映画評「MAD探偵 7人の容疑者」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2007年香港映画 監督ジョニー・トー、ワイ・カーウァイ
ネタバレあり

犯人側がサイコなサイコ・スリラーは少なからず作られてきたが、捜査する方がサイコなのはちょっと珍しい。

1年半前に二人組で捜査していた刑事の一人が失踪し、やがてその拳銃を使った事件が続発、若い刑事アンディ・オンは余りに奇妙な捜査手法の為に首になった元刑事ラウ・チンワンに調査を依頼する。彼は相手の他人格が見え、また、加害者や被害者の行動を再現することで事件の実像が見えてくる特殊な能力があるのだ。

例えば失踪した刑事が埋められたと考えれば、実際に埋められてみたり、事件のあった店で強盗犯のふりをしてみたり、今までになかった着想でなかなか興味深い。

かくして、失踪した刑事と一緒に組んでいたラム・カートンが怪しいと睨んで追跡、すれ違う時に7人の男女が見える。つまりこれが容疑者の全人格(厳密に言えば8人ということになると思う。この作品ではそこが曖昧)で、最初のうちはピンと来ないところがあるが、女性の姿で立ちションしている姿を観ていると理解できてくる。

ラムの方は拳銃の登録番号を入れ替えて事件を起していたのだが、オンが徐々にラウの捜査に信用が置けなくなると弱々しい少年の姿が現われる、という辺りの発想も面白い。これで事件自体にもう少し面白いアングルがあれば、ちょっとした傑作になっていたと思う。

この記事へのコメント

ねこのひげ
2011年11月22日 06:18
シロウト目に見ても、発想はいいのに、もうすこし工夫が必要という作品とは結構ありますよね。
香港では盗まれないために急いで作るから、どうしても練りがたらない作品が多いようですね。
オカピー
2011年11月22日 21:23
ねこのひげさん、こんにちは。

探す方法は面白いのに、犯人の方に工夫がなくてがっかりでした。
TVで観るなら十分以上面白いです。

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