映画評「メカニック」(2011年版)

☆☆★(5点/10点満点中)
2011年アメリカ映画 監督サイモン・ウェスト
ネタバレあり

人気絶頂だったチャールズ・ブロンスンが1972年に主演した同名映画のリメイクで、骨子はほぼ同じ。

決して殺人の証拠を残さない殺し屋ジェースン・ステイサムが、裏切りを働いたらしい組織の上司ドナルド・サザーランドをカージャック(本当はハイジャックという)犯の仕業と見せかけて殺し、一緒に仕事をすることが父親殺し露見の危険性を冒すことと知りながら、そのぐうたら息子ベン・フォスターを相棒として仕込むうち、やがて問題の日が訪れる。

という物語で、その結果は観てのお楽しみというところだが、方法こそ違え同じ終わり方なので、オリジナルを見ている人には犯人を明かされたミステリーを読むみたいでつまらんということになる。尤もかなり前の旧作なので憶えていない御仁が多いだろう。

それ以前に映画としては見せ場を繋げるだけでニュアンスに欠けるアクション映画だったオリジナルを踏襲したような作り方で、却ってどんな見せ場があったかすぐに忘れてしまうくらい。プールで泳いでいる麻薬王を殺す最初の一幕が個人の趣味としては一番印象的だが、いずれにせよ、心理戦がサスペンスを生むようにこしらえた方がぐっと面白くなる素材なのに、行間を別にすれば二人の心理に殆ど触れずに進行するのでモタモタしない代わりにお話として物足りない結果をもたらしている。

かくして、オリジナルとは、ブロンスンとステイサムに対する好悪によって優劣が決まるといった程度の差。旧作の監督がマイケル・ウィナー(勝者)だからと言って西さんもといウェストに勝っているとは言いにくい。昭和中頃世代だからオリジナルの方が好きだけどね(笑)。

出来映えには関係ないが、音楽ファンとしては主人公の家にある管球アンプと恐らく1万ドル以上はするであろう超高級ターンテーブルに目を奪われた。所謂ハイエンド・オーディオだ。かつてはオーディオ機器に散財した僕も現在の心境ではせいぜい百万円程度にシステムを抑えてソフトを大量に買った方が良いと思う。

僕はメカニックではなく、マーケティング・マンでした。

この記事へのコメント

ねこのひげ
2012年06月09日 04:34
昭和世代としては、ブロンソン。平成世代はスティサムという程度の差でしょうか?
リメイクするなら、あっ!?こうきたか!!といつも望むねこのひげであります。
期待はいつも裏切られております。

ねこのひげも、20代のころ買ったステレオは、20万ぐらいしましたけどね~
擦り切れて廃棄してからは、安いので聞いてます。
オカピー
2012年06月09日 11:34
ねこのひげさん、こんにちは。

「さらば友よ」「雨の訪問者」は良かったけれど、「メカニック」の頃のブロンスンに余り良い作品はなかったと記憶しております。どちらかと言えば彼の魅力に頼ったところが多くて、まして愛妻ジル・アイアランドと共演作が増えてからは益々ダメになりまして、これに関しては彼のファンもうんざりした模様。唯一「バラキ」が良かった。

僕も良く憶えていなかったですが、結末はああなるのは解りきっていたので、今一つでしたねえ。最近の作品としてはアクション描写はまあまあ。
最初のジェームズ・ボンドが悪漢を殺す時に使いそうなプールでのシーンはなかなか面白かった。

僕はどちらかと言えば高級オーディオ・ファンで、ハイエンドとは行かないまでも、今でも一般の人から観れば相当高い機種を使っていますね。
余り使っていませんけど、CDトランスポートは定価180万円。しかし、それに見合うDAコンバーターが買えないので、普段は数万円のCDプレーヤーで聞いています。昔のロックを聴く分には殆ど差がないですよ。
アナログが聴けるプリアンプも壊れたので、今はパワーアンプにダイレクトにCDプレーヤーを繋いで聴いています。プリを通さない方が素直な良い音がしますし。
スピーカーは30年前に買ったヤマハの大型。ヤマハですから超高級品ではないですけど、安くもなかった(笑)。当時の給料数ヶ月分を払って買いましたが、不思議とどんどん音が良くなっています。これをアメリカ人は老朽化と考えるようですが、日本人はスピーカーが馴染んだと考えるわけです。本当に一番良いのは買ってから2、3年後なんでしょうけどね。

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