映画評「座頭市喧嘩旅」

☆☆★(5点/10点満点中)
1963年日本映画 監督・安田公義
ネタバレあり

シリーズ第5作。

堂山一家に助っ人を頼まれた市(勝新太郎)が浪人三名を斬った後侍たちに追われる妙齢美人・お美津(藤村志保)を無事江戸まで届けることに相成り、ある老夫婦に彼女の為に籠を依頼して貰った後堂山一家に向う。堂山からは対立する下妻一家との出入りに必要な腕を買われたわけだが、お美津がさらわれて下妻一家に人質になっているのを知り、関係する親分連中を皆斬ってお美津を救う。

この作品が公開された頃始まった「眠狂四郎」シリーズがニヒリズムが基調だったのに対し、こちらのシリーズがロマンティシズムが基調になっているのがこの作品辺りで顕著になった。勿論この後どうなっていくかは解りません(昔一部を観ているが忘れてしまった)が、第5作までの印象である。

お話は極めて無難で広い道を走っているような感じ、監督もスタイリッシュな三隅研次や池広一夫は勿論田中徳三よりぐっと安全運転の安田公義なので観ているこちらも余裕が出過ぎて刺激が足りない。87分と短いので眠くなる前に終わるが、安田監督と僕の相性はやはり余り良くないようだ。

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