映画評「菩提樹」
☆☆☆(6点/10点満点中)
1956年西ドイツ映画 監督ヴォルフガング・リーベンアイナー
ネタバレあり
「サウンド・オブ・ミュージック」の元ネタ、即ち、マリア・フォン・トラップの自伝から作られた本場のファミリー映画である。
お転婆な修道女マリア(ルート・ロイヴェリック)が寡夫トラップ男爵(ハンス・ホルト)の7人の子供の家庭教師になり、子供たちを上手くあしらったことから規律重視の男爵にも見染められて結婚する。
という前半は「サウンド・オブ・ミュージック」とほぼ同じお話で、結婚を巡るシークェンスは苦笑が洩れるくらい展開が早い。
二人の結婚の後全現金を預けた銀行が倒産した為にマリアの発案で屋敷をホテルに変えてやりくりするという中盤は違うが、トラップ・ファミリーが合唱団として活躍した後アメリカへ亡命する後半のお話は基幹部分では同じ。
後半では、音楽会を利用してナチスの魔の手から脱出するかの名作の秀逸アイデアはないものの、何気ない扱いながら主人を思う執事の行動がなかなかじーんとさせます。
アメリカに渡って移民局での騒動は型通り。しかし、そこから繋がる幕切れへの省略は泥臭さを極めていた当時の西ドイツ映画としてはハリウッドばりで「おやっ」と目を見張らせる。かつて映画先進国だった面影を見出せると言ったら大げさかな。
全体としてはやはり垢抜けないものの、爽やかに作られているのが良い。
続編は録画するのを忘れてしまった。すみません。
1956年西ドイツ映画 監督ヴォルフガング・リーベンアイナー
ネタバレあり
「サウンド・オブ・ミュージック」の元ネタ、即ち、マリア・フォン・トラップの自伝から作られた本場のファミリー映画である。
お転婆な修道女マリア(ルート・ロイヴェリック)が寡夫トラップ男爵(ハンス・ホルト)の7人の子供の家庭教師になり、子供たちを上手くあしらったことから規律重視の男爵にも見染められて結婚する。
という前半は「サウンド・オブ・ミュージック」とほぼ同じお話で、結婚を巡るシークェンスは苦笑が洩れるくらい展開が早い。
二人の結婚の後全現金を預けた銀行が倒産した為にマリアの発案で屋敷をホテルに変えてやりくりするという中盤は違うが、トラップ・ファミリーが合唱団として活躍した後アメリカへ亡命する後半のお話は基幹部分では同じ。
後半では、音楽会を利用してナチスの魔の手から脱出するかの名作の秀逸アイデアはないものの、何気ない扱いながら主人を思う執事の行動がなかなかじーんとさせます。
アメリカに渡って移民局での騒動は型通り。しかし、そこから繋がる幕切れへの省略は泥臭さを極めていた当時の西ドイツ映画としてはハリウッドばりで「おやっ」と目を見張らせる。かつて映画先進国だった面影を見出せると言ったら大げさかな。
全体としてはやはり垢抜けないものの、爽やかに作られているのが良い。
続編は録画するのを忘れてしまった。すみません。
この記事へのコメント
私も続編は録画しなかったんですが、あちらの方がまだ観れる映画だったような・・。
>結婚を巡るシークェンスは苦笑が洩れるくらい展開が早い。
ハハッ。私は殆どのシーンに“まるで連続TVドラマのダイジェスト版を観ているような”との印象を持ちましたです。
>録画
最近昼間は病院通いで家にいないことが多いので録画しないと観られない、ということなんです。
とりあえず「サウンド・オブ・ミュージック」と同じスパンの部分だけでも良いとは思っていましたが、十瑠さんは続編の良いというご判断ですので、うーむ失敗したかいな?
>“まるで連続TVドラマのダイジェスト版を観ているような”
いや、最初は「特に」という文言があったのですが、コンテクストに馴染まないので省いたという経緯があります。
展開が早いという誉め言葉のようですが、拙速という言葉もあるように余情もなにもない早さは困っちまいますね。
まあ、僕は扱いがさりげないところが気に入って☆を多目にしました。