映画評「ティンカー・ベル」
☆☆★(5点/10点満点中)
2008年アメリカ映画 監督ブラッドリー・レイモンド
ネタバレあり
1904年にジェームズ・バリーが発表したお馴染み「ピーター・パン」の中のキャラクター、妖精ティンカー・ベルを主人公にしたディズニーCGアニメ。
人間界(メインランド)で赤ん坊が生まれると、お馴染みネバーランドでは妖精が生まれ、すぐにどんな才能があるか確認される。かくしてティンカー(修繕屋・もの作り)としての才能を認められたティンカー・ベルは修繕屋ではメインランドに行くことができないと知り、水や光の妖精の真似事をして尽く失敗、意地悪な妖精にそそのかされて厄介な“ハシリアザミ”なる妖精を捕まえようとした結果、人間界に春を届ける為に積み上げてきた準備を台無しにしてしまう。
が、関係する妖精たちががっかりする様子を見て得意なもの作りの技を生かして準備を促進する道具を発明、見事に汚名をそそぐ。しかも、直したオルゴールを届けに人間界に行くことが許される。
どう考えてもお子様向けだから文句は言いたくないが、自分の失敗を自分で取り返すという構成が、一種の成長物語として慌ただしく展開しすぎるが故に、近年のディズニー・アニメにありがちな説教臭さをもたらして余り有り難くない。他方、妖精が春をもたらすという発想は素直に楽しめる。
本作の評価についてはそれに尽きる。アメリカの世相を投影しているという某批評家の分析は深読みすぎるし、仮にそうだとしてもそれによって映画の価値が増すとは言い切れず、それより大人向きの要素を入れずに大人も見入ってしまうようなお話を生み出す方が難しいだけに余程価値がある。
CG映像は高密度で美しいものの、現在の水準を考えれば特筆するほどでもないだろう。
最後にウェンディ・ダーリングの家との関係が生まれる幕切れがあり、これを発端にさらに三本の続編が出来るとのこと。短いスパンならともかく、記憶があやしくなった頃の公開になると固定ファン以外にはかなり迷惑な話ということになる(毎年クリスマスの頃に上映されるらしい)。
子供向けは伸び伸び作るのが一番。
2008年アメリカ映画 監督ブラッドリー・レイモンド
ネタバレあり
1904年にジェームズ・バリーが発表したお馴染み「ピーター・パン」の中のキャラクター、妖精ティンカー・ベルを主人公にしたディズニーCGアニメ。
人間界(メインランド)で赤ん坊が生まれると、お馴染みネバーランドでは妖精が生まれ、すぐにどんな才能があるか確認される。かくしてティンカー(修繕屋・もの作り)としての才能を認められたティンカー・ベルは修繕屋ではメインランドに行くことができないと知り、水や光の妖精の真似事をして尽く失敗、意地悪な妖精にそそのかされて厄介な“ハシリアザミ”なる妖精を捕まえようとした結果、人間界に春を届ける為に積み上げてきた準備を台無しにしてしまう。
が、関係する妖精たちががっかりする様子を見て得意なもの作りの技を生かして準備を促進する道具を発明、見事に汚名をそそぐ。しかも、直したオルゴールを届けに人間界に行くことが許される。
どう考えてもお子様向けだから文句は言いたくないが、自分の失敗を自分で取り返すという構成が、一種の成長物語として慌ただしく展開しすぎるが故に、近年のディズニー・アニメにありがちな説教臭さをもたらして余り有り難くない。他方、妖精が春をもたらすという発想は素直に楽しめる。
本作の評価についてはそれに尽きる。アメリカの世相を投影しているという某批評家の分析は深読みすぎるし、仮にそうだとしてもそれによって映画の価値が増すとは言い切れず、それより大人向きの要素を入れずに大人も見入ってしまうようなお話を生み出す方が難しいだけに余程価値がある。
CG映像は高密度で美しいものの、現在の水準を考えれば特筆するほどでもないだろう。
最後にウェンディ・ダーリングの家との関係が生まれる幕切れがあり、これを発端にさらに三本の続編が出来るとのこと。短いスパンならともかく、記憶があやしくなった頃の公開になると固定ファン以外にはかなり迷惑な話ということになる(毎年クリスマスの頃に上映されるらしい)。
子供向けは伸び伸び作るのが一番。
この記事へのコメント