映画評「クリスマス・ストーリー」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2008年フランス映画 監督アルノー・デプレシャン
ネタバレあり

フランスの中堅監督アルノー・デプレシャンの家族劇で、舞台はご本人の生れた北フランスの都市ルーべ。

仲むつまじい老夫婦ジャン=ポール・ルシヨンとカトリーヌ・ドヌーブは、4人の子供があったが、長男が白血病の為6歳にして死亡、骨髄移植の可能性の為だけに生んだような次男マチュー・アマルリックは適合しなかった為に母に嫌われ、その間に生れ劇作家になった長女アンヌ・コンシニは息子の精神病のこともありアマルリックを蛇蝎のように嫌い、借金を肩代わりする代わりに追放処分に付す。一番平凡な三男メルヴィル・プポーは妻キアラ・マストロヤンニの間に二人の子供がいる。

といったところが主な登場人物で、カトリーヌに長男と同じ白血病が発症したことから、クリスマスに関係者が全員集まり、キアラをめぐって次男、三男、従兄での話し合いがあった事実が判明したりした末に、最終的に母は嫌っていた次男の骨髄を移植することを決意、家族の関係も少し改善されたように見える。

というお話は、ハリウッド映画のような明確な幕切れを持っていないが、子供の骨髄が生んだ母へと帰って行くという不思議な運命が、ちょっと神々しい響きを持って我々観客の心に共鳴を引き起こす。

反面、大家族が集まってくるところにイングマル・ベルイマンの「ファニーとアレクサンデル」にちょっと似た感じのところがあるが、神秘主義を交えて縦横無尽に語りつくす前述作ほど多様な面白さはなく、フランス映画らしい面倒臭い部分も目立って時々辟易させられる。

総合的にはまあまあといったところで、フランス人の主張の強い会話の応酬を抵抗なく見られる人には見応え十分と言えましょう。

この記事へのコメント

ねこのひげ
2012年01月28日 06:04
フランス人の議論好きには、辟易させられますが、フランス映画は、あやふやで終わらせるのうまいですね。
キアラ・マストロヤンニが、カトリーヌ・ドヌーブとマルチェロ・マストロヤンニの娘というのもおもしろいですね。
親子共演ですが、よく似てますね。
オカピー
2012年01月28日 21:11
ねこのひげさん、こんにちは。

メーカー時代にフランス人の接待をしましたが、なかなか大変でしたよ。フランス訛りにしてフランス式英語には相当悩まされましたし。

本作の場合は一応ちょっとしたハッピーエンドと解釈すべきなんでしょうね。

>親子共演
そうなんですよね。
でも、娘ではなく嫁という設定でしたけど(笑)。
シュエット
2012年03月12日 11:09
これもねぇ、観たんですけどネェ。
フランス映画って、屁理屈こね回すところなんかも、きらいじゃないんだけどね。どうもこの映画は、あまり好きくないなぁ。
>フランス映画らしい面倒臭い部分も目立って時々辟易させられる。
どうもねぇ、親子の疎外感とかが、確執とかが、どうもとってつけた感じで無理やりって感じが鼻について。自己主張ばかりが目立って。ドヌーブに、娘のキアラ、それからキアラの元恋人で二人の間には子供までいる、メルヴィル・プポーが夫婦役で…なんか話題性だけの映画みたいで。
結局、私にはあまり記事にする気が起きなかった映画でした。
オカピー
2012年03月12日 17:28
シュエットさん、こんにちは。

>屁理屈
台詞の多いフランス映画には、会話劇としての面白さに結実したものが少なく、本当に面倒臭い作品が多いですねぇ。
多分僕の“面倒臭い”と、シュエットさんの“とってつけた感じ”という表現は、ほぼ同じ意味のような気がします。

>話題性
なるほど、なるほど。

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  • ????????????Un conte de No�

    Excerpt: ????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????.. Weblog: LOVE Cinemas ?? racked: 2012-01-27 16:09
  • クリスマス・ストーリー(2008)☆彡UN CONTE DE NOEL

    Excerpt: 降る雪が、待ちに美しい魔法をかけるように。映画が、人生に魔法をかける。 「ボローニャの夕暮れ」の後、本作を鑑賞しました。フランスの超有名俳優が一堂に集結したかなり贅沢な作品です。とてもリッチな雰囲気.. Weblog: 銅版画制作の日々 racked: 2012-01-29 00:56