映画評「華麗なるアリバイ」
☆☆★(5点/10点満点中)
2008年フランス映画 監督パスカル・ボニゼール
ネタバレあり
アガサ・クリスティのミステリー「ホロー荘の殺人」の映画化だが、残念ながらポワロは出て来ない。探偵の出て来る作品を探偵なしに変更して上手く行った例は余り記憶にない(1969年から1973年にかけて「火曜日の女」という6話構成のシリーズものがあって、そのうちの一つが金田一耕助の出て来ない「犬神家の一族」だったということが数年前に判明した。これは怖かったものの、子供時代のことなので当てにならない)が、これもどうやらその口のようだ。
フランスの片田舎の大邸宅で上院議員ピエール・アルディティとその妻ミウ=ミウをホストとするパーティーが開かれ、浮気性で知られる精神科医ランベール・ウィルソンとその妻アンヌ・コンシニ、彫刻家ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、女優カテリーナ・ムリーノなどが出席する。
かくして宴もたけなわになった頃突然の銃声を聞きつけたミウ=ミウは、プール脇でウィルソンが撃たれて倒れており、妻が拳銃を握り呆然としているのを発見する。警察は浮気に嫉妬したアンヌの犯行として彼女を逮捕して取り調べるが、使われた弾丸と持っていた拳銃が合わなかった為に釈放され、被害者に対し複雑な思いを抱いている他の面々も夫々動機らしきもの(これが甚だ曖昧なのだ)やアリバイがあって一筋縄には行かない。
一応ミステリーなので終幕は伏せるしかないが、ポワロが出て来ないということもあって実際にはミステリーというよりは半端な愛憎ドラマに終始して退屈させられる部分が多い。それ以前に登場人物が本格的なクリスティ映画のように整然と紹介されないので人物を把握する前にお話が進行して訳が解らなくなった人が多かったのではあるまいか。
「8人の女たち」のようにミュージカル仕立てながら本格ミステリー以上に楽しませてくれる作品もあるのでちょっと期待して観たが、がっかりする出来映えと言わざるを得ない。この程度の設定であれば一般ドラマとして観る手もあるものの、そうするにしても登場人物の交通整理が行き届いていないので退屈するのが落ちだろう。
「火曜日の女」を見ていた頃「ク●ー●を入れないコーヒーなんて」というCMコピーが流行りましたっけ。何が言いたいかと言えば「ポワロのいないクリスティなんて」ということです。
2008年フランス映画 監督パスカル・ボニゼール
ネタバレあり
アガサ・クリスティのミステリー「ホロー荘の殺人」の映画化だが、残念ながらポワロは出て来ない。探偵の出て来る作品を探偵なしに変更して上手く行った例は余り記憶にない(1969年から1973年にかけて「火曜日の女」という6話構成のシリーズものがあって、そのうちの一つが金田一耕助の出て来ない「犬神家の一族」だったということが数年前に判明した。これは怖かったものの、子供時代のことなので当てにならない)が、これもどうやらその口のようだ。
フランスの片田舎の大邸宅で上院議員ピエール・アルディティとその妻ミウ=ミウをホストとするパーティーが開かれ、浮気性で知られる精神科医ランベール・ウィルソンとその妻アンヌ・コンシニ、彫刻家ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、女優カテリーナ・ムリーノなどが出席する。
かくして宴もたけなわになった頃突然の銃声を聞きつけたミウ=ミウは、プール脇でウィルソンが撃たれて倒れており、妻が拳銃を握り呆然としているのを発見する。警察は浮気に嫉妬したアンヌの犯行として彼女を逮捕して取り調べるが、使われた弾丸と持っていた拳銃が合わなかった為に釈放され、被害者に対し複雑な思いを抱いている他の面々も夫々動機らしきもの(これが甚だ曖昧なのだ)やアリバイがあって一筋縄には行かない。
一応ミステリーなので終幕は伏せるしかないが、ポワロが出て来ないということもあって実際にはミステリーというよりは半端な愛憎ドラマに終始して退屈させられる部分が多い。それ以前に登場人物が本格的なクリスティ映画のように整然と紹介されないので人物を把握する前にお話が進行して訳が解らなくなった人が多かったのではあるまいか。
「8人の女たち」のようにミュージカル仕立てながら本格ミステリー以上に楽しませてくれる作品もあるのでちょっと期待して観たが、がっかりする出来映えと言わざるを得ない。この程度の設定であれば一般ドラマとして観る手もあるものの、そうするにしても登場人物の交通整理が行き届いていないので退屈するのが落ちだろう。
「火曜日の女」を見ていた頃「ク●ー●を入れないコーヒーなんて」というCMコピーが流行りましたっけ。何が言いたいかと言えば「ポワロのいないクリスティなんて」ということです。
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