映画評「曲がれ!スプーン」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2009年日本映画 監督・本広克行
ネタバレあり
僕が小学生から中学生にかけて超常現象が大人気だった。ユリ・ゲラーがTVを通して日本全国のスプーンを曲げてみせようとした時僕はこっそりスプーンを腕力で曲げるズルをやりわが家にセンセーションを起した。ずっと使っていなかった自動巻腕時計を振って動かしたのも僕の犯行だが、その腕時計が誰も触れないのにも拘らずその後1カ月以上も動き続けたのは未だに謎である。
個人的なお話はこれくらいにして、本作は本広克行監督が、好評だった「サマータイムマシン・ブルース」の夢をもう一度ということで、再び“ヨーロッパ企画”(上田誠)の舞台「冬のユリゲラー」を映画化したコミカル・ファンタジー。
クリスマス・イブ、【カフェ・ド・念力】という喫茶店に普段は能力をひた隠しにしている4人の超能力者が集まる。物体を動かす能力サイコキネシスを操る諏訪雅、サイコキネシスの電気版エレキネシスを操る川島潤哉、透視能力のある中川晴樹、テレパシーが使える辻修である。
やがて物凄い超能力者が訪れると店長・志賀廣太郎から聞かされた彼らは店長がいない間に入って来た岩井秀人をその人物と勘違いして超能力を披露してしまうが、単なるびっくり人間と判明した為に正体をばらされたらいかんと工作を開始。しかし、そこへ三宅弘城がテレポーテーションを使って突然現われた為に益々具合の悪い事になり、しかも今度は岩井青年と約束をしていた超能力番組のAD長澤まさみが入って来る。
彼女に関しては逆に発覚する前に早く去って貰わないといけないが、中川が彼女の名刺入れに毒蜘蛛が入っていると透視した為に逆に引き留め工作を始める羽目になる。
優れたシチュエーション・コメディーには大概嘘か勘違いが絡むわけだが、本作では人物を間違えるという誤解と正体を隠すという一種の嘘が連続的な笑いを構成してなかなか好調、不完全な為に余り有効には使えない超能力ぶりも笑いの呼び水になって「サマータイムマシン・ブルース」とまでは行かないにしても可笑しさが暫く続く。
しかし締め方が宜しくない。超常現象への信仰を未だに捨てられないまさみ嬢が彼らが超能力者であることを察知して辻のテレパシーを逆に利用して去って行くというところですっきり終わってくれたらゲラゲラ笑わせた後に夢を持つ楽しさに良い気分になって終わることが出来たはずなのに、その後かなり長く夢を見ることの素晴らしさを強調する場面が続く。後味を損なうという程ではないものの、どうも間延びした印象になり減点せざるを得なくなった。
夢を半分くらい持てましたよ。
2009年日本映画 監督・本広克行
ネタバレあり
僕が小学生から中学生にかけて超常現象が大人気だった。ユリ・ゲラーがTVを通して日本全国のスプーンを曲げてみせようとした時僕はこっそりスプーンを腕力で曲げるズルをやりわが家にセンセーションを起した。ずっと使っていなかった自動巻腕時計を振って動かしたのも僕の犯行だが、その腕時計が誰も触れないのにも拘らずその後1カ月以上も動き続けたのは未だに謎である。
個人的なお話はこれくらいにして、本作は本広克行監督が、好評だった「サマータイムマシン・ブルース」の夢をもう一度ということで、再び“ヨーロッパ企画”(上田誠)の舞台「冬のユリゲラー」を映画化したコミカル・ファンタジー。
クリスマス・イブ、【カフェ・ド・念力】という喫茶店に普段は能力をひた隠しにしている4人の超能力者が集まる。物体を動かす能力サイコキネシスを操る諏訪雅、サイコキネシスの電気版エレキネシスを操る川島潤哉、透視能力のある中川晴樹、テレパシーが使える辻修である。
やがて物凄い超能力者が訪れると店長・志賀廣太郎から聞かされた彼らは店長がいない間に入って来た岩井秀人をその人物と勘違いして超能力を披露してしまうが、単なるびっくり人間と判明した為に正体をばらされたらいかんと工作を開始。しかし、そこへ三宅弘城がテレポーテーションを使って突然現われた為に益々具合の悪い事になり、しかも今度は岩井青年と約束をしていた超能力番組のAD長澤まさみが入って来る。
彼女に関しては逆に発覚する前に早く去って貰わないといけないが、中川が彼女の名刺入れに毒蜘蛛が入っていると透視した為に逆に引き留め工作を始める羽目になる。
優れたシチュエーション・コメディーには大概嘘か勘違いが絡むわけだが、本作では人物を間違えるという誤解と正体を隠すという一種の嘘が連続的な笑いを構成してなかなか好調、不完全な為に余り有効には使えない超能力ぶりも笑いの呼び水になって「サマータイムマシン・ブルース」とまでは行かないにしても可笑しさが暫く続く。
しかし締め方が宜しくない。超常現象への信仰を未だに捨てられないまさみ嬢が彼らが超能力者であることを察知して辻のテレパシーを逆に利用して去って行くというところですっきり終わってくれたらゲラゲラ笑わせた後に夢を持つ楽しさに良い気分になって終わることが出来たはずなのに、その後かなり長く夢を見ることの素晴らしさを強調する場面が続く。後味を損なうという程ではないものの、どうも間延びした印象になり減点せざるを得なくなった。
夢を半分くらい持てましたよ。
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