映画評「007/ダイヤモンドは永遠に」
☆☆☆(6点/10点満点中)
1971年イギリス映画 監督ガイ・ハミルトン
ネタバレあり
ショーン・コネリーの007が見収めになったシリーズ第7作。その後別系列で「サンダーボール作戦」のリメイク「ネバー・セイ・ネバー・アゲイン」が作られたが、あれは勿論シリーズにはカウントされない。
世界各地からダイヤモンドが密輸され、運び屋が次々と抹殺される事件が発生。詳細は解らないが世界的陰謀に違いないということで調査に乗り出した我らがジェームズ・ボンドがオランダで密売業者になり済まして運び屋の美女ジル・セント・ジョンと接触、その時殺害した密売業者の死体と共に渡米し、密輸団の動向を探るうちに浮かび上がったホワイトなる企業家が持つナイトクラブの最上階に忍び込むと、ホワイトの代りに仇敵ブロフェルド(チャールズ・グレイ)がおわします(笑)。
序盤のうちに殺したはずのブロフェルドがまたまた登場、しかも二人いる。事前に説明されているように整形で影武者を立てていたわけで、蹴り上げた愛猫が向った方を撃って仕留めたと思ったら猫もコピーと判明してがっかり、という一幕がちょっと面白い。
やがてボンドはブロフェルドの目的がダイヤモンドを集めて作り上げた人工衛星から特殊レーザー光線を発射して各国の要衝を攻撃、世界を我が物にすることと突き止め、海上基地で大乱闘を繰り広げる。
第3作「ゴールドフィンガー」では珍しく上首尾だった凡監ガイ・ハミルトンがいよいよ実力を発揮(笑)、誠にルーズな展開で、前作から始まったシリーズの凋落ぶりがいよいよ顕著になってくる。にも拘らずハミルトンが続く二作も続投したのは不思議でござる。
大体このシリーズは終盤のクライマックスが意外と面白くないものが多く、本作の海上基地のアクションも安手で今一つ盛り上がらない。
「ブリット」(1968年)に始まるカーチェース全盛時代だからカー・アクションの扱いがそれまでと違ってアストン・マーティンでないということもあるが装備で見せず、双方の動きを一緒に捉えるロングショットが目立つ。ただ、片輪走行の見せ場があるものの、ハミルトンのカット割りに「ブリット」のような創意工夫が足りず平板な印象に終始している。
他に月面車などのアクションもあるが凡庸。但し、月面車を追う三輪バギー(上画像)が昔オートバイ雑誌で観て憧れたホンダの輸出専門製品なので懐かしくなった。
冷淡な殺し屋二人組がホモなのもニューシネマ時代らしいアイデアで、神出鬼没でなかなか面白いが、ボンドに対しては余り強くないのはご愛嬌。
ボンド・ガールズはジル・セント・ジョンを筆頭に、ナタリー・ウッドの妹ラナ・ウッド、他武道の達人二名。
「ルパン3世」のレギュラー番組で本作のパロディーがあったような記憶がありますが?
1971年イギリス映画 監督ガイ・ハミルトン
ネタバレあり
ショーン・コネリーの007が見収めになったシリーズ第7作。その後別系列で「サンダーボール作戦」のリメイク「ネバー・セイ・ネバー・アゲイン」が作られたが、あれは勿論シリーズにはカウントされない。
世界各地からダイヤモンドが密輸され、運び屋が次々と抹殺される事件が発生。詳細は解らないが世界的陰謀に違いないということで調査に乗り出した我らがジェームズ・ボンドがオランダで密売業者になり済まして運び屋の美女ジル・セント・ジョンと接触、その時殺害した密売業者の死体と共に渡米し、密輸団の動向を探るうちに浮かび上がったホワイトなる企業家が持つナイトクラブの最上階に忍び込むと、ホワイトの代りに仇敵ブロフェルド(チャールズ・グレイ)がおわします(笑)。
序盤のうちに殺したはずのブロフェルドがまたまた登場、しかも二人いる。事前に説明されているように整形で影武者を立てていたわけで、蹴り上げた愛猫が向った方を撃って仕留めたと思ったら猫もコピーと判明してがっかり、という一幕がちょっと面白い。
やがてボンドはブロフェルドの目的がダイヤモンドを集めて作り上げた人工衛星から特殊レーザー光線を発射して各国の要衝を攻撃、世界を我が物にすることと突き止め、海上基地で大乱闘を繰り広げる。
第3作「ゴールドフィンガー」では珍しく上首尾だった凡監ガイ・ハミルトンがいよいよ実力を発揮(笑)、誠にルーズな展開で、前作から始まったシリーズの凋落ぶりがいよいよ顕著になってくる。にも拘らずハミルトンが続く二作も続投したのは不思議でござる。
大体このシリーズは終盤のクライマックスが意外と面白くないものが多く、本作の海上基地のアクションも安手で今一つ盛り上がらない。
「ブリット」(1968年)に始まるカーチェース全盛時代だからカー・アクションの扱いがそれまでと違ってアストン・マーティンでないということもあるが装備で見せず、双方の動きを一緒に捉えるロングショットが目立つ。ただ、片輪走行の見せ場があるものの、ハミルトンのカット割りに「ブリット」のような創意工夫が足りず平板な印象に終始している。
他に月面車などのアクションもあるが凡庸。但し、月面車を追う三輪バギー(上画像)が昔オートバイ雑誌で観て憧れたホンダの輸出専門製品なので懐かしくなった。
冷淡な殺し屋二人組がホモなのもニューシネマ時代らしいアイデアで、神出鬼没でなかなか面白いが、ボンドに対しては余り強くないのはご愛嬌。
ボンド・ガールズはジル・セント・ジョンを筆頭に、ナタリー・ウッドの妹ラナ・ウッド、他武道の達人二名。
「ルパン3世」のレギュラー番組で本作のパロディーがあったような記憶がありますが?
この記事へのコメント
確かにルーズで、ギャグかと思えるような部分が多かったです。
でも、まあ嫌いじゃないなと思えました。
ジル・セント・ジョンは、なんだかドジなところが可愛いですし。
ロジャー・ムーアの第一作「死ぬのは奴らだ」もギャグみたいな扱いが多かったです。
ガイ・ハミルトンかと思いましたが、調べましたらどちらの作品もトム・マンキーウィッツという人が脚本を書いていますので、この人の趣味と考えるのが正解みたい。
さて、この「ダイヤモンドは永遠に」。傑作だとは言い難いのですが、僕が昔から好きな作品です。前作「女王陛下の007」の悲壮な終わり方に対して、こちらはコミカルな部分もあるからでしょうか?
>争いではないですが、引き抜かれた模様です。
有能な人材なのでしょうね。
>僕の主張する10月開催をトライして欲しかったなあ。
残念としか言いようがありません。
>「捜索者」を見ました。若干10歳のラナ・ウッドが出ていました。
>そしてその少女が5年後に成長した娘の役がナタリー・ウッドでした。
ナタリー・ウッドは憶えていますが、妹も出ていましたか。
忘れたなあ(笑)
>傑作だとは言い難いのですが、僕が昔から好きな作品です。
007はやはり多少コミカルなのが良いと思います。作品の良し悪しは勿論きちんと見ますが、ロジャー・ムーアまでの007が楽しくて良いですね。
>運び屋の美女ジル・セント・ジョン
ちょっと抜けたところがあるボンドガール。でもそれがこの作品をコミカルにしています。
ボンドがエレベーターで大男と格闘!倒した相手の懐にジェームズ・ボンドの身分証明書を入れる。そしてジル・セント・ジョンが「あなた、大変な相手ジェームズ・ボンドを殺したのよ!」と言う場面は大笑いしました!
>ロジャー・ムーアまでの007が楽しくて良いですね。
1970年代と1980年代前半。ロジャー・ムーアのおかげで乗り切りました。
>ちょっと抜けたところがあるボンドガール。
シリーズ初めてのコミカルなボンドガールだったでしょうね。これに次ぐと言うか、続くのが、ロジャー・ボンド「黄金中を持つ男」のブリット・エクランドでしょう。
>ロジャー・ムーアのおかげで乗り切りました。
当初は余り良くないと思ったのですが、次第に良くなってきました(個人の感想です・・・笑)
僕のシリーズ再鑑賞の旅?もムーア氏で止まっておるのですが、重い腰を上げてティモシー・ボンドに挑戦しますか(笑)
実は、スパイのマスクとしては、次のピアース・ブロスナンは良いと思っているのですよ。作品は弱かったのか、全く憶えていませんけど(笑)。
>続くのが、ロジャー・ボンド「黄金中を持つ男」のブリット・エクランドでしょう。
そうです。そのあたりが僕が「ダイヤモンドは永遠に」と「黄金銃を持つ男」を好む理由です。
>次のピアース・ブロスナンは良いと思っているのですよ。
女性に対しては最弱のボンドと言われています(笑)。でも、1990年代後半~2000年代前半には合っています。
>重い腰を上げてティモシー・ボンドに挑戦しますか(笑)
「リビングデイライツ」のオープニング。掴みはOK!って感じです。
>女性に対しては最弱のボンドと言われています(笑)
そうですか。
弱いというのも色々意味がありますが(笑)
>「リビングデイライツ」のオープニング。掴みはOK!って感じです。
一回観てはいるんですがね、何の記憶もありません^^;
https://www.youtube.com/watch?v=Iuh2L-_yf3M
右側が下なのに、なんで左側が下になるの?いくらジェームズ・ボンドでも不可能な運転テクニックです(苦笑)。
>一回観てはいるんですがね、何の記憶もありません^^;
6分54秒あたりの鉄棒(?)の前回り。ロジャー・ムーアでは無理かも?
https://www.youtube.com/watch?v=FWrecLbn4KE
>大阪で新たに760人の感染確認
名古屋も危ないかも知れません・・・。
>右側が下なのに、なんで左側が下になるの?
スクリプター(昔はスクリプト・ガールなんて言っていましたが)のミスですにゃん。
>6分54秒あたりの鉄棒(?)の前回り。ロジャー・ムーアでは無理かも?
ショック!
去年の4月21日に、重い腰を上げて観たのを、UPしていました。さすがに1年では映像を憶えておりました(恥)
年は取りたくないもの^^;
>名古屋も危ないかも知れません・・・。
ふーむ。
ワクチンは積極的に接種したいと思っていましたが、最近、ニュースで変な報道ばかりするものだから、ワクチン接種が怖くなってきました。
100万に1人の確率とは言え血栓で死亡者が出ているアストラゼネカより、明確な死亡事故のないファイザーを希望しちゃいますなあ。ジョンソン&ジョンソンのものも血栓ができるとか。うーむ。
僕は、CTの造影剤でアレルギー反応を起こしますので、アナフィラキシー・ショックを起こすかも知れませんが。近くに医師がいる限り死にはしないでしょう。
情報を隠すのは良くないのだけれど、僕のようなビビりにはこういうのは知らない方が良いかもしれないです。