喪中映画評「グリーン・ゾーン」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2010年アメリカ映画 監督ポール・グリーングラス
ネタバレあり
現在喪中であります。喪失感以上に罪悪感に苦しめられております。為に理解もままならない状態で鑑賞したり、頭が整理できないまま書いたものは“喪中映画評”というタイトルとし、他の映画評とは区別することに致しました。そんな状態で映画評などと称するのも甚だ失礼とは存じますが、悪しからず。なるべく早く自分である程度納得できるものが書けるように努めます。
グリーン・ゾーンというのはイラク戦争で陥落した後米軍本部が置かれたバクダッドの地区のこと。准尉マット・デーモンはそこから送られてくる情報に基づいて大量破壊兵器を捜索する部隊の指揮を取っているが、いつも空振りに終わる為情報源やそれを掌握している国防総省に疑いを持ち、情報源を追っているCIAの部連ダン・グリースンと手を組む。情報を一元的に放出している女性新聞記者エイミー・ライアンの記事から情報源が誰であるか掴むと、アメリカ本位の民主化は行なわせまいと単独で情報源に接近していく。
イラクに大量破壊兵器がなく、アメリカ軍人の中にも真にイラクの為に働こうとした人物がいたという事実を基に、フィクショナル要素を加えて構成したポリティカル・サスペンスとでも言うべき内容。
監督は“ボーン”シリーズ2作でデーモンと組んだポール・グリーングラスで、ドキュメンタリー・タッチの揺れる画面かつ極短のカット割りで見づらいのはいつも通り。この監督の持ち味だけだから仕方がないのかもしれないが、娯楽性が高く「ハート・ロッカー」ほどドキュメンタリー・タッチで撮る必然性が感じられない分、それにより仮に臨場感が生まれたとしてもプラス材料にしてはいけないのではないか。映画言語的には寧ろ疑問を覚えるくらい。
内容的にも、大量破壊兵器がなかった事実は周知につき、告発ものとしての面白味が余り感じられず不満が残る。また、本作の基調がアメリカの言い訳なのか、良心なのか、観客によって理解・評価が分れるだろう。
2010年アメリカ映画 監督ポール・グリーングラス
ネタバレあり
現在喪中であります。喪失感以上に罪悪感に苦しめられております。為に理解もままならない状態で鑑賞したり、頭が整理できないまま書いたものは“喪中映画評”というタイトルとし、他の映画評とは区別することに致しました。そんな状態で映画評などと称するのも甚だ失礼とは存じますが、悪しからず。なるべく早く自分である程度納得できるものが書けるように努めます。
グリーン・ゾーンというのはイラク戦争で陥落した後米軍本部が置かれたバクダッドの地区のこと。准尉マット・デーモンはそこから送られてくる情報に基づいて大量破壊兵器を捜索する部隊の指揮を取っているが、いつも空振りに終わる為情報源やそれを掌握している国防総省に疑いを持ち、情報源を追っているCIAの部連ダン・グリースンと手を組む。情報を一元的に放出している女性新聞記者エイミー・ライアンの記事から情報源が誰であるか掴むと、アメリカ本位の民主化は行なわせまいと単独で情報源に接近していく。
イラクに大量破壊兵器がなく、アメリカ軍人の中にも真にイラクの為に働こうとした人物がいたという事実を基に、フィクショナル要素を加えて構成したポリティカル・サスペンスとでも言うべき内容。
監督は“ボーン”シリーズ2作でデーモンと組んだポール・グリーングラスで、ドキュメンタリー・タッチの揺れる画面かつ極短のカット割りで見づらいのはいつも通り。この監督の持ち味だけだから仕方がないのかもしれないが、娯楽性が高く「ハート・ロッカー」ほどドキュメンタリー・タッチで撮る必然性が感じられない分、それにより仮に臨場感が生まれたとしてもプラス材料にしてはいけないのではないか。映画言語的には寧ろ疑問を覚えるくらい。
内容的にも、大量破壊兵器がなかった事実は周知につき、告発ものとしての面白味が余り感じられず不満が残る。また、本作の基調がアメリカの言い訳なのか、良心なのか、観客によって理解・評価が分れるだろう。
この記事へのコメント
福島原発もそうですが、現場というのはいつも苛酷なミッションの連続ですね。
無人偵察機は噂には聞いていましたが、この作品ではリアルに使われていたと思います。
>現場
苛酷です。福島原発もある意味戦争みたいなものですね。