映画評「そんな彼なら捨てちゃえば?」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2009年アメリカ映画 監督ケン・クワピス
ネタバレあり
形としては9人の男女が交錯する恋愛劇だが、実際には理想の相手を求めてデートを繰り返すジニファー・グッドウィンが恋愛指南をする酒場オーナーのジャスティン・ロングと紆余曲折を経て結ばれるまでを描くラヴ・ロマンスで、彼らに注目すれば先日観た「男と女の不都合な真実」とほぼ同じ構図である。しかし、こちらの方が我々の生活実感に近い為に共感を呼びやすく、多面的である為に恋愛風俗劇としても勝る。
残りの七人は、ジニファーの同僚で夫ブラッドリー・クーパーとの仮面夫婦的な婚姻関係が破綻しかかっているジェニファー・コネリー、同じく同僚で7年も同棲しているのに結婚なんて形式だと突っぱねる恋人ベン・アフレックに堪忍袋の緒を切るジェニファー・アニストン、クーパーが浮気をしてしまうヨガ・インストラクラーのスカーレット・ヨハンスン、ジニファーがロングと知り合うきっかけとなった不動産業ケヴィン・コノリー、彼の宣伝にアイデアを出した新聞社勤めのドリュー・バリモアという面々。
何らかの形で結び付いている7名であるが、その結び付け方は作劇的に自然で好感が持て、また、苦悩及び苦闘する両ジェニファーは言わばジニファーの未来を示すような配置で、なかなか気の利いた作劇となっている。
全体としては女性の井戸端恋愛会議のような構成、その点で「セックス・アンド・ザ・シティ」にも近いが、日々の生活に悪戦苦闘している庶民には本作の方が面白いだろう。
長い二軍生活の後「旅するジーンズと16歳の夏」で一軍の先発投手として好投したものの、次の「ライセンス・トゥ・ウェディング」で敗戦処理の中継ぎ投手に戻ってしまった感のあるケン・クワピス監督としては善戦の部類で、ロング・リリーフが大成功でチームが逆転してくれて勝ち星を拾ったといった印象を残す。
ジニファー、ジェニファー、ジェニファー、コノリー、コネリーと事実上同じ名前が躍って誠にややこしい。僕の喩えもややこしかったですね。^^;
2009年アメリカ映画 監督ケン・クワピス
ネタバレあり
形としては9人の男女が交錯する恋愛劇だが、実際には理想の相手を求めてデートを繰り返すジニファー・グッドウィンが恋愛指南をする酒場オーナーのジャスティン・ロングと紆余曲折を経て結ばれるまでを描くラヴ・ロマンスで、彼らに注目すれば先日観た「男と女の不都合な真実」とほぼ同じ構図である。しかし、こちらの方が我々の生活実感に近い為に共感を呼びやすく、多面的である為に恋愛風俗劇としても勝る。
残りの七人は、ジニファーの同僚で夫ブラッドリー・クーパーとの仮面夫婦的な婚姻関係が破綻しかかっているジェニファー・コネリー、同じく同僚で7年も同棲しているのに結婚なんて形式だと突っぱねる恋人ベン・アフレックに堪忍袋の緒を切るジェニファー・アニストン、クーパーが浮気をしてしまうヨガ・インストラクラーのスカーレット・ヨハンスン、ジニファーがロングと知り合うきっかけとなった不動産業ケヴィン・コノリー、彼の宣伝にアイデアを出した新聞社勤めのドリュー・バリモアという面々。
何らかの形で結び付いている7名であるが、その結び付け方は作劇的に自然で好感が持て、また、苦悩及び苦闘する両ジェニファーは言わばジニファーの未来を示すような配置で、なかなか気の利いた作劇となっている。
全体としては女性の井戸端恋愛会議のような構成、その点で「セックス・アンド・ザ・シティ」にも近いが、日々の生活に悪戦苦闘している庶民には本作の方が面白いだろう。
長い二軍生活の後「旅するジーンズと16歳の夏」で一軍の先発投手として好投したものの、次の「ライセンス・トゥ・ウェディング」で敗戦処理の中継ぎ投手に戻ってしまった感のあるケン・クワピス監督としては善戦の部類で、ロング・リリーフが大成功でチームが逆転してくれて勝ち星を拾ったといった印象を残す。
ジニファー、ジェニファー、ジェニファー、コノリー、コネリーと事実上同じ名前が躍って誠にややこしい。僕の喩えもややこしかったですね。^^;
この記事へのコメント
そちらにコメント残そうとのこのこ出かけましたが、「同じ投稿があります」とか出てしまい、コメントが残せませんでした。普段の行いが悪いせいかなあ。
とりあえずご報告まで。
あらら、フツーにこちらにコメントをしにお邪魔してみましたら、そんなことが起きていたなんて・・・ご面倒お掛けしてすみません!!
>コメント残そうとのこのこ出かけましたが、「同じ投稿があります」とか出てしまい
あ、それ、私自身もなったことあるんですよ!
コメント頂いた方に返信を書いて、パスワードを入れて投稿しようとしたら「同じ投稿があります」とか何度も出てしまって。
いろいろ調べたんですが原因不明で・・・
ただ、解決方法として、一回、IEの履歴やクッキーを全部消去してPCをまっさらな状態にして立上げ直すと、大丈夫みたいなので、お時間ありましたらお試し頂けますか?またダメだったら教えて下さいませ!!
本題ですが・・・この作品はそこそこ楽しめたのですが、でも”フツー”な印象でした!
どうも私は大人の「愛」を描いた作品には惹かれますが、いいオトナ達が「恋恋恋~っ」みたいな作品は苦手なのかもしれません。
伊映画や仏映画によく見られる大人の「小粋な恋」みたいな物語は刺さるんですが。だからクラシック映画好きなのかもしれませんね 笑
アドヴァイス有難うございました。
しかし、それを試みるまでもなく今日は無事に入りましたヨ。
尤もある文言が理由でスパム・コメント扱いになって一度はじかれてしまいましたが。
>いいオトナ達が「恋恋恋~っ」みたいな
あははは、余りに言い得ているので、可笑しいです。^^
最近のハリウッド映画はその渇望を余りに露骨に描き過ぎて、どうも身も蓋もないような気がしますね。
特に「男と女の不都合な真実」なんか趣味が悪くてうんざり。下品になりすぎていないという評価が目立ちましたが、オブラートにくるんでいるのが僕には却って厭らしく感じられちゃったな。
早速、「恋モノ」映画についてのコメントの続きを・・・
そうなんですよ、最近のハリウッド映画は、露骨な表現の「恋モノ」が多くて、ほんと身も蓋も無さ過ぎなんですよね!
同じ米国映画でも、ヘプバーンが主演したような作品は、可愛らしい「恋モノ」が多くて良かったのに。
「おしゃれ泥棒」「昼下りの情事」あたりは大好きです☆
あと、「イタリア式、恋愛マニュアル」や、その元ネタっぽいマストロヤンニが主演していたイタリア映画シリーズとか。
やっぱり「恋モノ」はウィットに飛んだ軽妙な作品に限ります!
>米国映画
米国は意外と保守的で、戦前から女性の裸体が溢れていた欧州映画と違い、一般映画の女性のバストが解禁されたのはニューシネマ直前ですからね(多分^^;)。
で、ヘイズ・コードという規則で言葉もかなり制約されていたので、ニューシネマ以前は仕方なくロマンティックな映画にならざるを得なかったという事情もあるのですが、それはそれとしておいて、僕もオードリー全盛時代のロマンティック・コメディーやラヴ・コメディーが好きだなあ。
制限や制約があった方が良い映画ができるというのは持論で、例えば、描写の制約を取っ払った(かのように見える)CGはパンドラの箱みたいなもので、却って映画をつまらなくしました。
アメリカ映画はロマ・コメ(異常シチュエーション)が得意で、イタリア映画はラヴ・コメ(常態)が得意でしたね。
いずれにしても60年代前半くらいまでの恋愛コメディーは仰る通りウィットに富み、軽妙な作品が多かった。寂しいことに現在の作品が観られなくなっても僕はまず困りませんです。