映画評「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2009年アメリカ映画 監督ギャヴィン・フッド
ネタバレあり
アメ・コミを原作にした「X-MEN」シリーズのスピンオフ作品。
お話は開拓時代にまで遡って19世紀半ばの米国、少年ローガンは父親を襲った男に対し怒ると指から鋭い爪が伸びて相手を刺し殺し、似た特異体質の兄ヴィクターと逃走する。二人は老化が遅いという特異体質も併せ持ち、南北戦争に始まり、二つの大戦、ベトナム戦争で兵士として活躍する。
軍人ストライカー(ダニー・ヒューストン)がその能力に注目してミュータントで編成された特殊部隊に招き入れるが、残忍至極の作戦に馴染まないものを覚えたローガン(ヒュー・ジャックマン)は部隊を去る。
彼が山地で平和な暮らしを営む数年後のある日、突然現れたヴィクター(リーヴ・シュライバー)に恋人である教師ケイラ(リン・コリンズ)を殺害され、復讐の為に超金属アダマンチウムを盛り込んで肉体を不滅に改造する提案を受けるものの、提案したストライカーに彼自身の野望があるのを知って逃走、以降ローガンはストライカーの遣わす手ごわい刺客やヴィクターと激しい戦いを繰り広げる羽目になる。
熱烈なファンでない僕には旧作の記憶も覚束ないのでマニアックな面白さを発見することは余りないものの、お話が第一作に繋がっているくらいは何とか解る。
総論としては、お話の展開が直線的で、かつ、つまらない性格描写でモタモタするところが少ないのが有難い。その意味で忍者映画的な楽しみ方ができ僕をご機嫌にさせたシリーズ第3作に近いが、多様な見せ場を切れ味良くスケール感満点に繰り出した同作には大分及ばない。
もう少し具体的な面では、ミュータントがテーマである以上なるべく生来の特異体質人間であるのが望ましい為、また他の作品との差別化の意味でも、一番の強敵が大改造人間というのは興醒め。
或いは、不滅の体に改造されるローガンが100年以上も生きている為に元々不滅であるような印象があり前後のコントラストが余り出て来ないのはつまらず、そんな昔からお話を始めたのは戦い方が変わるに伴い兄弟の戦闘マシーンとしての意味が変わっていることを示す為だろうが、それによって犠牲にされた部分の方が大きいような気がする。
僕は寒くなると体が真っ赤になって痒くなる寒冷アレルギーです。
2009年アメリカ映画 監督ギャヴィン・フッド
ネタバレあり
アメ・コミを原作にした「X-MEN」シリーズのスピンオフ作品。
お話は開拓時代にまで遡って19世紀半ばの米国、少年ローガンは父親を襲った男に対し怒ると指から鋭い爪が伸びて相手を刺し殺し、似た特異体質の兄ヴィクターと逃走する。二人は老化が遅いという特異体質も併せ持ち、南北戦争に始まり、二つの大戦、ベトナム戦争で兵士として活躍する。
軍人ストライカー(ダニー・ヒューストン)がその能力に注目してミュータントで編成された特殊部隊に招き入れるが、残忍至極の作戦に馴染まないものを覚えたローガン(ヒュー・ジャックマン)は部隊を去る。
彼が山地で平和な暮らしを営む数年後のある日、突然現れたヴィクター(リーヴ・シュライバー)に恋人である教師ケイラ(リン・コリンズ)を殺害され、復讐の為に超金属アダマンチウムを盛り込んで肉体を不滅に改造する提案を受けるものの、提案したストライカーに彼自身の野望があるのを知って逃走、以降ローガンはストライカーの遣わす手ごわい刺客やヴィクターと激しい戦いを繰り広げる羽目になる。
熱烈なファンでない僕には旧作の記憶も覚束ないのでマニアックな面白さを発見することは余りないものの、お話が第一作に繋がっているくらいは何とか解る。
総論としては、お話の展開が直線的で、かつ、つまらない性格描写でモタモタするところが少ないのが有難い。その意味で忍者映画的な楽しみ方ができ僕をご機嫌にさせたシリーズ第3作に近いが、多様な見せ場を切れ味良くスケール感満点に繰り出した同作には大分及ばない。
もう少し具体的な面では、ミュータントがテーマである以上なるべく生来の特異体質人間であるのが望ましい為、また他の作品との差別化の意味でも、一番の強敵が大改造人間というのは興醒め。
或いは、不滅の体に改造されるローガンが100年以上も生きている為に元々不滅であるような印象があり前後のコントラストが余り出て来ないのはつまらず、そんな昔からお話を始めたのは戦い方が変わるに伴い兄弟の戦闘マシーンとしての意味が変わっていることを示す為だろうが、それによって犠牲にされた部分の方が大きいような気がする。
僕は寒くなると体が真っ赤になって痒くなる寒冷アレルギーです。
この記事へのコメント
もっと単純な話でいいものを、わざわざややこしくして、脚本家を始めスタッフがアメコミ映画の最高峰と謳われる「ダークナイト」のプレッシャーに負けて自滅した感じでした。^^
>もっと単純な話
構成自体は思いの外直線的でしたが、余りすっきり出来ていなかったですかね。
>「ダークナイト」
対抗するならお話そのものをこねくりまわすより悪役を強烈にすべきですが、なかなか難しいでしょう^^