映画評「NINE」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2009年アメリカ映画 監督ロブ・マーシャル
ネタバレあり
2年半程前に再鑑賞したフェデリコ・フェリーニの「8・1/2」をブロードウェイ・ミュージカル化した「9」を、「シカゴで舞台ミュージカルの映画化の実績のあるロブ・マーシャルが映画化。
うっかり「8・1/2」がベースになっているということを知ってしまったので、余り気の乗らない鑑賞になった。というのも同作をベースにしたミュージカルに「オール・ザット・ジャズ」(1980年)という先行作品があるからである。あちらはボブ・フォシーの自伝的内容を「8・1/2」の手法を使ったというだけでお話は違うが、主人公たる芸術家の内面を幻想を交えたミュージカル場面で表現するという着想は同じだから余り面白味が感じられない。
イタリアの有名映画監督ダニエル・デイ=リュイスが新作発表をしたもののスランプで脚本が書けず、温泉療養地で浮気相手ペネロペ・クルスを迎えても邪魔が多くて怏々として楽しめず、益々行き詰り、細君マリオン・コティヤール、主演女優のニコール・キッドマン、女性記者ケイト・ハドスン、母親ソフィア・ローレンの幻想が頭をよぎり、遂にギブアップするが、2年後衣裳係のジュディ・デンチの一言で復活する。
というお話は「8・1/2」と大同小異で別の作品として観るには感興が湧かない。純粋にミュージカルとしても「オール・ザット・ジャズ」があるせいか余り魅力を感じず、楽曲もケイト・ハドスンが歌ったナンバーが面白かった程度。群舞も衣装が似たり寄ったりで案外つまらず、「シカゴ」に大分及ばない。
そうそう観られないミュージカル映画だから甘めに評価しておきますが、昨今リアリズム信仰が災いして、幻想やステージを使わないと成立しないミュージカルが多すぎる。MGMミュージカルのような“本物”が出て来ないかな。
被災地のど真ん中・東北高校のNINEは今日頑張りましたね。
2009年アメリカ映画 監督ロブ・マーシャル
ネタバレあり
2年半程前に再鑑賞したフェデリコ・フェリーニの「8・1/2」をブロードウェイ・ミュージカル化した「9」を、「シカゴで舞台ミュージカルの映画化の実績のあるロブ・マーシャルが映画化。
うっかり「8・1/2」がベースになっているということを知ってしまったので、余り気の乗らない鑑賞になった。というのも同作をベースにしたミュージカルに「オール・ザット・ジャズ」(1980年)という先行作品があるからである。あちらはボブ・フォシーの自伝的内容を「8・1/2」の手法を使ったというだけでお話は違うが、主人公たる芸術家の内面を幻想を交えたミュージカル場面で表現するという着想は同じだから余り面白味が感じられない。
イタリアの有名映画監督ダニエル・デイ=リュイスが新作発表をしたもののスランプで脚本が書けず、温泉療養地で浮気相手ペネロペ・クルスを迎えても邪魔が多くて怏々として楽しめず、益々行き詰り、細君マリオン・コティヤール、主演女優のニコール・キッドマン、女性記者ケイト・ハドスン、母親ソフィア・ローレンの幻想が頭をよぎり、遂にギブアップするが、2年後衣裳係のジュディ・デンチの一言で復活する。
というお話は「8・1/2」と大同小異で別の作品として観るには感興が湧かない。純粋にミュージカルとしても「オール・ザット・ジャズ」があるせいか余り魅力を感じず、楽曲もケイト・ハドスンが歌ったナンバーが面白かった程度。群舞も衣装が似たり寄ったりで案外つまらず、「シカゴ」に大分及ばない。
そうそう観られないミュージカル映画だから甘めに評価しておきますが、昨今リアリズム信仰が災いして、幻想やステージを使わないと成立しないミュージカルが多すぎる。MGMミュージカルのような“本物”が出て来ないかな。
被災地のど真ん中・東北高校のNINEは今日頑張りましたね。
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