映画評「レーサー」
☆☆☆(6点/10点満点中)
1969年アメリカ映画 監督ジェームズ・ゴールドストーン
ネタバレあり
ポール・ニューマン追悼企画第2弾。
僕が前回(最初にして最後に)観た40年近く前、映画界は始まったばかりのニューシネマに湧き、カーアクション・ブームだった。正にその時代を象徴するような作品で、ニューマンが愛妻ジョアン・ウッドワードを妻役に、自らの副業でもあったカ―レーサーを演じているので、虚実が入り混じるような思いをしながら楽しく観たものである。
ストックカー・レースに優勝してご機嫌のニューマンが店の番をしていた離婚女性ジョアンを見染めて結婚、彼女の連れ子リチャード・トーマスとも打ち解けるものの、インディ500開催が迫った頃妻が同じチームのレーサー、ロバート・ワグナーとベッドインしているところを目撃して家を飛び出す。
そんな状態での予選では調子が上がるわけはないが、義理の息子から多大な信頼を寄せられ気持ちが盛り上がり予選最終日をトップで通過、平均スピードによる16番スタートから大逆転で優勝、ジョアンともやり直す気になる。
「栄光のル・マン」のようなレース映画の要素も十分あるが、眼目はレーサーをテーマにした人生模様で、必ずしも上出来ではないものの、ジョアンがレースでの勝利にしか興味のない夫に寂しさを募らせて不倫に走る心境を上手く演じているし、息子の反応もそれなりにきちんと描き出されている。
とは言え、一番の見どころは臨場感満点のドキュメンタリー・タッチのレース場面で、これはといった作品を残していないジェームズ・ゴールドストーンは時に現在のアクション映画に通ずる短いショットの畳み掛けを使いながらも、見せるべきどころはきっちり見せる。現在の作品が終始細切れでアクションを捉え切らず、観客を欲求不満に陥れるのとは大違いである。
1969年アメリカ映画 監督ジェームズ・ゴールドストーン
ネタバレあり
ポール・ニューマン追悼企画第2弾。
僕が前回(最初にして最後に)観た40年近く前、映画界は始まったばかりのニューシネマに湧き、カーアクション・ブームだった。正にその時代を象徴するような作品で、ニューマンが愛妻ジョアン・ウッドワードを妻役に、自らの副業でもあったカ―レーサーを演じているので、虚実が入り混じるような思いをしながら楽しく観たものである。
ストックカー・レースに優勝してご機嫌のニューマンが店の番をしていた離婚女性ジョアンを見染めて結婚、彼女の連れ子リチャード・トーマスとも打ち解けるものの、インディ500開催が迫った頃妻が同じチームのレーサー、ロバート・ワグナーとベッドインしているところを目撃して家を飛び出す。
そんな状態での予選では調子が上がるわけはないが、義理の息子から多大な信頼を寄せられ気持ちが盛り上がり予選最終日をトップで通過、平均スピードによる16番スタートから大逆転で優勝、ジョアンともやり直す気になる。
「栄光のル・マン」のようなレース映画の要素も十分あるが、眼目はレーサーをテーマにした人生模様で、必ずしも上出来ではないものの、ジョアンがレースでの勝利にしか興味のない夫に寂しさを募らせて不倫に走る心境を上手く演じているし、息子の反応もそれなりにきちんと描き出されている。
とは言え、一番の見どころは臨場感満点のドキュメンタリー・タッチのレース場面で、これはといった作品を残していないジェームズ・ゴールドストーンは時に現在のアクション映画に通ずる短いショットの畳み掛けを使いながらも、見せるべきどころはきっちり見せる。現在の作品が終始細切れでアクションを捉え切らず、観客を欲求不満に陥れるのとは大違いである。
この記事へのコメント
別にして(笑)、私、10代のミソラ
から一見して老成したような女優さんが
好きでしてジョラルディン・ペイジとか
V・レッドグレーブとか・・・本作の
J・ウッドワードなどもスクリーン観ながら
いわゆる美人ではないけれど
“観てて安心、大人の女だわ~”っと
憧れておりましたよし。(笑)
再見してみて、なんでこんなハスパッパな
ワグナーになびくかなぁ~わが身をお安く
委ねてしまう複雑な女心をジョアンさんは
巧みに演じておりましたね。♪
ところでこの年末にきてやっと本年度劇場
鑑賞部門ベストワン作品に出逢うことが
できました。
84歳シドニー・ルメット!
やりましたよ!
プロフェッサーの来年のお楽しみに
してくださいね。
ところで最近奇妙な「気持玉」。(笑)
ポチッとするとプロフェッサーに
「福」でも舞い込むとか?
試しにやってみよ。(^^)
ま、レース・シーンが目当てな殿方さんは
こんなメロドラマ的背景なんかは余計だと
おっしゃるんでしょうけれどね。(--)^^
>ジョアン
うんにゃ、よーく観るとジョアンさんは美人ですっ!(笑)
新米映画ファンだった頃、キャロル・リンリーと彼女に一目ぼれ。
多分TVで観た「パリが恋する時」だったと思います。この映画でこの夫婦は懇ろ(笑)になったんじゃなかったかな。
とにかく、ニューマンを羨ましく思ったわけです。
>メロドラマ的背景なんかは余計
「栄光のル・マン」なんかはそんなところですが、本作はどっちが軸ともいえないですわいな。まあカップル向けということだったんでしょう。
>ルメット
最近ちょっと手詰まり気味だったですが、遂に会心の当たりですか。
ルメットは好きな監督ですから嬉しいな。
その前に「評決」でも観ましょうか。
>気持玉
何だがよく解らない企画ですが、清き一票有難うございます。
最近ランク付けも始まりました。4位だそうで、張り切っております。
引き続きご声援お願い致します(選挙演説かい)。<(_ _)>