映画評「50歳の恋愛白書」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2009年アメリカ映画 監督レベッカ・ミラー
ネタバレあり
女優としても活躍していた時代のあるレベッカ・ミラーが自らの小説を脚色し、自ら映画化した女性映画。邦題から予想されるような恋愛映画ではない。
30歳年上の夫アラン・アーキンと結婚しておよそ30年になる主婦ロビン・ライト・ペンは、周囲から良妻賢母と思われているが、十代の時に母親マリア・ベローへの反抗心から家を出て退廃的な生活を送り麻薬中毒になっていたという秘密の過去がある。
文学関係の夫と知り合って彼女は本来の知性を取り戻し普通の主婦になったわけだが、高齢で衰えて来た夫に伴って高齢者コミュニティに引っ越してから精神のバランスを崩し、やがて親友と思っていたウィノーナ・ライダーと夫が浮気をしていたことにショックを受けつつ安心する。かつて夫を奪って前妻モニカ・ベルッチを死に追い込んだ罪の意識から解放されるのである。そして、自由になった彼女は子供を置いて隣の年下の青年キアヌー・リーヴズと共に旅立つ。
要は初老の女性が自分本来の居場所を発見するまでのお話で、構図としては余り面白味がないが、ディテールには興味深いところがある。
例えば、普段彼女は息子と違って娘とは上手く行かない。ところが、母親が旅立つことには娘の方が理解を示す。ヒロインの母親への、また娘のヒロインへの反発は余りに似た者への近親憎悪だったのだろうと理解され、近いDNAは運命までも似させるのかと微笑ましさを感じさせる。
或いは、中盤彼女はストレスから夢遊病を発症するが、これが結婚以降自分を隠している彼女をシンボライズし、人生の夢遊病から覚めた彼女が旅に出る幕切れへと繋がって行く辺り大変面白い。
しかし、映像作品としてはナレーション(ヴォイスオーヴァー)で説明する部分が多い為ちょっと物足りなさを覚える。
この作品とは関係ないけれど、「戦場でワルツを」(WOWOW)を録画し忘れてしまった。凹むなあ。
2009年アメリカ映画 監督レベッカ・ミラー
ネタバレあり
女優としても活躍していた時代のあるレベッカ・ミラーが自らの小説を脚色し、自ら映画化した女性映画。邦題から予想されるような恋愛映画ではない。
30歳年上の夫アラン・アーキンと結婚しておよそ30年になる主婦ロビン・ライト・ペンは、周囲から良妻賢母と思われているが、十代の時に母親マリア・ベローへの反抗心から家を出て退廃的な生活を送り麻薬中毒になっていたという秘密の過去がある。
文学関係の夫と知り合って彼女は本来の知性を取り戻し普通の主婦になったわけだが、高齢で衰えて来た夫に伴って高齢者コミュニティに引っ越してから精神のバランスを崩し、やがて親友と思っていたウィノーナ・ライダーと夫が浮気をしていたことにショックを受けつつ安心する。かつて夫を奪って前妻モニカ・ベルッチを死に追い込んだ罪の意識から解放されるのである。そして、自由になった彼女は子供を置いて隣の年下の青年キアヌー・リーヴズと共に旅立つ。
要は初老の女性が自分本来の居場所を発見するまでのお話で、構図としては余り面白味がないが、ディテールには興味深いところがある。
例えば、普段彼女は息子と違って娘とは上手く行かない。ところが、母親が旅立つことには娘の方が理解を示す。ヒロインの母親への、また娘のヒロインへの反発は余りに似た者への近親憎悪だったのだろうと理解され、近いDNAは運命までも似させるのかと微笑ましさを感じさせる。
或いは、中盤彼女はストレスから夢遊病を発症するが、これが結婚以降自分を隠している彼女をシンボライズし、人生の夢遊病から覚めた彼女が旅に出る幕切れへと繋がって行く辺り大変面白い。
しかし、映像作品としてはナレーション(ヴォイスオーヴァー)で説明する部分が多い為ちょっと物足りなさを覚える。
この作品とは関係ないけれど、「戦場でワルツを」(WOWOW)を録画し忘れてしまった。凹むなあ。
この記事へのコメント
機会があったら是非観て見たいと思います!
文学的に見るならなかなか面白いと思います。^^