というらしい)。病院を中心に溢れ出した連中を、彼らに足を喰われたゴーゴー・ダンサーのローズ・マッゴーワンとその恋人で抜群に強いフレディ・ロドリゲスが立ち向かう。
というお話は、初期のゾンビ映画同様に西部劇パロディーぶりを踏襲していて、フレディ君がB級西部劇のガンマンよろしくリーダーシップをとってゾンビ群と対決する姿は大変格好良い。
しかし、西部劇の現代版だった「ストリート・オブ・ファイヤー」に重なるムードがあるようにパロディーのパロディー的な作品としての面白さがある一方で、その彼が超ミニバイクに乗ったり、ローズ嬢の太腿の先にマシンガンを挿入したり、悪ノリが過ぎる印象も強い。
この手のB級作品によく見られる無駄な場面もしっかり踏襲しているのにはニヤニヤさせられるが、無駄はやはり無駄なので複雑な心境に陥る。そもそも僕はゾンビの類にはサスペンスを感じないので、最後の方はどうでも良くなって来た。
結局一番面白いのは、三番館レベルのフィルムに加工した洒落っ気。雨が降ったり傷が雨霰のようにちりばめられている程度はよく見かける(しかし、こんなに本格的なのは初めて)が、フィルムが引っ掛かったり色ずれピンボケが出たり、一巻まるごと消えてしまうといった凝り方はちょっと例がない。最初に次回公開予告(上画像)まで入っているのだから嬉しくなる。
もう一本のクェンティン・タランティーノ版は後日のお楽しみ。
2007年アメリカ映画 監督ロバート・ロドリゲス
ネタバレあり
アメリカにかつて存在したというB級映画専門館“グラインドハウス”の雰囲気を再現する為に作られた二本立ての一本で、ロバート・ロドリゲス監督作品。
干されて自棄(やけ)になった軍人ブルース・ウィリスの一派と生物学者の取引のゴタゴタから恐るべき生物兵器ガスが噴出して周囲の町民がゾンビ化(厳密にはシッコ=感染者というらしい)。病院を中心に溢れ出した連中を、彼らに足を喰われたゴーゴー・ダンサーのローズ・マッゴーワンとその恋人で抜群に強いフレディ・ロドリゲスが立ち向かう。
というお話は、初期のゾンビ映画同様に西部劇パロディーぶりを踏襲していて、フレディ君がB級西部劇のガンマンよろしくリーダーシップをとってゾンビ群と対決する姿は大変格好良い。
しかし、西部劇の現代版だった「ストリート・オブ・ファイヤー」に重なるムードがあるようにパロディーのパロディー的な作品としての面白さがある一方で、その彼が超ミニバイクに乗ったり、ローズ嬢の太腿の先にマシンガンを挿入したり、悪ノリが過ぎる印象も強い。
この手のB級作品によく見られる無駄な場面もしっかり踏襲しているのにはニヤニヤさせられるが、無駄はやはり無駄なので複雑な心境に陥る。そもそも僕はゾンビの類にはサスペンスを感じないので、最後の方はどうでも良くなって来た。
結局一番面白いのは、三番館レベルのフィルムに加工した洒落っ気。雨が降ったり傷が雨霰のようにちりばめられている程度はよく見かける(しかし、こんなに本格的なのは初めて)が、フィルムが引っ掛かったり色ずれピンボケが出たり、一巻まるごと消えてしまうといった凝り方はちょっと例がない。最初に次回公開予告(上画像)まで入っているのだから嬉しくなる。
もう一本のクェンティン・タランティーノ版は後日のお楽しみ。
この記事へのコメント
>三番館レベルのフィルムに加工した洒落っ気
結局、これがやりたかっただけなのではないかという気がします。
一巻紛失は面白かったですね。
僕はゾンビものはどうにも面白くないので、もっと☆を少なくしようと思ったのですが、その洒落っ気が余りに嬉しかったもので、内容そっちのけで採点してしまいました。