映画評「マッハ!弐」
☆☆(4点/10点満点中)
2008年タイ映画 監督トニー・ジャー、パンナ・リットグライ
ネタバレあり
スコタイ王朝とアユタヤ王朝という名称は高校で世界史を真面目に勉強した諸氏には懐かしいのではないだろうか。
15世紀、スコタイ王朝に従属する一国の王子である主人公ティン(成人後トニー・ジャー)がアユタヤ王朝の伸張に乗じた家臣ラッチャセーナ(サルンヨー・ウォングックラチャン)に両親を惨殺され、逃亡して盗賊チューナン(ソーラボン・チャートリー)の配下になって雌伏すること数年、彼の継ぐ筈だった領土に新王国を興して初代国王を宣言したかつての家臣をその即位式に襲撃する。
というお話だが、トニー・ジャー、パンナ・リットグライの進め方は、回想が幾つかに分断されている為に大変まだるっこい。勿体ぶらずに最初から主人公の復讐譚として直線的に見せれば、もっとタイトに進め、飽きさせずにアクションを楽しませることができた筈である。
そのアクション描写にはスローモーションを大量に混ぜている。勿論ジャーのアクションは迫力満点なので弱々しさを誤魔化す目的とは感じさせないものの、スローが出て来る度に大袈裟な印象を受けるので結局余り有り難くない。
見せ場としては大量の象を使ったアクロバットが目立つくらいで、新機軸と言えるほどのアクションは見られず、特に終盤の格闘は長すぎて飽きる。それを思うと、1980年代から90年代前半くらいまでのジャッキー・チェンの創意工夫は大したものだったなあと今さらながら感嘆せずにはいられない。
後発はつらいよ。
2008年タイ映画 監督トニー・ジャー、パンナ・リットグライ
ネタバレあり
スコタイ王朝とアユタヤ王朝という名称は高校で世界史を真面目に勉強した諸氏には懐かしいのではないだろうか。
15世紀、スコタイ王朝に従属する一国の王子である主人公ティン(成人後トニー・ジャー)がアユタヤ王朝の伸張に乗じた家臣ラッチャセーナ(サルンヨー・ウォングックラチャン)に両親を惨殺され、逃亡して盗賊チューナン(ソーラボン・チャートリー)の配下になって雌伏すること数年、彼の継ぐ筈だった領土に新王国を興して初代国王を宣言したかつての家臣をその即位式に襲撃する。
というお話だが、トニー・ジャー、パンナ・リットグライの進め方は、回想が幾つかに分断されている為に大変まだるっこい。勿体ぶらずに最初から主人公の復讐譚として直線的に見せれば、もっとタイトに進め、飽きさせずにアクションを楽しませることができた筈である。
そのアクション描写にはスローモーションを大量に混ぜている。勿論ジャーのアクションは迫力満点なので弱々しさを誤魔化す目的とは感じさせないものの、スローが出て来る度に大袈裟な印象を受けるので結局余り有り難くない。
見せ場としては大量の象を使ったアクロバットが目立つくらいで、新機軸と言えるほどのアクションは見られず、特に終盤の格闘は長すぎて飽きる。それを思うと、1980年代から90年代前半くらいまでのジャッキー・チェンの創意工夫は大したものだったなあと今さらながら感嘆せずにはいられない。
後発はつらいよ。
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