映画評「魔法使いの弟子」
☆☆★(5点/10点満点中)
2010年アメリカ映画 監督ジョン・ターテルトープ
ネタバレあり
魔法使いもSFX時代ののんびりしたものは割合好きだったが、VFXで何でもかんでも見せられるようになって却ってつまらなくなった。ジェリー・ブラッカイマーが製作、「ナショナル・トレジャー」シリーズのジョン・ターテルトープが監督した本作もVFXはなかなか上出来に感じたが、欧米魔法使いものの型通りで今一つ感興が湧かない。
本作で重要な魔法使いとして登場するマーリンは「アーサー王伝説」で知られるあのマーリンと考えて良いのだろう(他の方のブログを拝見したら、ディズニー初期の音楽アニメ「ファンタジア」の中の一篇「魔法使いの弟子」からの拝借になるらしい。大昔観たきりですっかり忘れていたデス。恥ずかしい)。
そのマーリンの三人の弟子のうちホルバート(アルフレッド・モリーナ)がバルサザール(ニコラス・ケイジ)に愛するヴェロニカを奪われたことを逆恨みして悪の女魔法使いモルガナ(モニカ・ベルッチ)に付いたものの、バルサザールはモルガナの魂をヴェロニカの体に押し込めた上で人形の中に封印し、ホルバートも人形に封印。
千年余り後の現在はニューヨーク、バルサザールはマーリンの真の後継者たる若者デーヴ(ジェイ・バルチェル)を発見するものの、彼が言い付けを守らなかった為にホルバートが復活、二人はホルバートと蘇ったモルガナを相手にニューヨーク全体を巻き込む魔法戦争を繰り広げることになる。
僕は映画において作品のタイプによっても違うがリアリティはそれほど重要とは思っていないものの、生活感情を共有できない作品は観ていてわくわくできない。うまく出来たファンタジーやSFでは正義の味方がやられれば観ている僕らもやられてしまうような錯覚に陥り手に汗を握ることができる。どこがどう違うのか具体的に説明するのは難しいが、筋の運び方(ナレーションはできれば避けるべし)や人物配置、行動心理学的に正しい行動かどうかで差が出るのである。残念ながら本作は僕にはヒヤヒヤもはらはらもできない口で途中から「勝手にやっていなさい」という感じで観ておりました。
2010年アメリカ映画 監督ジョン・ターテルトープ
ネタバレあり
魔法使いもSFX時代ののんびりしたものは割合好きだったが、VFXで何でもかんでも見せられるようになって却ってつまらなくなった。ジェリー・ブラッカイマーが製作、「ナショナル・トレジャー」シリーズのジョン・ターテルトープが監督した本作もVFXはなかなか上出来に感じたが、欧米魔法使いものの型通りで今一つ感興が湧かない。
本作で重要な魔法使いとして登場するマーリンは「アーサー王伝説」で知られるあのマーリンと考えて良いのだろう(他の方のブログを拝見したら、ディズニー初期の音楽アニメ「ファンタジア」の中の一篇「魔法使いの弟子」からの拝借になるらしい。大昔観たきりですっかり忘れていたデス。恥ずかしい)。
そのマーリンの三人の弟子のうちホルバート(アルフレッド・モリーナ)がバルサザール(ニコラス・ケイジ)に愛するヴェロニカを奪われたことを逆恨みして悪の女魔法使いモルガナ(モニカ・ベルッチ)に付いたものの、バルサザールはモルガナの魂をヴェロニカの体に押し込めた上で人形の中に封印し、ホルバートも人形に封印。
千年余り後の現在はニューヨーク、バルサザールはマーリンの真の後継者たる若者デーヴ(ジェイ・バルチェル)を発見するものの、彼が言い付けを守らなかった為にホルバートが復活、二人はホルバートと蘇ったモルガナを相手にニューヨーク全体を巻き込む魔法戦争を繰り広げることになる。
僕は映画において作品のタイプによっても違うがリアリティはそれほど重要とは思っていないものの、生活感情を共有できない作品は観ていてわくわくできない。うまく出来たファンタジーやSFでは正義の味方がやられれば観ている僕らもやられてしまうような錯覚に陥り手に汗を握ることができる。どこがどう違うのか具体的に説明するのは難しいが、筋の運び方(ナレーションはできれば避けるべし)や人物配置、行動心理学的に正しい行動かどうかで差が出るのである。残念ながら本作は僕にはヒヤヒヤもはらはらもできない口で途中から「勝手にやっていなさい」という感じで観ておりました。
この記事へのコメント
ニューヨークのシーンでは、クレーンの上に何時間も座っていたとか、あのシーンだけで8000万円はかかっただろう、さすがディズニー!と紹介してましたけどね。
ギリシャ神話が元であろうが、聖書が元であろうが、アーサー王伝説が元であろうが、何故か現在になると展開するのがアメリカそれもニューヨークと相場が決まっているのに苦笑させられるハリウッド映画ですが、本作なんか観ていて力が入らないですよネエ。
ゲーム世代は、映像が賑やかだから、こういうのでも楽しめるのかな。
クラシック音楽と映画の記事をアップし、あちこちに直リンしています。(笑)意外にみなさん、何気なく、同系記事が多く直リンだらけになってしまいましたよ。特にオカピーさんところは、わたしなりに絞って4記事のご紹介、いつもどおりの事後報告になります(笑)。
それにしても、みなさん、ここの体系は、こんなにたくさんの記事があるのですね。あらためて驚きですよ。
しかし、オカピーさんにおかれては、やはりハードルも高く、やはり目が肥えると、記事本数に比してもちょっとやそっとの作品では、なかなか高得点とはならないんだなあ。
>生活感情を共有できない作品は観ていてわくわくできない・・・
わたしも、ファンタジーであったとしても、どこか自身の生活に立ち返れる想像を掻き立てられないと、その作品が印象に残りません。生活と文化・・・ものの基本かもしれませんね。
では、また。
直リンクは全然構わないのですが、そういうのに限って手抜きの記事だったりするので、却って恥ずかしい・・・(笑)
>ハードルが高い
その表現は正しいと思います(笑)。
というのも、点数は跳び箱みたいなもので、6段までは余裕で跳べたのに7段になると全く跳べない、といった感覚があるでしょう?
映画の評価もそんなもので、5点は標準ですから大概の作品がクリアしますし、6点も何かしら面白い点があれば出そうという気になりますが、7点になると総合的に優れていると感じさせないとちょっと出せません。8点となればかなり興奮状態、9点以上はちょっと冷静でいられなくなるくらいの感じかな。
跳び箱の感覚で採点して行くと、やはりなかなか高得点は出しにくい、という次第です。
>ファンタジー
ファンタジー、SFだから何でもありでは困るわけでして、時代劇だからと言ってただ昔のことを描いていてもダメなように、我々の実際の生活や感情に何らかの関連性がなければ面白く見られませんよね。
「そんなこと関係ないよ」というのであれば、映画でなくてゲームを楽しめば良いと思います。