映画評「スプライス」
☆☆(4点/10点満点中)
2008年カナダ=フランス映画 監督ヴィンチェンゾ・ナタリ
ネタバレあり
「CUBE」の一発アイデアのおかげで映画を撮り続けることが出来ているヴィンチェンゾ・ナタリのSFサスペンス。
製薬会社の研究室で様々な難病に役立つタンパク質を作り出す研究を続けている生物学者夫婦エイドリアン・ブロディ―とサラ・ポリーが、科学者としての欲望に堪え切れず自ら開発した新生物に人間の遺伝子を加えた生命体を作る実験を始めてしまう。最初はカンガルーみたいだったその生命体は、この手の作品の定石で物凄いスピードで成長、次第に人間の女性らしい形態を帯び、人間の言葉を理解し、夫婦の生活を学習した結果、ブロディーに色目を使って関係を結んだ後最後の変態を終えて手に負えない怪物になってしまう。
遺伝子操作という比較的新しい技術をテーマにして入るものの、基本は「フランケンシュタイン」もどきのマッド・サイエンティストものである。ところが、本作に出て来るマッド・サイエンティストは中途半端で妙に人間的なところがあるので映画として全く変てこな具合になっている。
彼ら特に彼女はそもそもマッドなのだから常識通りに行動しなくても良い。しかし、一般人より高級な頭脳を持っていることになっているのだから自分の母親が持っていた納屋を隠し場所にしたり、死んだのを科学的に確認しないで埋めるなんて阿呆なことをしてはいけない。常識を外れるのと常識以下というのは全く違う概念でござる。
自分の作った怪物に襲われるというのもこの手の作品の定石で、新生物がメスからオスに変化するという伏線を入れておいたのは良かったのか否か。卑怯などんでん返しにしなかったという意味では買いたいが、それほど誉められるものでもないだろう。
そろそろもう一発当りを取らないと、ナタリは先がないかも。
2008年カナダ=フランス映画 監督ヴィンチェンゾ・ナタリ
ネタバレあり
「CUBE」の一発アイデアのおかげで映画を撮り続けることが出来ているヴィンチェンゾ・ナタリのSFサスペンス。
製薬会社の研究室で様々な難病に役立つタンパク質を作り出す研究を続けている生物学者夫婦エイドリアン・ブロディ―とサラ・ポリーが、科学者としての欲望に堪え切れず自ら開発した新生物に人間の遺伝子を加えた生命体を作る実験を始めてしまう。最初はカンガルーみたいだったその生命体は、この手の作品の定石で物凄いスピードで成長、次第に人間の女性らしい形態を帯び、人間の言葉を理解し、夫婦の生活を学習した結果、ブロディーに色目を使って関係を結んだ後最後の変態を終えて手に負えない怪物になってしまう。
遺伝子操作という比較的新しい技術をテーマにして入るものの、基本は「フランケンシュタイン」もどきのマッド・サイエンティストものである。ところが、本作に出て来るマッド・サイエンティストは中途半端で妙に人間的なところがあるので映画として全く変てこな具合になっている。
彼ら特に彼女はそもそもマッドなのだから常識通りに行動しなくても良い。しかし、一般人より高級な頭脳を持っていることになっているのだから自分の母親が持っていた納屋を隠し場所にしたり、死んだのを科学的に確認しないで埋めるなんて阿呆なことをしてはいけない。常識を外れるのと常識以下というのは全く違う概念でござる。
自分の作った怪物に襲われるというのもこの手の作品の定石で、新生物がメスからオスに変化するという伏線を入れておいたのは良かったのか否か。卑怯などんでん返しにしなかったという意味では買いたいが、それほど誉められるものでもないだろう。
そろそろもう一発当りを取らないと、ナタリは先がないかも。
この記事へのコメント
2、3とシリーズ化したらがっかりな作品に終わりました。
新たなアイデアを考え出さねば並んでしょうね。
「CUBE」は「SAW」の作者たちにアイデアを与えたと思いますが、シリーズとしては「SAW」に負けましたね。
当たりのないナタリ・・・実は洒落のつもりでしたが、太字にしませんでした(笑)
すいません(-_-;)
太字にすれば一発なんですけどね^^
こちらこそすみませんでした。