喪中映画評「ゼブラーマン」

☆☆★(5点/10点満点中)
2003年日本映画 監督・三池崇史
ネタバレあり

現在喪中であります。喪失感以上に罪悪感に苦しめられております。為に理解もままならない状態で鑑賞したり、頭が整理できないまま書いたものは“喪中映画評”というタイトルとし、他の映画評とは区別することに致しました。そんな状態で映画評などと称するのも甚だ失礼とは存じますが、悪しからず。なるべく早く自分である程度納得できるものが書けるように努めます。

ヒーローものには疎いので、それに絡めたコメントはできません。

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2010年(製作年から言えば近未来)、防衛庁は横浜にUFOがエイリアンがいるらしいと調査を開始する。他方、家族にも生徒にも馬鹿にされているダメ教師・哀川翔は、32年前に低視聴率の為に早々に打ち切られたTV番組のヒーロー“ゼブラーマン”に憧れ、自作コスチュームを着てこっそり街に出てみたある日、謎の怪人カニ男に遭遇、逃げ回るうちに突然力が湧き出て見事にやっつけてしまう。他方、防衛庁調査官の渡部篤郎は発見された死体から緑の液体が洩れでているのを見出す。
 教頭・大杉漣が“ゼブラーマン”の脚本家で、彼の書いた脚本が予言的警告であることに気付いた哀川はその幕切れを阻止すべく立ち上がる。

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前半はかなりコミカルで、この辺りは脚本を書いた宮藤官九郎らしさが良く出ているが、主人公の庶民的な人物像を最後まで残したおかげでヒーローものらしくなっていく後半ともごく自然に繋がり、“ゼブラーマン”好きの教え子(安河内ナオキ)と母親・鈴木京香を上手く絡めて、馬鹿馬鹿しいなりに案外素直に楽しめる。星は水準に留めざるを得ないのですがね。

監督は多作の三池崇史で、哀川翔に敬意を払ってどうも意図的にVシネマ(ビデオ映画)風にした感があり、CGが安っぽいなどと視覚面で批判するのは野暮なような気がする。

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この記事へのコメント

ボー
2011年05月28日 09:04
こんにちは。
三池監督作品では「カタクリ家の幸福」というのが面白く見ることができて、「ヤッターマン」もアニメの実写化として上手くやっているなあと感じられ、なかなか好きなほうの監督さんです。
ばかばかしさというか、ゆるい空気感が、自分と合うかどうか、でしょうか。結局は。
本作も
オカピー
2011年05月28日 11:20
ボーさん、こんにちは。

>「カタクリ家の幸福」
これは僕には合わなかったような記憶があります。^^

>ばかばかしさ
「ヤッターマン」も合ったかどうか微妙なのですが、本作はばかばかしいなりに面白かったです。
その割に星が伸びないのは、多少映画としての格なども考慮するところがあり、読む人が読めば星が少なくても気に入った作品であると解るように書いているつもりなんです^^

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