映画評「ラーメンガール」
☆☆★(5点/10点満点中)
2008年アメリカ=日本映画 監督ロバート・アラン・アッカーマン
ネタバレあり
このタイミングで観ると、図らずも昨年末に32の若さで急死したブリタニー・マーフィーの追悼鑑賞となる。いずれにしてもこんな元気なお嬢さんが亡くなってしまうとは・・・。
恋人を追いかけて日本にやって来た大卒のお嬢さんブリタニーがその恋人に振られ、部屋から見えるラーメン屋を訪れ、出してもらったラーメンにより俄然元気が湧いたので、粘りに粘ってラーメン作りの弟子にして貰い、頑固おやじの西田敏行に虐待されてもめげずに、何とか免許皆伝と相なる。
というお話で、その間に日本の若者パク・ソヒとの恋模様を挟んでいるが、出来映えは極めて水準的。日本に来たばかりのお嬢さんが初めて知ったラーメンを作りたいと思う心情が一向に解りません。店主のラーメンを食べると何故か幸せな気分になるというのが直接の理由であるように描かれているが、いくらファンタジー&コメディー的な扱いとは言え、我々の常識から言えば変だ。
西田の師匠に当たる山崎努の合否判定を巡る短からぬシークェンスも思わせぶりなだけで展開上大した意味がない。恐らく伊丹十三の「タンポポ」へのオマージュなのだろうが、それならもう少し切れ味よく処理してもらいたい。
「コミュニケーション(の問題)は言葉だけにあらず」という隠れテーマも、ソフィア・コッポラの「ロスト・イン・トランスレーション」ほど鮮烈に扱われているわけでもない。
しかし、同じように水準的な出来映えなら、観て不愉快にされる映画よりはずっと良いわけで、日本人が誤解されるのではないかと思われるほど猛烈な西田親父の虐待に耐えるヒロインを何とか応援してやる気になる程度には出来ている。
合掌。
「ロスト・イン・ラーメン(ラーメンに夢中)」でした。
2008年アメリカ=日本映画 監督ロバート・アラン・アッカーマン
ネタバレあり
このタイミングで観ると、図らずも昨年末に32の若さで急死したブリタニー・マーフィーの追悼鑑賞となる。いずれにしてもこんな元気なお嬢さんが亡くなってしまうとは・・・。
恋人を追いかけて日本にやって来た大卒のお嬢さんブリタニーがその恋人に振られ、部屋から見えるラーメン屋を訪れ、出してもらったラーメンにより俄然元気が湧いたので、粘りに粘ってラーメン作りの弟子にして貰い、頑固おやじの西田敏行に虐待されてもめげずに、何とか免許皆伝と相なる。
というお話で、その間に日本の若者パク・ソヒとの恋模様を挟んでいるが、出来映えは極めて水準的。日本に来たばかりのお嬢さんが初めて知ったラーメンを作りたいと思う心情が一向に解りません。店主のラーメンを食べると何故か幸せな気分になるというのが直接の理由であるように描かれているが、いくらファンタジー&コメディー的な扱いとは言え、我々の常識から言えば変だ。
西田の師匠に当たる山崎努の合否判定を巡る短からぬシークェンスも思わせぶりなだけで展開上大した意味がない。恐らく伊丹十三の「タンポポ」へのオマージュなのだろうが、それならもう少し切れ味よく処理してもらいたい。
「コミュニケーション(の問題)は言葉だけにあらず」という隠れテーマも、ソフィア・コッポラの「ロスト・イン・トランスレーション」ほど鮮烈に扱われているわけでもない。
しかし、同じように水準的な出来映えなら、観て不愉快にされる映画よりはずっと良いわけで、日本人が誤解されるのではないかと思われるほど猛烈な西田親父の虐待に耐えるヒロインを何とか応援してやる気になる程度には出来ている。
合掌。
「ロスト・イン・ラーメン(ラーメンに夢中)」でした。
この記事へのコメント
私は追悼気分いっぱいで見ました。
個人の事情を多少織り交ぜて、ラーメン修業する外国人、という以上のものでもないのですが、かわいいから良し、みたいなことで。私の評価は甘いですね~。
その後の調査では、やはり薬物が絡んでいたようですね。
精神科医と薬に頼りすぎですよ、アメリカの連中は。
>私の評価は甘いですね~
本作に関しては細かい点をつらつらと挙げるようなタイプの作品でもないかなと思いましたが、結局色々書いてしまいましたね。^^
だから、文章が与えるイメージほどは否定的な印象を受けた作品でもないんですよ。