映画評「プライド」
☆☆★(5点/10点満点中)
2008年日本映画 監督・金子修介
ネタバレあり
僕のコミック経験は非常に薄いが、40年ほど前に姉の「りぼん」「なかよし」をこっそり読んでいた時代があり、その中でも一条ゆかりは読み応えがある作者として記憶に残っている。しかし、本作の原作となった同名コミックは近年の作品だから、当然全く知らない。
オペラ歌手を目指す大金持ちの娘ステファニーと貧乏家庭の娘・満島ひかりのライバル物語。
ステファニー嬢は父親が破産した上になけなしの200万円を奪われた為に苦学生に転落、海外留学の為にコンクールに出場することになるが、裏表を使い分けるひかり嬢が汚い手を使って彼女を動揺させ、優勝を浚って留学を決める。
さらなる苦境に追い込まれたステファニーと留学までの費用を稼ぐ必要に迫られたひかり嬢が音大生・渡辺大の母親・高島礼子の経営する高級クラブで、方や歌手として方やホステスとしてまたまたバッティング、音楽会社御曹司の及川光博を巡っても争う。
実際にはもう少し複雑な経緯があるが、ざっと要約するとこんなお話で、TVの帯ドラマならともかく映画としては実に大時代的で大げさな感が強く、「愛染かつら」の時代に戻ったような錯覚を起させる。新しければ何でも良いというものではないけれども、さすがに苦笑が洩れた。アリアをもう少し聴きたかったという思いもある。
プライドを捨てられない女性とプライドを捨てた女性二人の対照に面白味があるものの、デビュー作という歌手ステファニーは歌が上手いが表情は硬くてニュアンスが出せず、その面白味を生かすことができていない。長身でニューハーフっぽい感じがするという意味でも疑問の残るキャスティング。対して、相手役の満島嬢は迫力あり。
畑違いと思われた監督の金子修介はきちんと演出している。
一条さゆりと間違えるとちと恥ずかしい。
2008年日本映画 監督・金子修介
ネタバレあり
僕のコミック経験は非常に薄いが、40年ほど前に姉の「りぼん」「なかよし」をこっそり読んでいた時代があり、その中でも一条ゆかりは読み応えがある作者として記憶に残っている。しかし、本作の原作となった同名コミックは近年の作品だから、当然全く知らない。
オペラ歌手を目指す大金持ちの娘ステファニーと貧乏家庭の娘・満島ひかりのライバル物語。
ステファニー嬢は父親が破産した上になけなしの200万円を奪われた為に苦学生に転落、海外留学の為にコンクールに出場することになるが、裏表を使い分けるひかり嬢が汚い手を使って彼女を動揺させ、優勝を浚って留学を決める。
さらなる苦境に追い込まれたステファニーと留学までの費用を稼ぐ必要に迫られたひかり嬢が音大生・渡辺大の母親・高島礼子の経営する高級クラブで、方や歌手として方やホステスとしてまたまたバッティング、音楽会社御曹司の及川光博を巡っても争う。
実際にはもう少し複雑な経緯があるが、ざっと要約するとこんなお話で、TVの帯ドラマならともかく映画としては実に大時代的で大げさな感が強く、「愛染かつら」の時代に戻ったような錯覚を起させる。新しければ何でも良いというものではないけれども、さすがに苦笑が洩れた。アリアをもう少し聴きたかったという思いもある。
プライドを捨てられない女性とプライドを捨てた女性二人の対照に面白味があるものの、デビュー作という歌手ステファニーは歌が上手いが表情は硬くてニュアンスが出せず、その面白味を生かすことができていない。長身でニューハーフっぽい感じがするという意味でも疑問の残るキャスティング。対して、相手役の満島嬢は迫力あり。
畑違いと思われた監督の金子修介はきちんと演出している。
一条さゆりと間違えるとちと恥ずかしい。
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