映画評「ピラミッド 5000年の嘘」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2010年フランス映画 監督パトリス・プーヤール
ネタバレあり
タイトルから想像できるように、世界史上最大の謎というか(通常はカウントされないが)オーパーツと言えないこともないエジプトの大ピラミッドの謎に迫るドキュメンタリーである。エジプトのピラミッドに関しては日本のTV局でも大人気で、取り上げられない年がないくらい。
ギリシャのヘロドトスが「ピラミッドはファラオの墓で、奴隷を使って建設した」と「歴史」で述べた為唯一後世まで残ったこの記述がつい最近まで定説になっていた。しかるに、近年“労働者は奴隷ではないこと”がほぼ間違いない説として確認されたし、日本の吉村作治教授は本作ほど極端ではないにしてもお墓説を否定している。
本作は、最大のクフ王の(墓とされてきた)ピラミッドに着目、特に20年程で作られたという定説の工期を一番ベースとなる疑問としている。これは本作を作ったパトリス・プーヤールでなくても不思議に思うし、オーパーツたる最大の所以であるが、それに加えて現在の技術を凌ぐ精度で組み立てられていること、そこに数学・物理学・天文学を熟知した者が作ったとしか思えない円周率・黄金比・方位などの情報が限りなく詰め込まれているのだと、本作の基となる書物を著したジャック・グリモー氏は考えている。
終盤は数学・物理学・天文学に関する数値や情報が幾つも出て来て文系の僕には内容について把握することが不可能になるが、そこから導かれる結論はピラミッド自体が未来(或いは現在の我々)への警告であり、地球に危機が迫っていることが否定できない、ということである。
いずれが真実であるかは永久に作った人々しか解らないことかもしれないが、もしこの映画が言っていることがほぼ正しいとするならば、ピラミッドは古代エジプト文明より遥かに古い超古代文明の人々により作られたか、若しくはSFアクション「エイリアンVSプレデター」で描かれたように宇宙人の英知によるものかどちらかになりそうである。本作は、沖縄海底の映像があることを考えると、どちらかと言えばグレアム・ハンコックに近い超古代文明説の立場であろうか?
いずれにしても、こういうことを想像させるピラミッドが面白い存在であることだけは間違いない事実である。
昨日の1000年の謎より遥かに不可解な5000年の謎。金を払ってまで観る価値があるかは保証できず。
2010年フランス映画 監督パトリス・プーヤール
ネタバレあり
タイトルから想像できるように、世界史上最大の謎というか(通常はカウントされないが)オーパーツと言えないこともないエジプトの大ピラミッドの謎に迫るドキュメンタリーである。エジプトのピラミッドに関しては日本のTV局でも大人気で、取り上げられない年がないくらい。
ギリシャのヘロドトスが「ピラミッドはファラオの墓で、奴隷を使って建設した」と「歴史」で述べた為唯一後世まで残ったこの記述がつい最近まで定説になっていた。しかるに、近年“労働者は奴隷ではないこと”がほぼ間違いない説として確認されたし、日本の吉村作治教授は本作ほど極端ではないにしてもお墓説を否定している。
本作は、最大のクフ王の(墓とされてきた)ピラミッドに着目、特に20年程で作られたという定説の工期を一番ベースとなる疑問としている。これは本作を作ったパトリス・プーヤールでなくても不思議に思うし、オーパーツたる最大の所以であるが、それに加えて現在の技術を凌ぐ精度で組み立てられていること、そこに数学・物理学・天文学を熟知した者が作ったとしか思えない円周率・黄金比・方位などの情報が限りなく詰め込まれているのだと、本作の基となる書物を著したジャック・グリモー氏は考えている。
終盤は数学・物理学・天文学に関する数値や情報が幾つも出て来て文系の僕には内容について把握することが不可能になるが、そこから導かれる結論はピラミッド自体が未来(或いは現在の我々)への警告であり、地球に危機が迫っていることが否定できない、ということである。
いずれが真実であるかは永久に作った人々しか解らないことかもしれないが、もしこの映画が言っていることがほぼ正しいとするならば、ピラミッドは古代エジプト文明より遥かに古い超古代文明の人々により作られたか、若しくはSFアクション「エイリアンVSプレデター」で描かれたように宇宙人の英知によるものかどちらかになりそうである。本作は、沖縄海底の映像があることを考えると、どちらかと言えばグレアム・ハンコックに近い超古代文明説の立場であろうか?
いずれにしても、こういうことを想像させるピラミッドが面白い存在であることだけは間違いない事実である。
昨日の1000年の謎より遥かに不可解な5000年の謎。金を払ってまで観る価値があるかは保証できず。
この記事へのコメント
まあ、マヤの予言の2012年はそれほどの騒ぎにはなりませんでしたが、ノストラダムスのときは大騒ぎでした。
古代文明の存在などは、知的好奇心を大いに刺激してくれて、楽しく面白いですけどね。
きのうの安倍清明のごとく、謎が多くの人を引き付けるのでしょう。
安倍清明を祭った清明神社には、「清明様、お慕い申し上げてます」なんて書いた文が届けられ、若い女性でにぎわっているそうです。
オーパツのひとつである、水晶のドクロは、18世紀から19世紀ごろに、ドイツで制作されたものであることがわかっているそうであります。
幽霊の正体見たり枯れ尾花・・・・では、雑誌の売り上げに響くので記事にすることはないそうであります。
ねこのひげは、5000年前の人間の知恵も現代人の知恵も、それほどの差はないと思っております。
おおきな差があるなら、とっくの昔に、アホな戦争なんかやめてますわな(笑)
>マヤの予言
「2012」という映画は出来ましたが、ノストラダムスで何もなかった後だったことと、ノストラダムスは相当前から騒がれていましたからね。
僕の同僚も「1999年に世界は終るから」と冷めた目で世の中を見ていました。ちゃんと解っていたのでしょうけど。
>古代文明
僕は中学時に黒沼健氏の「失われた古代大陸」という書物を楽しく読んだものです。
アトランティスでもムーでもない、レムリア大陸が印象に残っています。
>安倍清明
僕の先輩の独身女性が「石原裕次郎と結婚する」と言っていたのと同じレベルですかな(笑)。
>水晶のドクロ
これは去年どこかのホームページで読みました。
余り解らない方が夢が有ってヨロシイです。
>現代人の知恵
知恵が積もって現在の科学があり、いきなりエジソンやアインシュタインが生まれるわけではないですから、僕も知恵の差に関してはそう思いますなあ。
ただ、ピラミッドはいくら説を聞いてもどう作ったか、もし20年という工期が本当なら、全く解りませぬ。