映画評「猿ロック THE MOVIE」
☆☆(4点/10点満点中)
2010年日本映画 監督・前田哲
ネタバレあり
芹沢直樹の同名人気コミックを実写化したTVドラマの劇場版。
市原隼人扮するサルなる鍵師が銀行強盗事件で裏方として活躍した後、その現場で見かけた少女・比嘉愛未から後日「記憶障害云々」と頼まれて彼女が働いているというスポーツクラブの金庫を開けたことから、彼女がそこから取り出したバッグを巡って、クラブを経営しているヤクザと、その中身を取り戻したい警察双方から追われることになる。
コメディー・タッチで展開する巻き込まれ型サスペンスで、裏金を入れるのにクラブのマークを付けたバックをわざわざ使うヤクザも間抜けなら、裏金を銀行に預けようとする警察も間抜けだが、ここは敢えて重欠点扱いはしますまい。
しかし、彼女を守ろうと苦労してバッグを取り出したサルがその彼女がヤクザに捕縛され車ごと海に投げ込まれようとしている時にヤクザが取り返したがっているバッグを利用せず、あろうことかバイクで勝手に転んだ拍子に相手に渡してしまうとは、純朴と言うより主人公の知恵のなさ加減に呆れてしまうし、バックを取り出す為にあれ程時間をかけて描いた前段をそこで生かさないのは作劇的にセンスレスである。文字通り猿ほどの知恵もないといった印象の後で、水没する車の中からいかに主人公たちが生還し生還させるかというサスペンスに力が入るはずもない。
「星の王子さま」を利用した部分は悪くないだけに、主人公が純朴を通り越してここまで阿呆では、実質的に青春コメディーとは言え、観ていて馬鹿らしくなってしまう。
市川隼人の演技は監督の指導に問題ありで、臭すぎましょう。
スケールが多少違う程度で、TVも映画も差がなくなりましたなあ。
2010年日本映画 監督・前田哲
ネタバレあり
芹沢直樹の同名人気コミックを実写化したTVドラマの劇場版。
市原隼人扮するサルなる鍵師が銀行強盗事件で裏方として活躍した後、その現場で見かけた少女・比嘉愛未から後日「記憶障害云々」と頼まれて彼女が働いているというスポーツクラブの金庫を開けたことから、彼女がそこから取り出したバッグを巡って、クラブを経営しているヤクザと、その中身を取り戻したい警察双方から追われることになる。
コメディー・タッチで展開する巻き込まれ型サスペンスで、裏金を入れるのにクラブのマークを付けたバックをわざわざ使うヤクザも間抜けなら、裏金を銀行に預けようとする警察も間抜けだが、ここは敢えて重欠点扱いはしますまい。
しかし、彼女を守ろうと苦労してバッグを取り出したサルがその彼女がヤクザに捕縛され車ごと海に投げ込まれようとしている時にヤクザが取り返したがっているバッグを利用せず、あろうことかバイクで勝手に転んだ拍子に相手に渡してしまうとは、純朴と言うより主人公の知恵のなさ加減に呆れてしまうし、バックを取り出す為にあれ程時間をかけて描いた前段をそこで生かさないのは作劇的にセンスレスである。文字通り猿ほどの知恵もないといった印象の後で、水没する車の中からいかに主人公たちが生還し生還させるかというサスペンスに力が入るはずもない。
「星の王子さま」を利用した部分は悪くないだけに、主人公が純朴を通り越してここまで阿呆では、実質的に青春コメディーとは言え、観ていて馬鹿らしくなってしまう。
市川隼人の演技は監督の指導に問題ありで、臭すぎましょう。
スケールが多少違う程度で、TVも映画も差がなくなりましたなあ。
この記事へのコメント
『RED/レッド』には、それがありましたね。
フライパンに、そんなもののせてどうすんだ?あっ!なるほど!?がありましたね。
引用された例とは少し異なるかもしれませんが、観客が感情移入するような、異常者ではない、登場人物が行動心理学に沿わない行動を起こすと変な印象を起こすわけで、どんなジャンルでもここがきちんとしていないとお話にならないですね。
>『RED/レッド』
1年後が楽しみでございます^^