映画評「幸せのレシピ」
☆☆★(5点/10点満点中)
2007年アメリカ映画 監督スコット・ヒックス
ネタバレあり
5年前に「マーサの幸せレシピ」について僕は「ドイツ映画はかくもハリウッド映画的になったか」と印象を書いているが、案の定ハリウッドが飛びついてリメイクしたのが本作。タイトルを一部戴いているから何の情報がなくてもリメイクと解りそうである。
最後の恋人と別れて何年も経つ恋愛ひでりの女性シェフ、キャサリン・ゼータ=ジョーンズが、姉の交通事故死で姪アビゲール・ブレスリンを引き取る。休んでいる間にオーナーがアーロン・エッカートを副シェフに雇ったことが面白くない彼女だが、これが天の配剤、彼が心を閉ざしてしまったアビゲールの心を開かせ、アビゲールは仲の悪いキャサリンとエッカートの縁を取り持つことになる。
非常に解りやすい図式のお話で、いかにハリウッド的になったと言ってもオリジナルは女性映画+人情劇の趣が濃かったが、こちらは後半に至って完全なロマンティック・コメディー仕立てになっている。父親の元から姪を取り戻しに行ってヒロインの姪への絆が確認される人情的な場面で終わるオリジナルに比べると、こちらは洗練されていると言うべきか、調子が良すぎると言うべきか、微妙なところではある。
いずれにせよ、「シャイン」という実績のあるスコット・ヒックスはきちんと展開しているが、多少の違いがあるとは言え、残念ながらオリジナルを見てたった5年ではお話への感興が余り湧かず、客観的に観るとは言っても星は限定的にならざるを得ない。アメリカ大衆は他国製の映画は滅多に観ないだろうが、こちらは世界中の映画をコンスタントに観ているから、他国の製作した映画を僅か数年後にリメイクするハリウッドの流行は甚だ迷惑でござるよ。
オリジナルを観ていない方は僕の採点以上に楽しめる可能性が高い、ということです。
映画ファンにとっては、外国産映画のリメイクは「不幸せのレシピ」。
2007年アメリカ映画 監督スコット・ヒックス
ネタバレあり
5年前に「マーサの幸せレシピ」について僕は「ドイツ映画はかくもハリウッド映画的になったか」と印象を書いているが、案の定ハリウッドが飛びついてリメイクしたのが本作。タイトルを一部戴いているから何の情報がなくてもリメイクと解りそうである。
最後の恋人と別れて何年も経つ恋愛ひでりの女性シェフ、キャサリン・ゼータ=ジョーンズが、姉の交通事故死で姪アビゲール・ブレスリンを引き取る。休んでいる間にオーナーがアーロン・エッカートを副シェフに雇ったことが面白くない彼女だが、これが天の配剤、彼が心を閉ざしてしまったアビゲールの心を開かせ、アビゲールは仲の悪いキャサリンとエッカートの縁を取り持つことになる。
非常に解りやすい図式のお話で、いかにハリウッド的になったと言ってもオリジナルは女性映画+人情劇の趣が濃かったが、こちらは後半に至って完全なロマンティック・コメディー仕立てになっている。父親の元から姪を取り戻しに行ってヒロインの姪への絆が確認される人情的な場面で終わるオリジナルに比べると、こちらは洗練されていると言うべきか、調子が良すぎると言うべきか、微妙なところではある。
いずれにせよ、「シャイン」という実績のあるスコット・ヒックスはきちんと展開しているが、多少の違いがあるとは言え、残念ながらオリジナルを見てたった5年ではお話への感興が余り湧かず、客観的に観るとは言っても星は限定的にならざるを得ない。アメリカ大衆は他国製の映画は滅多に観ないだろうが、こちらは世界中の映画をコンスタントに観ているから、他国の製作した映画を僅か数年後にリメイクするハリウッドの流行は甚だ迷惑でござるよ。
オリジナルを観ていない方は僕の採点以上に楽しめる可能性が高い、ということです。
映画ファンにとっては、外国産映画のリメイクは「不幸せのレシピ」。
この記事へのコメント
この作品、私はオリジナル未見でしたので、幸い「不幸せのレシピ」にはならず(笑)6点献上でしたが、たしかに僅か数年でハリウッドでリメイクされると、たいていは興醒めしてしまう作品が多いですね。
「バニラ・スカイ」や「ディパーテッド」は微妙でしたし、「リプリー」はまったくもってNGでした。
(あ、でもオカピーさん的には「ディパーテッド」は高評価でしたね!)
この映画はデートムービー的には8点、「家でヒマな週末に観るオススメDVD」的には7点、「映画客観評価」的には5~6点・・・といった感じでしょうか?
でも主役2人のツーショットはイラストを描くのには、なかなかのモチーフで、そんな画的な良さに★を甘くつけちゃいました!
>ディパーテッド
あれは色々とややこしい作品でしたから、リメイクしても単純なプロットの映画と違って楽しめるところが多かったわけです。
ておらず、寧ろ実録的にきちんと作っていたスコセッシの実力を感じた作品です。
そうですねえ、ドイツのオリジナルを見ていなければ6点くらいかな。
ちょっと、スコット・ヒックスの演出は内容に比べてまじめ過ぎる。
主人公のケイトですが、セラピーでは、母は料理の天才でそれが現在のケイトにつながってるというんですが、父のことはほとんど話さないし、事故死する姉もシングルマザーでケイトの姪の父親のことは不明。そういう形で男の影が薄いのですね。そのあたりが2000年代のアメリカ映画らしいのかなって。
>甘さ抑え目で成功したかんじがしました。
15年くらい前に観たので、記憶が曖昧ですが、そうだったかもしれませんね。
後半だけをロマ・コメ仕様にしたのが良かったのでしょう。