映画評「トラブル・イン・ハリウッド」
☆☆★(5点/10点満点中)
2008年アメリカ映画 監督バリー・レヴィンスン
ネタバレあり
映画界の内幕を描いた作品は何年かに一度くらい作られるが、ハリウッドの内幕をこれほどストレートに描いたものは珍しい。
プロデューサーのロバート・デニーロは、カンヌへの出品予定もあるマイケル・ウィンコットの新作が試写会で暴力過多として酷評された為、幕切れの再編集を要求する映画会社の女社長キャサリン・キーナーと現状維持を主張する監督との間で大わらわになる。或いは、これからクランクインする新作ではご本人を演ずるブルース・ウィリスがサンタのように伸びた髭を剃らないと駄々をこね、エージェントや本人に当ってもなかなかままならない。そうした仕事の合間には離婚した二度目の妻ロビン・ライト・ペンとの間に起きたデリケートな問題の処理もしなければならず気が休まる間もない。
プロデューサー(製作者)も色々タイプがあるが、ハリウッドにおける職業プロデューサーのまとめ役としての立場がよく解るのが最大の取柄で、極めて映画ファン向けの映画ということができる。
アメリカから大量の残忍すぎる映画が輸入される現状を考えると、本作が描写する、観客の暴力への、特に犬への暴力への大きな拒否反応には皮肉も感じられないではないが、そうであるならばアメリカで散々貶されたのがカンヌでは大受けといった、思い切った作劇を打ち出すべきだっただろう。
バリー・レヴィンスンの演出は相変わらずきちんとしているが、かつての勢いは未だ戻らず。
プロデューサーもつらいよ。
2008年アメリカ映画 監督バリー・レヴィンスン
ネタバレあり
映画界の内幕を描いた作品は何年かに一度くらい作られるが、ハリウッドの内幕をこれほどストレートに描いたものは珍しい。
プロデューサーのロバート・デニーロは、カンヌへの出品予定もあるマイケル・ウィンコットの新作が試写会で暴力過多として酷評された為、幕切れの再編集を要求する映画会社の女社長キャサリン・キーナーと現状維持を主張する監督との間で大わらわになる。或いは、これからクランクインする新作ではご本人を演ずるブルース・ウィリスがサンタのように伸びた髭を剃らないと駄々をこね、エージェントや本人に当ってもなかなかままならない。そうした仕事の合間には離婚した二度目の妻ロビン・ライト・ペンとの間に起きたデリケートな問題の処理もしなければならず気が休まる間もない。
プロデューサー(製作者)も色々タイプがあるが、ハリウッドにおける職業プロデューサーのまとめ役としての立場がよく解るのが最大の取柄で、極めて映画ファン向けの映画ということができる。
アメリカから大量の残忍すぎる映画が輸入される現状を考えると、本作が描写する、観客の暴力への、特に犬への暴力への大きな拒否反応には皮肉も感じられないではないが、そうであるならばアメリカで散々貶されたのがカンヌでは大受けといった、思い切った作劇を打ち出すべきだっただろう。
バリー・レヴィンスンの演出は相変わらずきちんとしているが、かつての勢いは未だ戻らず。
プロデューサーもつらいよ。
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