喪中映画評「(500)日のサマー」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
2009年アメリカ映画 監督マーク・ウェッブ
ネタバレあり
現在喪中であります。喪失感以上に罪悪感に苦しめられております。為に理解もままならない状態で鑑賞したり、頭が整理できないまま書いたものは“喪中映画評”というタイトルとし、他の映画評とは区別することに致しました。そんな状態で映画評などと称するのも甚だ失礼とは存じますが、悪しからず。なるべく早く自分である程度納得できるものが書けるように努めます。
夏は90日しかないはずと思ったら、サマーは人名でした。
グリーティングカード会社に勤める若者ジョセフ・ゴードン=レヴィットが社長のアシスタントとして入社してきたゾーイ・デシャネル(つまり題名のサマー嬢)に言わば一目惚れし、4日目に好きなロック・バンドが同じであることで意気投合、友達関係を続けた後、僅かにその一線を超えるが、運命の恋を信じる彼と愛を信じない彼女との間にある溝は埋まらず、結局退社した彼女が衝動的な結婚をした為に彼は寄りを戻すチャンスを失い失意に沈む。
「女心は解らぬものよ」とため息を付かざるを得ない若者の心境を、内容とは反対に、寧ろ軽妙に描き出しているが、括弧付きの日や理想と現実とを同時に映し出す分割画面がその軽妙さに一役買っている。
主人公自身の回想という扱いなので必ずしも時系列に沿って展開せず、日付を前後させることで心境にコントラストを付けたりするアイデアが楽しい。主人公が運命の恋に否定的になった時に彼女が運命の恋と信じ込んだ相手と結婚してしまう皮肉な展開も映画的に面白い。さらに、主人公が面接先で今度はオータムという女性と巡り合う、という幕切れの洒落っ気にニヤニヤ。
アメリカ映画に登場する人物特に主人公は積極的だったり、精力的だったりする人物が多いので、こういうプラトニックな青年は新鮮で、好感を覚えやすい。
2009年アメリカ映画 監督マーク・ウェッブ
ネタバレあり
現在喪中であります。喪失感以上に罪悪感に苦しめられております。為に理解もままならない状態で鑑賞したり、頭が整理できないまま書いたものは“喪中映画評”というタイトルとし、他の映画評とは区別することに致しました。そんな状態で映画評などと称するのも甚だ失礼とは存じますが、悪しからず。なるべく早く自分である程度納得できるものが書けるように努めます。
夏は90日しかないはずと思ったら、サマーは人名でした。
グリーティングカード会社に勤める若者ジョセフ・ゴードン=レヴィットが社長のアシスタントとして入社してきたゾーイ・デシャネル(つまり題名のサマー嬢)に言わば一目惚れし、4日目に好きなロック・バンドが同じであることで意気投合、友達関係を続けた後、僅かにその一線を超えるが、運命の恋を信じる彼と愛を信じない彼女との間にある溝は埋まらず、結局退社した彼女が衝動的な結婚をした為に彼は寄りを戻すチャンスを失い失意に沈む。
「女心は解らぬものよ」とため息を付かざるを得ない若者の心境を、内容とは反対に、寧ろ軽妙に描き出しているが、括弧付きの日や理想と現実とを同時に映し出す分割画面がその軽妙さに一役買っている。
主人公自身の回想という扱いなので必ずしも時系列に沿って展開せず、日付を前後させることで心境にコントラストを付けたりするアイデアが楽しい。主人公が運命の恋に否定的になった時に彼女が運命の恋と信じ込んだ相手と結婚してしまう皮肉な展開も映画的に面白い。さらに、主人公が面接先で今度はオータムという女性と巡り合う、という幕切れの洒落っ気にニヤニヤ。
アメリカ映画に登場する人物特に主人公は積極的だったり、精力的だったりする人物が多いので、こういうプラトニックな青年は新鮮で、好感を覚えやすい。
この記事へのコメント
オカピーさんは6点をつけられるだろうと勝手に予測していましたら、意外にも7点でしたね。
私はこの作品はものすごく辛口レビュー炸裂になってしまい、「過剰にピュアで幼い、恋愛経験不足の草食系男子が、”恋愛幻想”の袋小路にハマり、痛い目に遭ってやっとオトナへの一歩を踏み出す成長物語」といった乱暴なまとめをして、トムちっくな友人男性の皆様から怒られそうでした。
>乱暴なまとめ
いやいや、全くその通りのお話だと思います^^
ただ、いかにもマッチョなアメリカ人的体質には嫉妬するというか抵抗があるので、寧ろこういうウジウジした日本人的性格の若者がかの国にもいるのかと思うと、妙に親近感がわいて嬉しくなったところがありましてね。