映画評「ジェネラル・ルージュの凱旋」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
2009年日本映画 監督・中村義洋
ネタバレあり
医療ミステリー「チーム・バチスタの栄光」の続編で、原作は勿論同じく海堂尊、監督も引き続き中村義洋。
東城大学付属病院、前作の活躍を認められて病院内の倫理委員長になってしまった窓際医師・竹内結子が、「センター長の堺雅人が医療メーカーと癒着し、看護師の羽田美智子も共犯である」という告白文を受け取り、院長から調査を頼まれる。優秀だが冷徹なセンター長を嫌うものは多く悪い噂が絶えず、彼女が彼がメーカーの支店長から何か受け取る現場を見た直後、支店長がヘリポートから墜落死して自殺と処理されてしまう。
そんな最中前作で活躍した厚労省の役人・阿部寛が入院、かくしてここに凸凹コンビが再結成(?)され、事件を解決していく。
前作に比べるとミステリー度は薄いが、構成は前作より鮮やかである。序盤というか前半がスローテンポという方が多いが、あれは結果的にまだるっこい展開になったのではなく、意図的に溜めを作り、審問会辺りから一気にその溜めを解除する計算と思う。それ以前に僕自身は全くスローとは感じなかったのだが。
いずれにせよ計算は図に当って、告発の真相から事件解決、そして地下鉄サリン事件をモデルにしたと思われる救急態勢の描写のクライマックスへとなだれ込んでいき、大したスペクタクルを構築している。
医療問題告発自体は格別に新味はないが、賄賂の中味、最後に再び怪我をした阿部が運ばれてきて、感動のうちに、竹内結子の悪寒の原因も見事に解決して見せるなどニヤニヤの連続となる。どんな小さなことでも賄賂は刑事事件云々などと言うのは、こんなセミ・コメディーにおけるユーモアに対して野暮である。
竹内結子の進歩のないのんびりムードもよろしく、阿部との組合せは「トリック」の凸凹ぶりに似て来たが、個人的には彼女がおっとりしている分それ以上に楽しめる。
2009年日本映画 監督・中村義洋
ネタバレあり
医療ミステリー「チーム・バチスタの栄光」の続編で、原作は勿論同じく海堂尊、監督も引き続き中村義洋。
東城大学付属病院、前作の活躍を認められて病院内の倫理委員長になってしまった窓際医師・竹内結子が、「センター長の堺雅人が医療メーカーと癒着し、看護師の羽田美智子も共犯である」という告白文を受け取り、院長から調査を頼まれる。優秀だが冷徹なセンター長を嫌うものは多く悪い噂が絶えず、彼女が彼がメーカーの支店長から何か受け取る現場を見た直後、支店長がヘリポートから墜落死して自殺と処理されてしまう。
そんな最中前作で活躍した厚労省の役人・阿部寛が入院、かくしてここに凸凹コンビが再結成(?)され、事件を解決していく。
前作に比べるとミステリー度は薄いが、構成は前作より鮮やかである。序盤というか前半がスローテンポという方が多いが、あれは結果的にまだるっこい展開になったのではなく、意図的に溜めを作り、審問会辺りから一気にその溜めを解除する計算と思う。それ以前に僕自身は全くスローとは感じなかったのだが。
いずれにせよ計算は図に当って、告発の真相から事件解決、そして地下鉄サリン事件をモデルにしたと思われる救急態勢の描写のクライマックスへとなだれ込んでいき、大したスペクタクルを構築している。
医療問題告発自体は格別に新味はないが、賄賂の中味、最後に再び怪我をした阿部が運ばれてきて、感動のうちに、竹内結子の悪寒の原因も見事に解決して見せるなどニヤニヤの連続となる。どんな小さなことでも賄賂は刑事事件云々などと言うのは、こんなセミ・コメディーにおけるユーモアに対して野暮である。
竹内結子の進歩のないのんびりムードもよろしく、阿部との組合せは「トリック」の凸凹ぶりに似て来たが、個人的には彼女がおっとりしている分それ以上に楽しめる。
この記事へのコメント
『チームバチスタ…』とか『ジェネラル・ルージュ…』とか・・・それだけで!?で読んでみようという気にさせます。
映画もよかったです。テレビでしか観てないけど(^^ゞ
阿部寛さんも竹内裕子さんも好きな役者でありますな。
竹内さんは、誰かさんにはもったいなかったね。
そうですね。
映画も良いタイトルが減りましたが、たしかに魅力的です。
阿部氏はコメディのイメージが強くなりすぎて残念ですが、実際には幅広い役柄ができそうですね。
竹内嬢は、大人気。僕は案外こういうのんびりした役が良いんじゃないかなあと思います^^
原作は読んでないのでしりませんが、主人公は男なんですかね、女なんでしょうか、原作では?
たしかに私も映画のおっとりとした竹内が好きですが、テレビの伊藤と仲村コンビもきらいじゃないです。
ただ、センター長は断然、堺のがよかったですね。本作では阿部ちゃんや竹内よりも堺が私は一番よかったです。
ミステリー度は弱いですが、私は1作目よりもこちらのが好きです。
>堺
皆さん、そう仰いますね。
いつも笑っているように見える堺君がこの役に合っていたんですね。
僕もこちらのほうが好きですね。