映画評「徳川家康」

☆☆☆(6点/10点満点中)
1965年日本映画 監督・伊藤大輔
ネタバレあり

東映の時代劇はスマートではないイメージがあって余り観ないが、ベテランの伊藤大輔が山岡荘八の同名の大長編小説をどのように映画化しているか興味を持って観ることにした。NHKの大河ドラマでさえ最後まで観続けたことがないし、日本史に関しては中学程度の知識しかないので、多少勉強になるやと思ったところもある。

駿河国の大勢力今川氏と関係の深い三河国刈谷の城主・水野忠正の娘於大(有馬稲子)が同国岡崎の城主・松平広忠(田村高広)に嫁ぎ、嫡男竹千代(後の徳川家康)を生んだものの、忠正の後を継いだ兄・信元が尾張国の新興勢力織田氏と同盟を結んだ関係から離縁される。
 その後竹千代は今川の人質にされるべく駿河へ護送される途中で織田氏に奪われ、この時に信長(中村錦之助)と知り合う。人質交換で駿河に送られた竹千代は元服して元信(北大路欣也)になり、有名な桶狭間の戦いで今川義元(西村晃)が織田軍に討たれた後、その首を受けて今川氏に恩を返すと共に信長と友好関係を築く。

膨大な「徳川家康」全26巻のうち僅かに3巻くらいまでをカバーしているにすぎないが、それでも相当端折った印象があり、映像で描いていては埒の明かない部分はナレーションで説明、見せ場となるべき箇所をじっくり描くという手法を取っている。その図式が余りにはっきりしているので、ぶつ切り的な印象を免れない部分もある。

最後の桶狭間の戦いを除くと今川氏と織田氏の間で翻弄される松平家と家康の悲劇性を前面に押し出した作劇だから、家康の母への複雑な思いと、家臣の主君への強い思いに溢れた涙だけで構成されていると言っても過言ではないほど愁嘆場が連続する。その意味で、半世紀近い前の作品とは言え、さすがに古風な印象。伊藤監督の場面ごとの演出は大変力強く、その辺りが見どころになる。

初心者は 地名と人名 混同し

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